詐害行為について
詐害行為とは
詐害行為とは、債権者の権利を侵すことを知りながら、資産等を保全する行為です。 健全な状態(債務超過になっていない経営状況)にあるときに成された行為は、詐害行為とは考えにくくなります。 債権者が詐害行為に疑いを持った場合は、詐害行為取消請求の裁判をしてくることになり、詐害行為と認められれば現状に復すことになります。
詐害行為を理解する
債権者が、詐害行為だと主張するには、その取消請求を裁判所に請求する必要があります。 そして、その行為が債務超過状況でなされて行為であることと、受益者もしくは転得者が債権者を害すべき事実を知っていたことなどを、債権者が裁判において証明をしなければなりません。 また、詐害行為取消請求権にも時効があり、20年で取消請求件は消滅します、ただし、債権者がその行為の事実を知ってからは2年で消滅します。 経営危機環境において、資産の予防保全は極めて重要なことでしょうから、詐害行為を充分に理解した上で根拠を明確にして取り組んでください。
詐害行為を恐れない
専門家に相談すると、それは詐害行為だから駄目だと言われることがあります。しかし、詐害行為かどうかの判断は裁判の結果であり、何でもかんでも詐害行為ではありません。 詐害行為を恐れる相談者は多いようですが、詐害行為の取消請求はそんなに多いものではなく、私なども多くの経営危機のコンサルティングをしてきましたが、ご相談者で詐害行為の取消請求をされてしまった方はありません。 危機意識を持って対応されるのは良いことですが、可能性の低い詐害行為の追及を恐れるよりも、資産を守れる可能性を優先すべきだと思います。