中小企業の経営者は、金融事故に陥ると、所有する資産は全て差押えされてしまうのではと不安になります。
不動産や預金口座,給料などの債務者の資産は、債権者の調査により簡単に把握されてしまう様に思えますが、実は、その手続きは難しく、現実的にはなかなか把握されるものではありません。
不安に駆られた経営者に対して、『どうやって、債権者に知られるのですか・・・?』と問いかけ、その事実をお伝えするだけで、その不安は喪失します。
しかし、今回の民法改正により、不動産などの資産の所在を調べ、差押えをして債権回収するという手続きが容易になろうとしているのです。
この4月1日以降、事業再生や経営危機打開の現場は、大混乱に陥るかもしれません。
民法の、財産法(債権関係法)が、約120年ぶりに改正をされ、我々の業務に大きな影響を与えそうなのです。
その改正内容は、資産の保全対策に関係する内容を中心に、債権債務処理の現場に直接に影響を与えるような内容が少なくありません。
少し大げさな表現をしているかもしれませんが、経営危機の打開を図ろうとする現場において、しっかりと理解して対応しないと大変なことになるのではないでしょうか。
冒頭でご紹介した内容は、民法改正に伴い民事執行法も改正をされ、その改正の内容により考えられる影響になります。
債務者が期限の利益の喪失をして金融事故になると、債権者は債務者からの債権回収を具体化させることになります。
その債権回収の手段は、裁判上の手続きも含め様々に存在しますが、最終的に有効な手段は差押えということになるでしょう。
しかし、この差押えは、債務者の資産の存在を具体的に把握していないと、その効果を得ることはできません。
特に、経営危機に陥った債務者は、『無い袖は振れない』を根拠に、差押え対象となる資産を喪失させることも珍しくありません。
したがって、債権者が債務者の資産を差押えして債権回収を図ろうとしても、その資産の存在を把握できずに、差押えが空振りになることが少なくないのです。
そんな時、債権者は、裁判所に『文書送達嘱託』をしたり、弁護士会経由での手続きを実施して、債務者の資産を把握する方法があります。
『文書送付嘱託』は、裁判所に申立てをして、銀行や保険会社などの第三債務者に、債務者の財産状況の開示を求める制度になります。
しかし、第三債務者の対象が明確になっているかなど、ピンポイントでの具体的な申立ての必要があり、申立て自体が容易ではありません。
弁護士会経由の手続きは、弁護士に依頼して、その所属する弁護士会経由で、第三債務者に債務者の財産状況の開示を求める制度です。
この手続きを、銀行などの第三債務者は拒否できないことになっていますが、守秘義務を根拠に拒否する事例が少なくありません。
結果、この2つの制度を活用しても、債権者が、債務者の資産を把握するのは容易ではないということなるのです。
ところが、この度の民法改正及び民事執行法改正により、債権者による債務者の資産の把握が、容易になろうとしています。
債務者の自己防衛手段である『無い袖は振れない』が、無効になるかもしれないのです。
民事執行法改正により、債務者の資産の把握が容易になる具体的な内容については、長くなりますので次回のブログでご紹介をさせていただきます。
ただ、それだけではなく、今回の民法改正は、全ての経営者が概要だけでも知っておく必要があるのではないでしょうか。
今後しばらく、民法改正に伴い、経営危機打開の現場で対応の変更が必要な内容について、ブログでご紹介をしていきたいと思います。
資金繰りの厳しい経営者や、経営危機に陥っている方にとっては、是非、不可欠な知識として興味を持っていただきたいと思います。
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