倒産と人生は別④・・・別会社を用意


 

先輩の経営者は、複数の会社を経営されています。

それらの会社は、同じ様な業務内容で形態も似ているのに、何故、複雑なことをするのかと不思議に思っておりました。

営業手段としてなのか、節税対策なのか、はたまた事業承継のためなのか、様々に理由は考えられますが、そのうちの1社が倒産して目的が理解できました。

倒産した会社以外の残った会社は、今まで何ら変わりなく、当たり前の様に事業を継続しているのです・・・。

 

中小企業の経営者は、常に倒産というリスクを背負っています。

経営状況の良いときは贅沢な生活もできますが、経営が悪化すると全てを喪失してしまう可能性があるのです。

そんな不安から逃れるため、日々、全力で事業に取り組み、健全経営を維持しようと頑張っておられるのだろうと思います。

半面、経営破綻という万が一を考え、様々な対策を実施されている経営者も少なくありません。

事業と人生を守るための予防対策ということになるのですが、その中でも、もっとも効果の期待できる『健全時からの第2会社の活用』についてご紹介したいと思います。

 

複数の会社を経営されている事業者は、世の中に少なくありません。

周りを見渡しても、玄関や看板、または名刺などに、複数の会社の名前が掲示されていることなど珍しくありません。

一見すると、同じグループの会社なのかと捉えてしまいます。

しかし、実際は、人格の違う、まったく違う会社だということが少なくありません。

子会社でもなく、関連会社でもない、資本関係さえ存在しない、別の会社なのです。

同じグループの様に表現され、事業も同じ様に活動しておられますから、同じ経営の会社だと思っていたのですが、現実的には何も関係のない違う会社だったのです。

この事が、事業と人生を守るための予防対策として効果を発揮します。


冒頭でご紹介したように、同じ経営に見える会社が倒産しても、何の影響を受けることもなく、事業継続される会社は少なくありません。

いや、今まで以上に、業績を上げて活発に事業を展開されている事例さえ見受けられます。

これは、倒産した会社の事業を、自然な流れでスムーズに吸収されたからなのですが、これが本来の第2会社の活用ということになります。

健全な経営時に設立し、複数社を並行して運営され続けてきました。

健全な経営状況において、既に、事業を展開していた実績がありますので、万が一の場面でも、債権者から、同じ会社だとして追及されることもありません。

事業と人生を守る予防対策としては、健全な経営時に設立した第2会社は、極めて有効な手段だといえるのです。

 

第2会社とは、対象会社(倒産する会社)と名称,所在地,資本関係,役員などが異なる、全く人格が違う別の会社ということになります。

対象となる会社とは何ら重複しませんし、健全時からの運用なので詐害行為の可能性もなく、当然にその債権者から追及されることもあり得ません。

したがって、万が一に対象会社が経営破綻に陥り、債権者から債権回収の追及を受ける状況になっても、何ら影響を受けることがなく事業の継続は可能だということになるのです。

ただ、実際には、所有権も経営権も、対象会社の経営者が握っているということが、第2会社活用の大前提になります。

以上が、経営の健全な時から、第2会社を設立し運用する大きな理由ということになります。

要は、経営破綻などの万が一の場面においても、第2会社を上手く活用することで、事業の継続は可能だということだとご理解ください。

では、万が一の場面が無ければ、第2会社はどうすればいいのかということですが、難しく考えないで、ただ活用をしてください。

営業的に効果的な活用方法があるでしょうし、資金繰りなどの融資においての有効活用も可能でしょうし、事業承継においても活用方法はあります。

経費面などのデメリットを大きく超える、様々なメリットを創出することができるのは間違いありません。

 

第2会社の効果を把握していただけたとしても、その形態についてはなかなか理解しにくいのかもしれません。

その様な場合は、考え方として、番頭さんの独立を思い浮かべてみてください。

長年に亘り、勤務・奉公して下さった番頭さんが、様々な理由で独立をされることになりました。

番頭さんは、従業員に始まり、取引先や得意先までも、引き連れて独立をされるかもしれません。

そんな場合でも、経営者として、長年尽くしてくれた番頭さんに、ある程度の支援をされるのではないでしょうか。

暖簾分けの様な形態で、一部の得意先を譲り、承継に関しては口添えも必要になるでしょう。

従業員の承継については、信用情報や退職金・住宅ローンなどの問題があります。

労働争議を回避するためにも、協力する姿勢が前提になるでしょう。

取引先の承継については、好意的に対応することがベターだと思います。

信用情報の漏洩等の問題もあり、揉めることは絶対に避ける必要があります。

その他にも、事業において必要な資産を、適正な手続きにおいて、適正な価格で取引記するなどの対応が必要です。

以上が、番頭さんが独立される場面での、現実的な対応の基本だといえます。

この流れを基本に、番頭さんが独立したというストーリーにおいて、第2会社を設立するのです。

実際には、対象会社の事業(従業員,取引先,得意先,必要資産など)を、スムーズに第2会社に移行して、今まで変わりなく事業を継続するということが目的になります。

 

第2会社は、経営の健全な状況において、出来るだけ早く設立し活用することが、より大きな効果を期待できるといえます。

逆に、遅くなれば遅くなるほど、様々なリスクは増加していきます。

特に、債務超過状況での第2会社活用は、詐害行為などの大きなリスクを発生させる可能性もあるので避けなければなりません。

したがって、経営者の責任として、出来るだけ早くからの第2会社の活用を考えていただきたいと思います。

倒産などの万が一の場面で、事業を守る手段として、第2会社は極めて効果的だといえます。

事業を守ることができれば、従業員や取引先といった社会的弱者などの生活も守れるのですから、躊躇する理由などないでしょう。

  

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