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会社再生/企業再生/リスケジュール対応/銀行交渉/債権譲渡の実例


平成15年2月からご相談を開始して、様々な状況におかれたご相談者のお話をお伺いし、それぞれの状況に合わせたコンサルタントをさせていただき、その実績は800件を超えました。

全てのご相談者が、それぞれに事情をお持ちで、全く同じパターンの解決事例など無いのが現実ですが、答えの得られない資金繰り地獄から解放され、落ち着いた安心のある人生が得られたという共通点があります。

新しい人生をスタートするまで、経営者がどのように取り組まれて経営危機を打開されたのかについて、代表的な解決事例をご紹介いたします。

  • 1:飲食業の代表取締役 A様 (年商 1億3000万円) の事例 Open or Close

    返済猶予に取り組むことに抵抗感を持たれる経営者は多いものですが、中小零細企業の企業再生にとって必要不可欠な手段だといえます。
    平成21年12月に施行された中小企業金融円滑化法では、返済猶予が法的な裏付けのあるシステムとされたように、正常な経済行為でもあるのです。
    たった1年間の返済猶予によって、見事に企業再生を果たされた飲食業の実例をご紹介いたします。

    返済猶予に取り組むのは経営者としては勇気のいるもので、飲食店を経営されているAさんも、以前から返済猶予というものは知っていましたが、今後の金融機関とのお付き合いや信用不安について考えると、返済猶予に取り組む勇気が持てずに無理な資金繰りを続けていました。
    しかし、4店舗目として1年前にオープンしたお店が、当初の売上予想を大きく下回る業績となり状況は一変してしまいました。
    店舗オープンするために借入した返済負担が大きくのしかかって資金繰りが厳しくなり、月末になると本業はそっちのけで資金繰りに奔走しなければならない状況で、将来のことを考えると不安で仕事に力が入りません。そのせいか、売上は下降を続け、資金繰りはさらに悪化をしていきます
    幸い、本業は黒字を維持し続けておりますので、借入金の返済負担さえなければ資金繰りは確保できる状況ですから、もはや返済猶予に躊躇している場合ではなく、金融機関にお願いして返済猶予に取り組むしかありません。

    返済猶予に取り組む決断をしたAさんは、経営危機での基本的な知識と返済猶予の方法を身に付け、1年間の元金100%棚上げを条件に金融機関と返済猶予の交渉に臨まれました。
    その結果は、いったい何を恐れて躊躇していたのかというほどに、金融機関の対応は柔軟でスムーズに交渉は進み、要望通りの結果を得ることができたのです。
    これで、1年間は借入金の返済負担が無くなり、資金繰りの苦労からも開放され、本業の飲食業に特化できます。

    これが最後のチャンスと、Aさんは必死で経営改善と再生に取り組まれ、赤字の常態化した新店舗を含む2店舗を居抜けで知人に売却し、残り2店舗だけでの営業により業績も急回復し、返済猶予終了とともに正常返済に戻すことができたのです。

    Aさんの場合は、資金繰り悪化時での知識がないために、不安が先行し返済猶予に取り組めす、前向きな経営改善を実施することができなかったのが経営危機の原因です。
    正しい経営危機での知識を身につけ、勇気を持って返済猶予に取り組んだことにより、想像していたより早く会社再生を果たすことができました。

  • 2:建設業の代表取締役 B様 (年商 8億7000万円) の事例 Open or Close

    金融機関も、返済猶予をした方が得だと判断すれば、債務者の要望にも柔軟に対応してくれるものです。返済猶予について、しっかりとした根拠を金融機関に示すことができれば、前向きに対応してくれて更新も難しくなくなります。
    更新を含む2年間の返済猶予により、企業再生を果たして正常返済に戻した建設業をご紹介します。

