利息が払えない・・・
ご相談者は、『事業は黒字なのですが、何故か、毎月資金が不足して大変です・・・。』と、開口一番にご説明してくださいます。
その理由は、決算書を見れば明らかなのですが、ご相談者は何故にそうなるのか納得できないような口ぶりです。
理屈は簡単であり、決算書に目を通すまでもなく、有利子負債が多すぎて借入の元本返済の負担に原因があるということは明確です。
黒字倒産といわれるものであり、不況直前に増えるという傾向があります。
ご相談者は、『事業は黒字なのですが、何故か、毎月資金が不足して大変です・・・。』と、開口一番にご説明してくださいます。
その理由は、決算書を見れば明らかなのですが、ご相談者は何故にそうなるのか納得できないような口ぶりです。
理屈は簡単であり、決算書に目を通すまでもなく、有利子負債が多すぎて借入の元本返済の負担に原因があるということは明確です。
黒字倒産といわれるものであり、不況直前に増えるという傾向があります。
仕事を頼んだら支払いをし、お金を借りたら返済をするというのは、当たり前のことだろうと思います。
もしも、約束通りに支払や返済ができなくなれば、昔の経営者ならば、事業の継続さえも諦めて、夜逃げや自殺といった悲惨な末路を選択されたのかもしれません。
しかし、現在はネットが発達したことにより、リスケジュールや代位弁済といった様々な手段が社会的に認知され、経営者は対応すべき方法を知ることができる様になりました。
多くの選択肢の存在を知ることにより、支払いや返済という約束が果たせなくなっても、経営者は具体的な対策を前向きに取り組めるようになったのです。
随分と昔に、ご相談をさせていただいたお客様から久しぶりにご連絡をいただき、経営状況が厳しくなったとのことで、ご面談をさせていただくことになりました。
以前のご相談内容をはっきりと覚えていなかったため、過去の面談記録を見直してみると、出して確認してみると、8年程前にリスケジュールについてアドバイスをさせていただいています。
それから半年後頃に電話をいただき、リスケジュールには順調に取り組み、資金繰りを確保したうえで、経営改善に取り組んで再生を目指しているということでした。
そういえば、このお客様以外にも、昔のお客様からの久しぶりのお問い合わせが、最近は随分と増えてきているようです。
経営する会社を、任意で整理に取り組むことになりましたが、不安です。
現在の経営形態のままで会社を継続させるには、負債が多すぎるため、事業は譲渡して、会社を整理をすることになりました。
任意整理については色々と勉強し、万全の準備を重ねてきましたが、もう一つ要領が掴めません。
初めての経験ですから、何もかもが不安なまま取り組んだのですが、たった一つのキーワードを理解するだけで、全て順調に進みました。
破産をすれば、自宅などの資産は無くなってしまうでしょう。
しかし、借金も無くなります。
任意整理であれば、自宅などの資産を残すことが可能です。
その代わり、借金や負債は、残つたままになってしまい、これからどの様な手続きや追及があり、最後はどうなるのでしょうか・・・。
事業再生や経営危機の打開に関してご相談をお受けし、現在の経営形態での事業継続が難しいと判断した場合、私は、任意での整理をお勧めします。
どうしようもない場合に破産をお勧めすることはありますが、それは、事業を守る必要がなく、経営者の今後の生活も心配ないという様な、ごく限られた状況の場合だけになります。
基本は、どの様な経営形態であろうと事業を維持することが最優先の目的となりますから、任意整理を選択すべきだといえるでしょう。
もしも、事業を維持できないということになっても、ある程度の資産を残せたり、今後の人生の糧が得やすく、事業家として再起を図り易いのは、間違いなく任意整理だといえるからです。
ご相談をいただいたお客様には、この様な理由で任意整理に取り組んでいただくことになるのですが、必ずと言っていいほど同じご質問をいただきます。
それは、『最後は、どうなるの・・・?』ということです。
任意整理に取り組む理由は判っても、その先がどうなって、最後にどうなるのかが判らなければ不安になるのは当然です。
今回は、2回に分けて、任意整理の意義と、取り組み以降の流れから最終の処理までをご説明し、最後がどうなるのかご理解をいただける様にしたいと思います。
まず、任意整理についてご説明いたします。
任意整理とは、基本的には再建型の手続きになりますが、状況により整理に移行可能な手続きもあり、様々な種類が存在します。
私的整理ガイドラインに則って手続きを進める方法や、事業再生ADR,会社分割,第二会社方式,事業譲渡、もしくはM&Aなども任意整理の手法ということができ、実に多様な選択肢が存在します。
