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経営者保証と特定調停スキーム

2014/08/12

債務処理の環境は激変するかもしれない

何年振りになるのでしょうか。

アベノミクスは、本当に久しぶりに、日本経済に明るさを与え、消費意欲を取り戻してくれているようです。
グローバルな大手企業を中心に、目に見える景気は確実に回復傾向にあり、長年に亘り消費を低迷させたデフレからの脱却も、ようやく現実化してきたように感じます。
そして、20数年間に亘り先送りされてきた不良債権問題についても、この景気回復をチャンスと捉え、この機会に処理してしまおうという動きが見えてきました。

平成25年3月31日をもって、時限立法であった中小企業金融円滑化法が終了しました。 リーマンショック以降の大不況下において、この制度が中小零細企業の資金繰りに対して果たした役割は大きなもので、この制度が無ければ日本の経済は未曾有の混乱に陥ったのではないかと言われています。 しかし、この制度も、時限立法で2回延長された後、アベノミクスの経済効果に合わせて、昨年度末で終了しました。 いつまでも、モラルハザードを引き起こしかねない制度を残せないということと、それなりに日本経済が復興してきたという判断から、終了という結論になったのだと思います。 しかし、経営環境はそんな生易しいものでなく、特にローカルな中小零細企業を取り巻く環境は、依然として回復の兆しなど見いだせない環境だったのです。

そんな時に、消費税増税です。 過去の例から、増税後は消費が必ず低迷しますから、このままではローカルな中小零細企業が大変なことになってしまうと、さすがの行政サイドも理解したのでしょう。 その結果、予防的な政策として発表されたのが『経営者保証に関するガイドライン』と『特定調停スキーム』だったのです。

この2つの制度は、本年2月1日から適用されて運用が開始された制度です。 実際には、中小企業金融円滑化法の終了に伴い、それに代わる制度として『経営者保証に関するガイドライン』は商工会議所などが中心となって検討され、『特定調停スキーム』は日本弁護士会が中心となって検討をして実現した制度です。

実は、この2つの制度、今までの概念を吹き飛ばし、債権債務処理の環境を激変させかねないほどの内容をもっています。 もし、この制度が現実に有効活用されたら、会社再生は当然に容易になり、経営者の夜逃げや自殺は無くなり、中小零細企業の破綻を大きく減少させる可能性さえ秘めているのです。

ただ、法的な拘束力がなく、金融機関等の債権者の同意が前提となる制度のため、どこまで活用されるかは未知数のところがあります。 他の多くの債権債務処理に関する制度の様に、金融庁などの政府が、単に責任逃れのために用意した制度にならないよう、今後の運用について注視していく必要はあると思います。 そして、運用の主体者となる弁護士・公認会計士・税理士などの専門家におかれは、是非、クライアントに広報・認知していただくと共に、前向きに取り組んでいただきたい制度なのです。

以下、制度について簡単にご説明をさせていただきます。

『経営者保証に関するガイドライン』について

経営者保証に関するガイドラインは、事業の運転資金に伴う金融機関借入についての、経営者としての保証を根本的に見直す制度になっており、概略は以下の通りです。

◇ 保証契約時等の対応

  1. 経営者の保証に依存しない融資の一層の促進
    ・新規の融資に伴う経営者としての保証については、一定の要件の下に求めない。
    ・保証の機能を代替えする新たな融資手法のメニューを充実させる。
  2. やむをえず経営者保証を締結する場合の債権者の対応
    ・保証契約について、具体的に債務者に説明をする。
    ・保証する金額について、債権者は誠実・適切に対応をする。
  3. 既存の保証契約の適切な見直し
    ・事業承継時において、後継者への保証債務承継を前提としない。
    ・経営者保証の必要性について検証し、保証契約の解除についても適切に判断
  4. 債務者は、信頼性の高い情報を提供し、開示要請にも適切に対応する。

◇ 保証債務の整理時等の対応

  1. 経営者としての責任の在り方を見直す。
    ・状況を総合的に勘案し、経済的合理性のある場合は経営者としての継続を容認。
  2. 保証債務の履行基準を見直す
    ・保証人としての履行能力により、残存財産を決定する。
    ・新たな展開のため、華美でない自宅や一定期間の生計費に相当する資産を残存する。
    ・事業継続に必要な資産は、保証人から法人に譲渡し、保証債務の返済原資から除外。

『特定調停スキーム』について

特定調停スキームは、特定の債権者だけを対象に、信用不安を発生させずに、債権放棄などの活用も可能な事業再生スキームになっており、概要は以下の通りです。

◇ 基本的な仕組み

  1. 既存の特定調停を利用し、中規模以下の中小零細企業を対象とした私的再生手法。
  2. 民間当事者間の事前協議により、裁判所に申し立てる。
  3. 裁判所を活用するが、法的手続きではなく私的な手続き。

◇ 特定調停スキームのメリット

  1. 金融機関等の特定の債権者だけを対象とする事が出来る。
  2. 信用保証協会等の政府系機関も対象となり、求償権の債務免除も可能性がある。
  3. 弁護士等の専門家に依頼する費用について、一定の条件で支援を受けられる。
  4. 4. 債権放棄・債務免除について、税務処理が可能となる。

◇ 特定調停スキームの条件

  1. 弁護士等の専門家に依頼し、事前に対象とする債権者金融機関等と事前に協議する。
  2. 裁判所への申し立て前に、事前に債権放棄の合意を取り付ける。
  3. 合理的で実現可能な事業計画や収支計画を策定する。


この『経営者保証に関するガイドライン』と『特定調停スキーム』の内容を把握すると、活用方法と組み合わせ次第で、債務者にとっていかに効果的な制度かを理解していただけると思います。
信用保証協会や日本政策金融公庫等に債権放棄をしてもらっての経営改善が可能になったり、法的な手続きに着手しても自宅等の資産が守れたりするのです。
この様な制度は、過去の過剰な負債を抱えて資金繰りに苦しむ中小零細企業のために、有効に活用しなければなりません。

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