    地方で建設業を経営されるBさんは堅実な経営を続け、その地域ではトップ規模の業績を誇っておられますが、姉歯問題による建築基準法の改正に始まり、談合問題,公共工事抑制、リーマンショックと業界にはマイナス要因が続くなかで、Bさんの会社も徐々に資金繰りが厳しくなっていきました。
    資金繰りを確保するため、工事見合いの手形貸付の返済猶予について金融機関に相談もしましたが、手形の不渡りや法的手続きを臭わされ、第3者の連帯保証人も含め大変なことになると脅されて、八方ふさがりの状況に追い込まれています。
    その金融機関は、債権回収の姿勢が厳しいことで有名であり、金融の知識が乏しいBさんに対して根拠の無い脅しをしてきたのです。
    金融機関の脅しに恐怖を感じつつも、このままではいずれは資金繰りが破たんすることが間違いなく、倒産を回避するために手をこまねいているわけにもいかず、インターネットや本で調べたり専門家に相談したりして知識を身に付け、金融機関の主張する脅しが全く根拠のないものであると判りました。

    手形貸付が不渡りにならないことや、債権者の法的手続き等の対応について知識を得たBさんは、資金繰りを確保し経営を維持するためには返済猶予しかないと判断し、金融機関と前向きに取り組むことを決められたのです。
    手形貸付の返済猶予ができなければ倒産するしかないという前提で、借入金全ての返済猶予の交渉に強い姿勢で臨み、返済猶予が出来れば必ず借入金を完済できることを説明し、とうとう金融機関に返済猶予を承諾させたのです。

    返済猶予は、1度更新して2年間に亘りましたが、その間に第3者の連帯保証人をBさんの母親に変更することにも成功し、徹底したリストラの実行などという経営改善実施や、地域の有力建材店の支援を仰ぐことにより、見事に経営を立て直して企業再生を果たされ、2年後には正常な返済に戻すことができたのです。
    Bさんの場合は、建設業界の環境が厳しい中でも黒字を維持し続けていたのに、金融機関の様々な根拠無き対応により不安が拡大し、それが原因で業績を悪化させ最悪の事態も想定できる状況にまでなっていただけでした。
    返済猶予という中小零細企業再生の特効薬を、経営危機での知識を得たうえで前向きに活用し、債権者である金融機関に安心を与えたことにより、従業員や取引先に大きな負担をかけることなく会社再生を果たされた事例です。

  • 3:製造業の代表取締役 C様 (年商 4億6000万円) の事例 Open or Close

    経営者には様々な責任が圧し掛かっており、安易に自分のことだけを考えるわけにはいきません。 従業員の生活や取引先の仕事、さらに家族の人生までも考慮した対応が、経営危機にある経営者には求められるのです。
    現状の形態での黒字が維持できず、企業を整理するしか方法がない場合でも、第2会社の活用により、事業と守るべきものを守った製造業の実例をご紹介いたします。

    製造業を営むCさんは、数社のメーカーに部品を納めていますが、ここ数年は発注量が極端に減少して売上が落ち込み、今まで積み重なった借入の返済負担も重荷になり、急激に資金繰りが厳しくなってしまいました。
    本業も、黒字を維持するのが難しい状況で、メーカーの支払条件も徐々に厳しくなってきています。 そんな時に、長年に亘り営業を取り仕切ってきた常務が、一部社員を引き連れ独立をすることになり、条件の良い得意先の多くとも取引を開始しました。
    残ったのは就業内容の良くない従業員や、条件の悪い得意先だけですから、これでは、Aさんも経営の継続を諦めるしかありません。

