何を優先させるのか・・・


 

経営危機は、他人に任せて打開できるものなどではありません。

経営は経営者次第だといいますが、経営危機打開という局面こそ、経営者は全力で取り組み力を発揮すべき場面だと思います。

しかし、ただ頑張れば打開できるというものでもなく、経営者には色々と考慮し配慮しなければならないことが沢山あるのです。

学校でも習えない、誰も教えてくれない、そんな経営者が経営危機打開に取り組むために身に付けておくポイントは何でしょうか・・・。



経営危機について、勘違いされている経営者は少なくありません。

そもそも、経営危機についての知識を、全く持っておられない経営者も珍しくはないのです。

そんな経営者が、突然、地獄の様な経営危機状況に放り込まれれば、正常な思考など働くはずはなく、具体的な対応を実施できるはずもありません。

そこで、中小企業の経営者が、これから未体験の経営危機打開に取組むために、最低限、理解しておかなければならない知識や考え方についてまとめたいと思います。


① 経営危機の打開は、何を諦めるかということ・・・

事業経営において、経営者の思う通りに全てが上手くいくことなんて、健全時でもあり得ないことでしょう。

ましてや、経営危機の状況においては、上手くいかないことの方が多くて当たり前だと思います。

しかし、諦めることも必要だということを理解し、経営者の思いに優先順位を付けて対応すれば、想定以上の結果を得る可能性があります。

このことを理解しておかないと、全てを失敗して可能性を喪失してしまうかもしれません。


② 前向きな努力でしか、結果を得られない・・・

満足に勉強もしない高校生が、東大に行きたいと願望しても、入学試験に合格するはずありません。

自分の能力や現実の学力を見極め、多くのものを犠牲にして最大限の努力をした高校生だけが、最善と思われる希望の大学に合格できるのではないでしょうか。

このことは、経営危機を打開する場面においても当てはまります。

口では再生を目指した経営改善を唱え、従業員にはリストラや多くの負担を強いながら、自らは高級車を乗り回し、今までと何ら変わらない日常を繰り返す経営者の下で、経営改善が成功するはずなどありません。

従業員は、常に経営者の本気を確認しているのです。

従業員に最前線での苦闘を強いるのなら、経営者も自ら安全圏から出て先頭に立ち、経営危機打開を日常の主体にして取り組まなければなりません。

経営危機は、経営者の自己を犠牲にした努力でしか、打開できるものではありません。


③ 打開に向けて取り組む方向性を選択する・・・

経営危機を打開するにも、様々な方向性があります。

・経営者は何ら変わらず、現経営形態(会社)を維持し、経営改善に取組むのか・・・
・経営者が意識を改め、現経営形態を守るため、全力で再生を目指すのか・・・
・万が一も視野に入れ、事業の維持対策も図るのか・・・
・現経営形態の継続を諦め、事業の維持に取組むのか・・・
・それとも、事業さえも諦めるのか・・・

まず、正確に経営状況を把握することが前提になりますが、この様に、様々に選択すべき方向性が存在することを理解してください。

その中で、状況に合わせた最善を選択することが大事なのです。


④ 最善の方向性を選択する理由をしっかりと・・・

最善の方向性を選択するためには、その実現の可能性について検討し判断しなければなりません。

まず、現在の経営状況を正確に把握し、現状に即した選択となっているのか検討することが不可欠となるのです。

そして、その選択の前提として、『何を守りたいのか』、『何を優先したいのか』について十分に考慮することが大事でしょう。

 ・現経営形態である会社を守りたいのか・・・
 ・会社はともかく、事業は守りたいのか・・・
 ・もう、事業や資金繰りで苦しみたくないのか・・・等々

これらについての経営者の意志も、当然に選択においては重要なポイントになります。

しかし、最善の方向性を実現できる可能性が、より重要であるのは間違いありません。

最善の方向性の選択においては、客観的に判断することが大事になります。


⑤ 守りたいものに優先順位をつける・・・

全てが上手くいく環境ではなく、全てが守れる状況でもありませんから、守りたいものなど優先順位をつけて取り組んでください。

 ・金融機関借入を完済したいのか・・・
 ・従業員の今後の生活を維持したいのか・・・
 ・取引先に迷惑を掛けたくないのか・・・等々

経営危機の事業においては、この様な目的や希望を全て叶えることが無理になりますから、優先順位を付けて取り組まなければなりません。

経営者個人としても、考えるところがあるでしょう。

 ・自分どうなってもいいから、社会的弱者を守りたいのか・・・
 ・最後まで、経営者としてのプライドを守りたいのか・・・
 ・先祖伝来の資産や自宅、更にはご自身の生活を守りたいのか・・・等々

この様に、経営危機で考慮すべき要素は様々に存在しますから、優先順位を設定し体系づけて考える様にしてください。

現状を理解したうえで、選択の可能性を模索することにより、今後の取り組むべき方向性が具体化し、より多くを守ることが可能になるでしょう。

それが、最善の選択肢ということになるのです。


⑥ 経営危機で、経営者がしてはいけないことは・・・

 ・現状を具体的に理解せず、可能性を検討しようとしないこと・・・
 ・自分を、悲劇の主人公にして、現状から逃避しようとすること・・・
 ・従業員に、前向きな姿勢を見せず、真摯に向き合わないこと・・・
 ・仕事以外に、無駄な時間を費やさないこと・・・
 ・形ばかり追求し、結果を出さないこと・・・
 ・体面にこだわり、実利を追求しないこと・・・

これらに当てはまる経営者は、けっして少なくないと思います。

こんなことを続けていたら、従業員のモチベーションが下がる一方ではないでしょうか。

経営危機という特殊な土俵際の状況では、全てが経営者次第だということを、しっかりと再確認する必要があるでしょう。

 

 

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