事業再生には、様々なパターンがあります。
そして、支援する専門家としても、中小企業再生支援協議会や事業再生会社,や認定支援機関,専門コンサルタント、または税理士や中小企業診断士など様々に存在しますが、対応は同じではありません。
どんな専門家に相談するかによって、その後の展開は大きく変わることになりますから、目的や選択肢をしっかりと認識したうえで取り組む必要があるでしょう。
ある意味、事業再生や経営危機の打開は、最初に相談した専門家次第といっても言い過ぎではないのです。
私も、事業再生に関わってから15年が経過し、1100件を超えるお客様のご相談に乗らせていただきました。
沢山のご相談をさせていただいて、ご相談をいただく内容には様々なパターンがあり、ご相談者が希望される目標(落し処)も違うということを知りました。
逆に、時代とともに、相談内容は大きな傾向として変化し、ご相談をいただく業種や経営状況についても変化しているといえます。
開業当初のご相談内容は、資金繰りやリスケジュールから、経営改善,任意整理まで多岐にわたっていました。
経営状況も、何の問題もない正常な方から、破綻懸念もしくは実質破綻まで、広範囲に広がっていたといえます。
そして、我々専門家のアドバイスを信じて、再生に取り組んでいただける方が多かったようにも思います。
ところが、最近は、経営者からのご相談内容は絞られ、リスケジュールへの取組などといった、楽をさせていただける簡単なご相談はほとんどなくなってしまいました。
手元資金はほとんど喪失し、経営破綻を目前にした様な、追い込まれた状況でのご相談が多くを占めるようになったのです。
しかも、過去に複数の専門家にご相談をされ、玄人はだしの知識も持っておられますから、厳しい要求もされますし、逆に再生への取組が難しくなってしまってもいます。
今までご相談をされた専門家が、それぞれに違うことをアドバイスされ、相反する指導をされることなどもあり、知れば知るほど答えが見つけられなくなっている状況なのです。
判り易く表現すれば、虫歯で歯が痛いのに、内科と外科で治療を受け、様々な所見や治療を受けても、治癒はしないということになります。
事業の整理をしたいのに、再生しかできない専門家に相談しても、答えは見いだせないでしょう。
事業再生をさせたいのに、破産を勧めたい専門家に相談すれば、ややこしいことになってしまいます。
それぞれの、目標に沿った専門家に相談されなければ、求める答えなど見つけられないのです。
昔のご相談者は、経営危機での知識などは乏しいので、相談をされた専門家の話を素直に聞いて、目標や方向性を決めることになりますから、専門家と整合性が取れていたように思います。
他のことをご存じないから、自分の選択と目標について、疑問の余地などなかったのかもしれません。
しかし、最近は、それなりの知識をお持ちの方が多く、目標もお持ちになっていることがほとんどですから、適合した専門家と巡り合うことが大事なのです。
そんな専門家に巡り合うことが、再生への確実な取り組みになるのですが、そのためには、ご自身で確認をしておくべきことが2点あります。
『正確な経営状況』と『選択肢の可能性』の把握ということになります。
この2点を、事前にしっかりと把握したうえで、希望する目的や落し処を設定し、今後の可能性,実現できる選択をすべきなのです。
この2点のチェックだけを、専門家に相談されるのも方法かもしれません。
しかし、具体的な再生までの取組み全てを、専門家に一貫して任せてしまわれるのは避けられた方が良いと思います。
現実的に、経営状況などは見方によって評価は分かれるものですし、様々な選択肢を知る機会さえ失うことになるかもしれないからです。
私の師匠の小口正夫先生が、最初に相談した専門家によって、その経営者の今後の人生が決まると、よくお話をされていましたが、正しくその通りだと思います。
我々も、このことを肝に銘じて取り組まなければなりません。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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