    しかし、法的な破産を選択すれば、配当の多くは金融機関の債権に充てられ、仕入先業者には僅かな配当しかできず連鎖倒産する可能性があります。
    Aさんは、取引先を守るために勇気を出して任意整理を選択し、自ら債権者を集めて実質は倒産である状況を説明し、金融機関からの借入金を棚上げして、手元資金は全て仕入先業者に支払うことで取引先に了承を取り付けました。
    金融機関からの借入金の担保に入っていた工場は、期限の利益の喪失後に競売をされましたが、評価額が出た段階で売却基準価格の約1.2倍の金額で、元常務の会社が任意売却で買い取りました。その後、常務の会社は製造拠点をその工場に移し、工場にある製造設備も活用して業務を引き継いでいます。
    今、Cさんの会社は休眠会社となり、Cさんは金融機関と返済について交渉しながら、現在は元常務の会社で昔からの従業員や取引業者と一緒に、アルバイトをして生計を立てておられます。

    経営危機に陥った状況で、幹部が従業員や得意先を引き連れて独立するのは、世間ではよくある事例です。
    Cさんの場合は、元常務が状況を理解し、協力的な立場で対応してくれたため、従業員の雇用や取引先の業務が確保できたうえ、Aさんの生活も維持できた事例です。

  • 4:不動産業の代表取締役 D様 (年商 1億9000万円) の事例 Open or Close

    ここ最近、連帯保証人の問題は大きく改善をされてきましたが、旧来からの連帯保証人制度は、先進国では日本でしか見られない非人道的な制度といえます。
    しかも、保証人の地位は、保証債務として相続の対象となるため、事業承継や企業再生の場面では難しい対応を迫られることになり、現実的に保証債務の相続を回避するために相続放棄を選択し、事業の承継・継続を諦めるしかなかった事例が多いのです。
    今回は、生前贈与と相続放棄を活用し、事業を維持された実例をご紹介します。

    Dさんは、不動産仲介業を営んでおられます。 会社が入っている駅前のビルをはじめ、いくつかの不動産を所有されていますが、金融機関からの事業資金等の多額の借入金の担保となっており、不動産市況が低迷する環境では債務超過となっているのが現実です。
    会社の財務内容や不動産業界の状況を考えると、将来の展望には常に不安が付きまとい、特に後継者として働いている子供達の将来が心配なため、今後の対策を専門家に相談し、生前贈与の活用を実施することにされました。

    収益性の高い駅前ビルは幸いにして無担保であったたため、数年かけて法定相続人である夫人や子供達に生前贈与するなどして所有権を移されました。
    家族が住む自宅は、住宅ローンの抵当権が第1順位に設定され残債が3800万円程で、事業の借入金の担保が第2順位についていますが、実勢評価としては3000万円ほどで、住宅ローンさえ正常に維持すれば無剰余の状況です。
    Bさんの二男は、独立して入居斡旋等の管理業務を手掛ける会社を設立し、万が一の事態においても影響を受けないようにしました。

    Dさんは、そのような対策を終えて2年後、安心したかのように亡くなられました。
    不動産業が厳しい経営環境で、Dさんの子供達は事業の相続を断念するしかありません。
    子供達と夫人は相続放棄をすることにより、連帯保証人としての保証債務から逃れ、会社はDさんの長男が代表者として残り、休眠の手続きをとられました。
    債権者である金融機関は、代表者になった長男に連帯保証を求めましたが、長男には見るべき資産もなく応じる必要はありません。
    債務者企業が休眠し、連帯保証人は不在ですから、債権者の金融機関にとるべき道は限られており、担保権の実行による競売で僅かな債権を回収し、その後、無担保となった債権はサービサーに債権譲渡されました。

    Dさんの次男が設立した会社は、賃貸の仲介や建物管理を中心に展開し、残った駅前ビルの収入と合わせて一族が生活できる利益を確保するとともに、自宅についても住宅ローンを返済することにより、無剰余での維持を可能にしています。
    長男は、債務者企業の代表者として、時々は債権者より文書により連絡がありますが、文書以外の債権回収はほとんどなくなりました。
    Dさんの場合は、早い段階から準備し、時間をかけて対策を講じた成功事例です。
    保証債務の相続放棄が絡む場合は、短期的に事業と資産を維持するのが難しく、時間をかけて税法上の生前贈与と民法上の相続放棄を組み合わせることが求められます。

