知っておくべき経営危機打開の
ポイント
経営者の自宅や資産を守る
「返済できなくなれば、担保に出している不動産はどうなるのですか?」 このようなご質問をよくいただきます。
借入金が返済できなくなり、期限の利益が喪失すれば、担保に入れている不動産は処分され債権回収の手段にされるとお考えください。
しかし、たとえ担保に入っていても、オーバーローンの状況であろうとも、期限の利益が喪失しても、不動産には最後まで有効に活用できるチャンスがあるのです。
不動産は高価な資産であり、収益性を発生させることも可能なのですから、金融事故になろうとも簡単に諦めないでください。
自宅は優先的に守る
経営が厳しくなると、心の拠りどころとなる自宅は人生のオアシスです。
人間を取り戻すことの出来る唯一の場所であり、明日の職場での戦いに備える安らぎの場所でもありますから、自宅はどんなことがあっても守りたいものです。
借入金を正常に返済できる状況であれば、そんな心配をする必要はありませんが、経営状況が厳しくなって事業再生に取り組む環境においては、自宅を処分する必要に迫られることもあるかもしれません。
そんなとき、金融機関等の債権者の要請に沿って、素直に自宅を手放すことが潔いのかもしれませんが、私の経験則から言わせてもらえれば、後日に後悔されることになります。
自宅を失うほどの厳しい経営環境で、自宅を手放してどこに住みますか?
まず、住むところを探さないと駄目だし、保証金や家賃などの新たな出費だって必要になりますから、僅かでも残せる可能性があるのならば、今後の人生を考え、自宅は何とか残す方向で考えるべきだと思います。
不動産資産の特徴と活用
不動産資産の特徴としては、登記等により、公信力は無いがその存在と所有権等の権利が明確であることが挙げられ、日本においては、不動産が経済動向を決定する基準の1つともなっています。
そして不動産は、何らかの活用をしている限り、必ず収益性を発生させることができます。マンションや駐車場の場合は、賃料が入ってきますので収益性は明白ですが、自宅や会社の事務所や工場で使っている場合でも収益性を持っていると言えます。
不動産はその価値単位が大きく、収益性の確保が容易で、どんな状況においても運用可能な資産なのですから、最後まで諦めずに有効に活用してください。
不動産を守るには
不動産を守るには『知られない』『価値が無い』『名義が違う』という資産の予防保全の3原則を活用することが基本となります。
処分をするとして、競売を回避することを前提に任意売却を選択して、『買い戻し』や『セール&リースバック』などの方法も検討し、任意売却後の対策に備える必要があるでしょう。
それ以外にも、不動産を出来るだけ長期間維持して最後まで諦めずに活用することも、不動産を守るということになります。