知っておくべき経営危機打開の
ポイント

簡単に倒産などしない

中小零細事業者は、倒産したくても簡単には倒産できないと言えば、多くの経営者は驚かれるかもしれません。
たしかに、資金繰りが厳しくなって経営の展望が難しくなると、経営者は倒産という不安に怯えるようになってしまいます。
まだ、返済猶予さえも実行していないのに、金融機関に返済が出来なくなっただけで倒産するかもしれないとネガティブに思いこみ、倒産という不明確な亡霊に取りつかれる経営者も珍しくありません。
しかし、中小零細企業は、そんな簡単に倒産などしないですし、倒産したくてもなかなか倒産できないのが現実なのです。

倒産とはどういうことか

実のところ、倒産については、はっきりとした定義がありません。
倒産という用語は、商業経済において企業の経営破綻状況を表現する通称用語であり、法律においても明確に規定されたものでなく、破産法や民事再生法等の総称として倒産法と概念的に捉えられているだけのようです。
実際に、大手信用調査会社などは、自社において倒産の定義を以下の様に規定して発表しているほど曖昧な用語なのです。
1. 2回目不渡りを出し銀行取引停止処分を受ける
2. 内整理する(代表が倒産を認めた時)
3. 裁判所に会社更生法の適用を申請する
4. 裁判所に民事再生法の手続き開始を申請する
5. 裁判所に破産を申請する
6. 裁判所に特別清算の開始を申請する
倒産とは、『産することが出来なくなる = 事業の営業を停止する』というように、一般的には理解されているようで、これらには納得できない内容もありますが、社会的に倒産という烙印を押すだけが目的の定義だとお考えください。
実際には、事業の清算をしたり、停止や放置していることの方が倒産と表現すべきだと思いますが、それほど倒産とは曖昧だともいえるのです。

状況を冷静に確認する

まだまだ再生できる可能性が十分にあるのに、簡単に破産を選択される事例は珍しくありません。
経営危機の状況において、どのように対処すればいいのか判らず、専門家に相談すると破産を勧められ、安易に選択してしまうという流れのようです。
相談された専門家は、法律や財務というそれぞれの分野における専門家であって、経営危機において万能ではありません。
経営危機に陥れば、まずご自身で、冷静に経営状況の正しい把握から初めてください。

諦めないことが大事

そ倒産を選択するというのは、究極の選択であり、重大な覚悟が必要です。
次の人生のために、今の事業を倒産させて再スタートをするのならまだしも、何の準備もせずに倒産をさせるのは無責任な選択だとしかいえません。
倒産を覚悟するほどの勇気があるのなら、次の展開のために諦めずにチャレンジすることを、まずは考えてみるべきでしょう。諦めなければ、簡単に倒産などはしないのです。