  • 5:飲食業の代表者 E様 (年商 8700万円) の事例 Open or Close

    資金繰りが悪化すると、すぐに経営者は倒産を連想されるようです。
    中小零細企業は、経営者が断念しない限り簡単に倒産をするものではなく、借入金の返済を元金・金利ともに停止しても、事業を維持されている事例をご紹介いたします。

    ラーメン店を経営されているEさんは、ラーメンブームにも乗り新規出店を積極的に展開しましたが、最近は競争激化により、新規出店した店の赤字が慢性化して資金繰りが急激に悪化してしまいました。
    このままでは、経営が破綻して全ての店を失うと考えたCさんは、採算性の低下した店舗を店長等に売却したりして資金繰りを確保するとともに、徹底したリストラを実行し経費を切り詰めました。しかし、飲食業界を覆う経営環境の悪化は、この程度で対応できるものではなかったようで、本業は簡単に黒字を回復せず、Eさんが自分の給与を大幅に減額しても資金が不足する状況なのです。
    金融機関からの借入について返済猶予も考えましたが、金利を支払う余力さえなくなり、半ば、事業の継続を諦めたEさんは、唯一の黒字店である本店を甥の会社に譲渡したうえで、赤字店を全て閉鎖し、借入金の返済も完全に止められたのです。

    連帯保証人がEさんだけで担保も付いていない借入金は、当然のごとく3カ月後に期限の利益の喪失をし、債権者である金融機関は債権回収を本格化させました。
    金融機関は可能な限りの法的手続きに着手し、支払の訴訟にも勝訴し債務名義もとりましたが、債権回収に充当すべき対象が見当たらないのです。
    目ぼしい資産は何も残っておらず、営業を続けている本店も第3者に譲渡されており、差押等による債権回収ができない状況ですから打つ手がありません。

    本店の譲渡について詐害行為の可能性も疑ったようですが、正式な営業譲渡で書類等のエビデンスも完備されていますから、勝ち目がないと考え諦めたのか、結局は取り消し請求の訴訟もおこされませんでした。
    最終的に、金融機関は債権をサービサーに債権譲渡するしかなくなり、Eさんはサービサーと僅かな額で和解することにより、最終的に債務は全て無くなったのです。
    甥の会社に譲渡した本店は、つけ麺ブームも手伝って業績を向上させており、現在、Eさんは元の本店でアルバイトをしながら、将来的な本店の 買い戻しを甥と相談されています。

    結果として、不作為の本店譲渡が功を奏して事業を維持できたのですが、債権回収のための差押対象資産が全く残っていなかったことが、早い段階でのサービサーへの債権譲渡を実行させ和解につながった事例です。
    中小零細企業は、大企業と比較して法的に保護されない場合が多いものですが、経営者の取り組み方次第により企業再生がし易いという特徴があります。
    経営者が諦めない気持ちで取り組むことが出来れば、簡単に倒産などしないのです。

  • 6:マンション賃貸業の個人 F様 (年商 1900万円) の事例 Open or Close

    バブルの爪痕は、まだまだ残っているようです。
    ここ10年ほど、バブル期にマンションやアパートなどの収益不動産を建築されたお客様からの相談が、絶えることなく続いています。
    東大阪でマンションを経営されるFさんもそのお一人です。

