破産を選択した理由・・・


破産は、必要ない・・・という専門家は少なくありません。

私も、出来る限り、破産を回避すべくアドバイスしますが、絶対に破産という選択肢がないわけではありません。

現代は、経営危機に陥った事業者が、再生や整理向けて選択すべき手段が、様々に用意されるようになり、破産が不可欠いう事案は極端に減っているように思います。

しかし、それでも、ご相談者の事を考えて、破産の選択をお勧めすることがあるのですが、それは、いったいどのような状況なのでしょうか・・・?

 

経営危機に陥ったとき、経営者として、何を優先して考えるべきなのかは、明確だろうと思います。

従業員や取引先のことであり、彼ら社会的弱者の生活や仕事を考えて対応するというのは、責任ある経営者としては当然の事ではないでしょうか。

そうすると、破産という選択は、必然的に劣後の選択肢となってしまうでしょう。

何故なら、破産という選択は、事業の整理が前提となる選択肢であり、従業員や取引先の今後の生活の糧など、一切考慮されることはありません。

さらに、取引先の場合は、社会的弱者だからといっても、その処理や配当において、優遇されることもないのです。

破産を選択すると、債権や事業の規模に関係なく、法律の下で全てが公平に処理されることになり、それまでの破産者との関係の深さや、経営者の意向などが反映されることは一切ありません。

破産は公平な手続きであり、誰からも異論をはさまれるものでもありませんが、経営者の責任としてはどうなのでしょうか。

経営者は、法治国家で事業を展開していたわけですから、この様な場面では、当然に法的な手続きを選択すべきと理解し、破産を選択されたのでしょうか。

そのような経営者も皆無ではないと思いますが、多くの場合は、どうしたらいいのか判らずに破産を選択されたのではないでしょうか。

経営危機という、明日の見えない厳しい環境に落ち込み、そこから抜け出せる方法を見つけることができずに、一般的に認知されている『破産』という選択をされたというのが殆どだろうと思います。

その選択により、裁判所の手続きによって処理されることになり、経営危機という厳しい地獄の環境から、経営者は抜けだせることができたのです。

これで、経営者は楽になれたといえるのでしょうが、本当にそれでよかったのでしょうか。

経営者が破産を選択したことにより、従業員や取引先は仕事を失うことになり、取引先は売掛金の回収さえも満足にできなくなってしまうのですから、経営者として最後まで責任を果たしたとはいえないでしょう。

従業員や取引先が、仕事を確保できる処理方法は、様々に存在します。

取引先の売掛金を優先的に回収し、連鎖倒産などを回避する方法もあるのです。

そんな方法を精査・検討せず、安易に破産を選択するというのは、ある意味において、経営者の責任放棄だといえるのかもしれません。

 

私は、事業の整理の場面において、破産も有効な選択肢であると思っています。

ただし、様々な選択肢を検討して、他に方法が見当たらない場合や、もっとも破産が効果的であると判断した場合においてのみ、選択されるべき手段だろうと捉えています。

現実に、私が今まで積極的に関与させていただいた1300件ほどのご相談の中でも、破産を選択された事例が9件ほど存在します。

ある経営者は、ご高齢で守るべき資産もなく、事業も廃業状況となっており、年金で十分に生活できるような状況でしたので破産をされました。

ある経営者は、恒常的に赤字で将来性のない建設業を経営されており、銀行は当然の事、街金などからの借り入れも返済できなくなっており、建設のスキルで生活の糧は得ることができるため、破産を選択されました。

ご主人は個人事業を経営されていましたが、銀行からの借入について、体調が悪く精神的にも弱っておられる奥様が連帯保証人になっておられ、目ぼしい資産もないために、奥様だけの破産をお勧めしました。

ある経営者は、3年ほどかけて事業を第二会社に移し、その後4年目に旧会社と経営者ご自身が破産をされ、事業は第二会社で継続をされています。

私が、破産を選択肢としてアドバイスをさせていただいた案件は、この様な内容になります。

他にも、複数の案件が存在しますが、

  ・  今後の生活の糧を得ることが容易である。
  ・  目ぼしい資産がない
  ・  ご本人が、破産以外の方法に対応できる状況にない
  ・  連鎖倒産を引き起こす可能性がない

これらの点が、破産をアドバイスした案件の共通点となります。

間違いなく、破産が、もっとも効果的な選択肢であるという場合には、破産を選択しないという理由はありません。

 

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