人間、いざという場面では、凄まじい力を発揮するようです。
火事場の馬鹿力といいますが、経営危機に陥った場面において、普段は大人しい経営者が、想像もできないような力を発揮して急場を凌いだ事例には事欠きません。
ただ、よくよく状況を確認してみると、そんな成功事例の陰には、経営者の奥様が見え隠れしていることが少なくありません。
普段は、控えめで貞淑な奥様が、経営の瀬戸際において絶大な力を発揮し、経営者であるご主人を上手くコントロールされて、危機を脱することは珍しくないのです。
経営者が、夫婦でご相談に来ていただく場合、ご主人と奥様の関係を見ているだけで、おおよその経営状況が確認できるように思います。
ご主人がお元気で積極的にお話をいただき、奥様はほとんどお話になられない様な場合は、事業の状況はそんなに悪くありません。
逆に、ご主人は元気がなくて余りお話もされず、奥様が具体的なお話をしていただける場合などは、厳しい経営状況になっていることが多いようです。
当然、ご夫婦の性格にもよるでしょうが、傾向として、『女性は、逆境に強い!』この様な見方ができる様に思います。
男性と女性の、生理的な本能の違いなのかもしれませんが、厳しい状況に追い込まれると、適応力や対応力が男性は低下し、逆に女性は向上をするのかもしれません。
出産を経験される女性の、最後まで諦めることない強さは、男性にはなかなか理解できるものではないようです。
奥様が、事業の経理などを担当されておられれば、必然的に経営状況の把握はされておられるでしょう。
したがって、経営状況が厳しくなれば、当たり前のようにご主人と危機感を共有し、協力をして対応していただけると思います。
しかし、経営者の奥様が、事業には関与されておられず、経営状況をご存じない場合には、奥様への対応は考えなければなりません。
健全な経営が維持できているときは問題ありませんが、経営状況が厳しくなった時にどうするかなのです。
奥様に心配をかけないために、厳しい状況などは伝えず、男として自分だけで対応をしようとされるのか・・・。
夫婦として、力を合わせて危機を乗り越えるために、全てを説明して協力をしてもらうのか・・・
中小零細事業の経営者は、経営状況が、そのまま生活に直結してしまいますから、この判断は難しいところになります。
普段からのご夫婦の関係や、事業の規模などにも影響されるでしょうから、一概にどちらが良いとは言えないとも思います。
しかし、私のご相談させていただいた事例からでは、全てを奥様にご説明され、協力を仰がれた場合の方が、遥かに良い結果に繋がっていると断言できます。
それには、3つの理由が考えられます。
1つは、奥様に全てを話すことで、経営者であるご主人の心の拠り所ができることです。
会社での厳しい状況の中で、精神的に追い込まれているのですから、家庭に戻った時には、少しでも余裕を取り戻せることになるでしょう。
もう1つは、奥様に、黙り通すのが難しいからです。
資金繰りが本当に厳しくなると、プライベートな資産についても活用しなければならなくなります。
また、ご主人の変化を不思議に思い、いずれは知られてしまうものですから、問い詰められる前に自ら説明した方が良いでしょう。
最後の1つは、家族としての対応をするためです。
奥様が、何も知らずに、突然に事業が破綻したのでは、その日から家族は路頭に迷うことになります。
奥様が、不測の事態に備えて何らかの準備をするためにも、出来るだけ早く、正確に状況を伝えるべきなのでしょう。
このような理由により、経営状況が厳しいという事実を、奥様に伝える方が良い結果を得られることが多いようです。
ただ、全てが良い結果に繋がったわけではありません。
中には、鬼の様な奥様がおられ、厳しい経営状況をご説明された瞬間から、自宅が地獄になった事例もありますから難しいのです。
様々なご相談をさせていただき、ご夫婦の関係を拝見していると、夫婦とは上手い組み合わせだと思います。
女性は、男性にない強みを持っておられ、奥様は、ご主人の弱みを上手にフォロー
されているのです。
中小零細事業は、ご夫婦が力を合わせて取り組むというのが、失敗をしないポイントなのかもしれません。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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