    本業は設備工事の技術者ですが、設計事務所の友人に勧められて、バブル期に父親から相続した土地に賃貸マンションを建設され、副業として経営を始められました。
    建設後しばらくは、夫婦でヨーロッパ旅行に行ったり外車を購入したりと、想定通りの利益も上がり順調でしたが、バブルが崩壊し2年ほど経過すると、空き家が目立ち始めたのです。
    賃貸戸数は全部で28件ありますが、多い時にはそのうちの7件が空き家という状況にもなり、借入の返済や経費を支払うと利益が残らなくなってしまいます。
    仕方がないので、賃料よりも入居率を優先させて大幅に家賃設定を下げましたが、9割程の入居率を確保するのが精一杯です。それでも借入金利が低かったため、何とか資金繰りが回るという状況が続きました。ところが、2005年の暮れ頃から顕著に金利が上がり始めたのです。
    金融機関の申し入れ通りに金利を支払うと、利益が残らないどころか追い金が毎月必要となってしまう状況ですが、手元資金をつぎ込むなどしてなんとか正常に返済を続けてきました。
    しかし、家賃はますます減少傾向にあり、入居率も悪化の一途を辿り、手元資金が底を尽く状況では手の打ちようがありません。

    Fさんが私共に相談に来られた時には、毎月、20万円の追い金が必要な状況となっていました。その時のAさんのめぼしい資産は、無担保の自宅とわずかな預金だけで、マンションは担保にとられており、売却しても1億5000万円を超える残債務が残るという状況で、破産せずに本業と住む家さえ確保できればよいというご要望でした。
    とりあえず、マンションからの利益で収支が賄え、少しでも手元に利益が残るように、毎月の金融機関の返済額を減らす返済猶予の交渉をしたいのですが、無担保の自宅は間違いなく担保として要求されるため、資産を予防的に保全する必要がありました。
    自宅は、知人に適正価格で売却し、Fさんの娘さんが知人と賃貸契約を結び、Aさん夫婦が住めるようにしました。(セール&リースバック方式) 預金は違う金融機関に移し、基本的な資産保全をしたうえで金融機関と返済猶予交渉を開始です。
    ところが、第1順位の担保権を持つメガバンクのMS銀行が、なかなか返済猶予交渉で色よい返事をしてくれません。100%担保保全できているためか妙に強気で、交渉を重ねても色よい返事は貰えそうにありません。

    このまま交渉を続けても、無駄に時間が過ぎて返済資金が底をつき破綻するしかなくなると判断し、強引に返済をストップして、当然のごとく3ヵ月後に期限の利益の喪失をしました。
    これで不良債権になってしまったわけですが、現状として元金・利息とも停止した状況になり、家賃は全て手元に残るという環境になったわけです。
    それからすぐに、第2順位の担保権を持つK信金が、任意売却を勧めてきました。 Fさんは、既にマンションの維持を諦めていますから、すぐに任意売却を承諾し、その旨をMS銀行にも伝えましたが、MS銀行は完全に担保保全できていますから任意売却に異存はありません。 ここから、債権者金融機関に干渉もされずに、時間をかけて条件の良い購入者を探し、数ヵ月後、理想通りの購入者が見つかりました。
    金融機関が提示している相場に近い金額での購入のうえ、購入に関して、Fさんの奥様が経営されている設計事務所と不動産活用のコンサルタント契約を結んでいただき、正式に任意売却が決定しました。

    返済を止めてから売却までの9ヶ月間で、手元には1400万円程の家賃が残り、奥様の会社にもコンサルタント費用としての売上が入ったのです。
    任意売却後、K信金の残債権は4ヶ月でサービサーに債権譲渡され、債権額の4%程度の700万円を支払うことで和解が成立しました。Fさんは、マンションこそ失いましたが、自宅に住み続けることができ、債務も全て無くなったのです。そして、返済に悩む必要が無くなったことが、なによりも嬉しいそうです。

