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サービサーへの債権譲渡


◇ サービサーとは

サービサーとは、平成11年2月に施行されたサービサー法により、法務省の管轄の下で、金融機関等から不良化した債権を譲り受けて回収する債権回収専門会社のことです。 サービサーの活用により金融機関の不良債権が処理され、バブル崩壊後の長期化した不況から回復することができたのはご存知の通りです。 サービサーというと、消費者金融等と同じような厳しい取り立てをされるイメージがありますが、法務省の厳しい規制・管轄の下で運営されていますので、法律から逸脱した取立てをされることはありません。 ただ、サービサーは債権回収のプロ中のプロですから、甘い対応は許されないと考えてください。

◇ 債権譲渡とは

債権譲渡とは、債権の内容を変えずに、債権者の意思でその権利を他人に譲渡することで、債務者の承諾は必要ありません。債権譲渡したことを、原債権者(譲渡人)から債務者に通知することにより効力を発揮します。 債権譲渡は債権回収の方法でもあり、金融機関がサービサーに債権譲渡することにより、金融機関は一部の債権について回収ができることにもなります。

◇ 債権譲渡されるとどうなるか

サービサー法の施行以降、金融機関が持つ期限の利益の喪失をした不良債権は、サービサーに債権譲渡して処理されることが主流になりました。 その傾向は、大きな金融機関ほど顕著であり、処理スピードも速く、無駄な法的手続きなどされないのが実態です。 原債権者である金融機関からサービサーに債権譲渡される金額は、債務者の状況により大きく変わるようです。債権回収の可能性が高いものは債権額の10%を超え、回収の可能性の低いものはバルクセールで取引され1%を大きく割り込むようです。

◇ 債権譲渡後の対応

サービサーへの債権譲渡の流れは、まず原債権者である金融機関から債権譲渡をする通知があり、続いてサービサーから債権を譲り受けた通知が届くことによりサービサーとの対応が始まります。 その後、返済についての話し合いの連絡がありますが、その対応は信用保証協会とは異なり、積極的かつ誠意をもって動くと逆効果になることが多々あります。 サービサーは債権回収のプロですから、債務者を支援することはなく債権回収を優先させてきますので、債務者が前向きな対応をするとより多くの債権回収が可能だと判断しますので、サービサーの動きを見ながら対応を取るほうが賢明だと思います。 また、サービサーといっても各社で対応方法は微妙に異なりますので、どこのサービサーに譲渡されたかで結果も変わってくると考えるべきでしょう。

◇ サービサーとの和解

サービサーへの債権譲渡は金融機関の実質的な債権放棄であり、サービサーとの和解も一部債権放棄となりますので、サービサーへの債権譲渡は一気に債務を消滅させるチャンスでもあります。 返済方法については、サービサーは基本的には一括返済を求めてきますが、最近はバルクセールで取得したポンカス債権などについて分割返済も容認する方向にあります。 出来れば、一括返済を前提に、じっくりと交渉を続けて支払い可能額を引き出す努力をするべきでしょう。上手に和解することができれば、驚くほどの債権放棄をしてくれることも可能です。