債権回収のプロ・・・


最近の債権回収は、随分と単純化していたように思います。

債権回収の担当者のレベルが低く、本気で債権回収しようという姿勢が見られません。

また、建前論や法理だけを振り回す、形骸化した債権回収ばかりであり、対応する我々としては好敵手に巡り合う機会がありませんでした。

ところが、世の中には、凄い債権回収のプロが存在するものです。

仕事を甘く見ているわけではありませんが、債権回収のプロを、少し舐め過ぎていたようです。

金融機関崩れの、いいかげんな債権回収のプロが多い現実に、感覚がマヒし気持ちが緩んでいたのかもしれません。

私がこの仕事を始めようとした頃は、債務整理の参考書やプロなど存在しませんでしたから、元々は債権回収の勉強をしました。

5年間ほど、債権者の立場で真剣に勉強をしましたから、債権回収の知識については、今でも絶対の自信があります。

弁護士さんが取り組まれる法的な債権回収だけではなく、結果を求める実学の債権回収のスキルは、私の最も得意な分野だともいえます。

債権者が何を考え、どの様な方法で債権回収に取り組んでくるかや、どこまでのレベルまで追及してくるのかなどを理解しなければ、今の私の仕事は成り立ちません。

この債権回収に関する知識が有ってこそ、債権回収のプロから、債務者を守る方法をアドバイスできるのです。

現場の経験が増えるにつれ、当然にこちらのスキルは増加し、債権者の取組みなど、ほぼ完全にシミュレーションできる様にもなっていました。

同時に、債権者として相対する債権回収のプロの取組が、単純化していたために展開を読み易くしていたともいえます。

最近の債権回収は、法的手続きだけを振り回し、本気で債権回収をしようとする姿勢が薄れていたと思います。

債権者の担当者が、手続き的に責任追及されないために、債権回収が形骸的に実施されていたといえるのかもしれません。

だから、我々、債務者保全のプロは、対抗するのが簡単だったのです。

 

ところが、まだ、こんな債権回収のプロがいるのだと驚かされました。

しかも、金融事故に絡む、不動産の任意売却において、続けさまに同じような事例において遭遇をしたのです。

ご存じのように、金融事故時の任意売却は簡単ではありません。

様々に配慮すべきことがあり、間違えば大きな損失や負担を背負う可能性が高いからです。

そんな任意売却をしようとした不動産において、サービサーが債権回収を仕掛けてきたのです。

初めてお電話をいただいたご相談者は、経営していた事業が破綻し、銀行借入などの金融債権は全て期限の利益の喪失をして事故になりました。

ご相談者は、事業の代表者であり、連帯保証人でもありましたから、当然に債権者金融機関から個人としても債権回収をされることになります。

所有している不動産についても、担保権を持っている民間銀行から強く依頼され、任意売却をすることになりました。

民間銀行の同意のうえで、知人に任意売却をすることになり契約をしました。

手付金も受領して、後は月末の決済を待つだけとなっていたのですが、そんな時に、その不動産に対してサービサーが差押えをしてきたのです。

ご相談者は、何とかしようと弁護士さんにも相談しましたが、効果的な方法などありません。

しかも、契約書では、予定通りに決済できない場合には、売買価格の30%の違約金を支払うとなっていたのです。

通常は、支払っても100万円程度の判押し料なのですが、なぜか、サービサーは全額支払えと強気です。

このタイミングで差押えをして、これだけ強気に債権回収をしてきたのですから、サービサーは何らの情報を持っているのだろうと思います。

結果として、ご相談者は、サービサーに従うしかなかったのです。

 

同じ様な事例は、複数存在します。

担保権者が同意したうえで、身内に買戻しさせようと契約した不動産を、日本政策金融公庫が仮差押えしてきました。

絶妙のタイミングでの仮差押えであり、対抗すべき手段は存在しません。

日本政策金融公庫の要望通りに対応するしかありませんでした。

また、不動産業者が、所有する不動産について売却の契約をした途端に、サービサーから差押えをされた事例もあります。

これも、サービサーの要求通りに対応するしか、方法はありませんでした。

これだけ、同じような事例が続くと、任意売却の契約をした不動産への差押えについて、債権者間でマニュアルができたのかとさえ思えてしまいます。

任意売却の契約をして、決済までの期間に差押えや仮差押えをされてしまえば、債務者に、有効な対抗手段など残されていないのです。

 

しかし、任意売却において、差押えや仮差押えの効力を無くす方法は存在をします。

それは、契約イコール決済とすることです。

決済に向けて、事前にしっかりと準備することにより、契約と決済を同時に実施することにより、差押えや仮差押えのリスクは無くなります。

任意売却における、契約後の差押え効力は、債権回収のプロならば、誰でも知っている知識だといえます。

しかし、契約や決済のタイミングをつかむのは難しいですから、現実には、それほど活用されている手段ではありません。

また、不動産に関する前提となる知識も必要になりますから、誰でもが簡単に取り組める債権回収手段ではないといえるのかもしれません。

今回の事例の、債権者の担当者は、最近は見かけることの少なくなった、債権回収のプロといえるのかもしれません。

 

 

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