  • 7:建設業の代表取締役  G様 (年商 3億9000万円) の事例 Open or Close

    アベノミクスの影響で、ようやく経営環境も上向いてきましたが、建設業にとって、本当に厳しい経営環境が続いてきました。
    建築基準法が改正されてから、建設業のお客様が絶えることは無く、売上も減り、利益も減少し、将来の目処が全くたたない会社が多いようなのです。
    和歌山の地方都市で総合建設業を経営されるGさんは、私の友人の紹介でご相談に来られました。 Gさんのお父さんは、地元では有名な立志伝中の人物で、今でも隠然たる力をお持ちです。Gさんが代表取締役をする会社も地域一番の総合建設業で、Gさん自身も建設団体の役員を務めるほどの有力者です。
    厳しい環境の中でも、堅実に経営を続けてこられたのですが、数年前に土地を購入し、自社で開発をして売却しようとした計画が頓挫したのです。土地の購入費用は大半が借入ですから、その返済負担が資金繰りを圧迫し続けてきました。
    さらに、談合問題の噴出で、公共事業は叩き合いの利益の薄い受注しかできず、原油高で建設原価が高騰し、予算管理をしても利益を圧縮します。
    そんな状況に追い討ちをかけるように、建築基準法の改正による新築着工の激減とサブプライムローン問題による金融機関の不動産融資の削減が続き、さすがにGさんも最悪の結果を覚悟されたのです。

    お話をお伺いすると、借入は地元の地方銀行だけからであり、本業は今でも立派な黒字を確保されており、今後も必ず営業黒字を維持する自信があるとのことですから、これなら、会社の再生は十分に可能です。
    借入の返済負担が大きいために、資金繰りが成立しないだけですから、返済を減らせばいいだけの話です。
    Gさんには、借入時の契約どおりに返済しなければ、すぐに法的手続きをされて、会社は倒産し資産も全て失うしかないという、間違った知識しか持たれていませんでした。しかも、Gさんの会社と地方銀行は非常に良好な関係にありますから、所有する不要不動産の一部を売却して返済することにより交渉も難しいとは思われません。

    基本的な処理スキームを打ち合わせたのち、Gさんはすぐに地方銀行と返済猶予の交渉を始められましたが、その対応は、こちらの予想以上に良いものでした。
    Gさんの会社の破綻は、地域経済に及ぼす影響が大きすぎ、地方銀行の抱える他のお客様も経営破綻してしまう可能性まであり、地方銀行のもっとも恐れるところだったようです。

    何度かの返済猶予交渉の結果、駐車場にしている土地を売却して返済に充てることを条件に、元金を1年間据え置き、金利だけ支払うことで地方銀行は了解してくれ、1年後には再度交渉することとなりました。
    元金全てを1年間据え置きは、こちらの予想以上の結果です。

    Gさんは、1年の間、資金繰りの悩みから開放され、今は、計画が頓挫した開発計画の処理に全力を傾けておられます。
    今のGさんなら、間違いなく会社再生は実現されるでしょう。

  • 8:飲食業の代表取締役 H様 (年商 7000万円) の事例 Open or Close

    会社を経営するにおいて、借入を必要としないで経営を続けるのは難しいものです。
    適度な借入は、企業の発展には必要不可欠なものだと思いますが、油断するといつのまにか増えていってしまいます。そして、限度を超えた借入により、資金が回らない状況に陥って、返済のために四苦八苦してしまうのです。
    私のセミナーに参加し熱心に話も聴いていただいたHさんが、セミナー終了後すぐにご相談の予約をくださいました。
    セミナーに参加していただき、「目から鱗が落ちた気がしました。」とまで言ってくださいましたので、私もやる気マンマンでご相談に臨みます。

    Hさんは、泉南方面で2件の飲食店を経営されおり、ここ数年赤字つづきで、自己破産や夜逃げは当然のこと自殺までも考えている状況だとのことです。
    そうなった原因は、2店目の開業資金の借り入れでした。1店目の経営があまりにも順調だったため、ついつい金融機関の誘いにのって2店目を出店したのですが、立地条件が悪くて売上があがらず、人件費の支払さえままならない状況に陥り、返済のための借入も必要になる自転車操業です。借入金額の総額はそれほど増えていないのに、借入本数が増加したために毎月の返済額がドンドン増えていき、とうとうノンバンクからも返済するための資金を借りるようになってしまいました。