任意整理に共通するのは、裁判上の手続きに頼らず、債務者が主体的に事業の再建を目指すということになるでしょう。
法的手続きに比べると、裁判上の手続きに頼らないために、債務者の意向を反映することが可能になるという特徴があります。
特に、我々の取り組む任意整理は、上記でご紹介した手法以上に、様々な制約を受けない私的な取り組みになります。
従業員や取引先といった社会的弱者への配慮を前提に、事業の維持を優先するが、駄目な場合でもスムーズに整理に取り組めるようにしています。
他の取組みに比べ、様々な面においてフレキシブルな対応が可能になり、手続きも迅速に進めることができて、取り組み費用の軽減も図れると思います。
そして、大きなメリットとして、手続きに着手していることが公にならず、信用不安を招きにくく、企業としての価値低下を回避することが挙げられます。
この様に、任意整理は、事業の維持というテーマに合致した選択肢であると共に、万が一の事態にもフレキシブルに対応できる手段だといえるのです。
この経営危機という場面において、 任意整理を選択すべき理由として、最後まで経営者としての責任を全うしなければならないことが挙げられます。
それは、社会的弱者への配慮ということであり、今まで、事業で共に苦労してくれた従業員や取引先という社会的弱者に、この経営危機を打開する局面で大きな負担を背負わせないということになります。
少しでも従業員や取引先の負担を軽減し、最後まで、経営者としての責任を全うするためにも、任意整理は有効なのです。
任意整理は、再生もしくは事業の維持を前提として取組み、状況によっては、万が一の対応としての整理についても準備を進めて取り組むことが可能です。
いきなり、法的手続きに着手するのではなく、将来を担保することが可能な、任意の手続きから着手すべきではないでしょうか。
次回は、任意整理への取り組み以降の流れから、最終処理までについてご説明いたします。
経営者として屈辱でしかありませんが、『支払いを、少し待ってください・・・』と、仕入先さんにお願いするしかありません。
こんな言葉など、言いたいはずはありませんが、会社の資金繰りを確保するためには、仕方がなかったのです。
経営者のプライドなど関係なく、経営者の責任として、当座の資金繰りを確保することは最優先でした。
経営者としてええ格好したいと、今まで取組めなかった自分が悪いのですが、会社が潰れるかもしれないという現実が、経営者としての責任を、最後に取り戻させてくれたようです。
『何故、こんな事になったのか・・・』と、社長は苦悩されます。
社長の右腕として辣腕を発揮し、会社の業績を向上させて、専務にまで引き挙げられて、先代社長を補佐されてきました。
そして、先代社長が、ご高齢により引退をされるときには、新社長として指名をされたのです。
実の子供でもないのに、事業の後継者に指名されるというのは、驚きであり感激でもあったのですが、その後の社長業は、中小企業の悲哀の詰まったものでしかありませんでした。
突然、電卓を持ち出して、目の前で収入の計算を始められました。
経営する事業が破綻した時、どの程度の収入が生活のために必要で、どうやって稼ぐかという計算を始められたのです。
未だ、大学に通う子供さんがおられますから、授業料などで大変なのは判りますが、今は、向き合う方向が違うように思います。
経営危機の打開に向けて、ご相談を始めたばかりですし、どんなことがあっても事業は守ると確認しあっていたところですから、そんな最悪の状況をリアルに検討する段階ではないと思うのですが・・・。
経営危機という厳しい環境では、経営の知識や常識が通用しにくくなるものです。
熱心に勉強を積み重ね、真面目に経営に取り組んでおられる経営者ほど、経営危機の打開においては、スムーズに取り組めない傾向があります。
経営的な知識には劣るが、人付き合いの上手いポジティブな思考の経営者は、何故か、上手く経営危機を打開してしまうという傾向が見受けられます。
債権債務処理や経営危機打開の場面では、こんな事例が多く見受けられ、たまたま結果がそうなったのではなく、経営者のご性格が、そのような結果を呼び込むのではないかと思います。
その専門家は、ただ『返済を止めろ!!』と、強く主張をされます。
自らの信ずる根拠を示しながら、返済を止めることだけが方法だと、状況や環境などお構いなしに説明をされるのです。
返済を止めること以外の方法や、置かれている環境や状況に適合した手段などには一切言及せず、何とか再生をさせたいという経営者の意志なども無視して、ただ、自らの主張だけをゴリ押しするようにしか受け止められません。
この主張の先にある結果について、この専門家は、責任をとれるのでしょうか・・・?