    この状況では、現状のままの会社再生は諦めるべきです。
    しかし、人生は諦めるべきではありません。

    幸い、自宅の担保は住宅ローンだけで、Hさんの奥様も連帯保証人になっておられませんので、Hさんと奥様は離婚し慰謝料として自宅を奥様に渡しました。
    これでHさんには目ぼしい資産は残っておりません。あとは、タイミングを見計らうだけとなり、取引業者への支払期日の3日前に債権者集会を開催し任意整理に踏み切りました。
    債権者集会は、弁護士もいない状況で、金融機関を除く取引業者だけに集まっていただいての開催となりましたが、今までHさんの取引先との対応が良かったのか、大きな異議もなくわずか45分で終了しました。
    その後、債権者集会で選任した債権者委員に処理を依頼し、わずか12%の配当でしたが、3ヶ月ほどで大方の取引先の同意を取り付けて任意整理もほぼ終えることができました。
    金融機関の債務はまだ残っていますが、気長に交渉を続けるしかありません。もう、法的手続きで差し押さえされる資産も残っていないのですから。
    Hさんは、自宅を担保に資金を借入して飲食店の経営を始められた元奥様の下で、従業員として汗を流して働いておられます。
    もう、経営者ではありませんが、生き生きと楽しそうに働いておられ、仕事が終われば、元奥様の待つ自宅に戻る毎日です。

  • 9:製造業の代表取締役 I様 (年商 4億5000万円) の事例 Open or Close

    得意先の大手服飾会社が倒産し、急激に資金繰りが悪化した服飾製造業の会社社長が飛込みで相談に来られました。
    当初の相談内容は、経営の続行が不可能であるので、下請けの連鎖倒産を防ぐために任意整理をしたいとのことでした。しかし、状況を確認してみると、このまま整理をすると下請けには支払いがほとんど出来ないことや、今後の対策が何らとられていないことが判り、先に金融機関と金利の支払い停止も含めた返済猶予(返済条件の変更交渉)を実施し、その間に第2会社の設立や任意整理の準備を進めたのです。
    5ヵ月後、任意整理を実施し、下請けには18%の配当で債権放棄の承諾をとり、経営者は第2会社で事業を再生され、現在も順調に事業を展開されています。

  • 10:建設業の常務取締役 J様 (年商 3億2000万円) の事例 Open or Close

    当社のセミナーを聞かれた方が個別に相談に来られました。
    建設専門業種の下請けが中心の会社で、実際の経営責任者である社長の長男である常務がご相談者です。
    長年の建設不況が原因で借入が大幅に増加し、返済のための借入を繰り返している状態でしたが、常務の事業意欲が非常に高く前向きな考えをお持ちでしたので、あくまでも再建を前提とすることとし、最低必要資産の維持対策と返済猶予を実施しました。
    返済猶予は、元金の1部棚上げに始まり、元金全額の棚上げ,金利の支払停止と続きましたが、最終的に期限の利益の喪失をして不良債権となりサービサーに債権譲渡されることにより、債権総額の3%程で和解し、自宅と事業用不動産を維持したうえで、現在は健全な経営をされています。

  • 11:小売業の社長未亡人 K様 (年商 1億4000万円) の事例 Open or Close

    中古車販売会社を経営していたご主人が急逝されました。
    以前より資金繰りが悪化しており、返済猶予をして金利の支払も止めていましたが、更に状況が悪化する可能性が高く、自宅等の資産の維持保全対策を実施している最中の急逝でした。
    根本的な債務処理を目標に、子供3人は相続放棄をして奥様が全てを相続することを選択しました。その結果、生命保険は全て子供に支払われ、奥様の相続した負債についてはサービサーとの交渉の中で負債総額の3%を支払うことで和解し、自宅等の不動産も維持したうえで債務が全て消滅しました。