今、2%は高金利・・・


金利と利息と利子について、使い分けができるでしょうか。

3つとも同じ様に思えますが、意味合いは微妙に異なります。

お金を借りたり預かった者(債務者)が、お金を預けたり貸したりした者(債権者)に対して、元本にプラスして支払う金額の割合が、金利になります。

お金を貸したり預けた者(債権者)が、債務者から元本にプラスして受け取るお金のことが利息です。

そして、お金を借りたり預かったもの(債務者)が、元本にプラスして債権者にお支払いするお金が利子ということになります。

 

コロナウイルスは、利息や利子や金利の意味合いについて、我々に理解する機会を与えてくれたようです。

当たり前に払うべき利子が、実質0(無利子)という、信じられない様な条件で借りられるようになっています。

貸し付ける方にすれば、当然に受け取るべき利息がゼロになるわけですから、儲けが得られないどころか、手間賃も出すに赤字での貸付という意味になります。

このコロナウイルス禍での経験したこのない異常事態は、利息や利子や金利の意味合いと怖さを、改めて我々に教えてくれました。

 

子供の頃、おおよそ50年ほど前の話になりますが、オモチャや漫画を買いたかったお年玉を、母親の強い勧めで、郵便局に貯金しました。

1万円を、1年の定期預金です。

当時は、定期預金の意味どころか、利息さえどの様なものか知りませんし、何よりも定期預金をしたことさえ忘れてしまっていました。

1年後のお正月、いただいたお年玉で漫画を買おうとすると、母親が郵便局に貯金することを強く勧める(実質は、強要ですね・・・)ので、抵抗をしていると、母親は定期預金の通帳を見せてくれます。

そこで、昨年に貯金したことを思い出し、母親から通帳をひったくって、あるはずの1万円を確認しました。

ところが、そこには、なんと10,550円の金額が載っています。

預けたはずの10,000円ではなく、550円も多い、10,550円なのです。

子供にとって、550円は大金です。

当時の少年マガジンが、たしか70円程度でしたから、なんと、お金を使わずに1年間預けておくだけで、9週間分の9冊も購入出来てしまいます。

この事実に驚愕し、今年のお年玉も定期預金したのは当然の流れですが、5.5%という高利息に、金融の最初の第一歩を学んだように思います。

昔は、高金利だったのです。

最高でいうと、第1次オイルショック後の1974年頃には、定期預金で7.5%、通常の預金でさえ4.3%という時代がありました。

まだまだ高度成長真っ盛りの頃ですが、あのバブル期でも、銀行の定期預金の利息は6%程度あって当たり前でした。

それが、バブル経済崩壊以降に下がり続け、1990年代末以降は一気に低下し、そのままの状況が今に継続しています。

現在、ゆうちょ銀行ならば、定期預金でも0.002% 通常貯金ならば0.001%という金利になります。

これは、大手銀行でもほぼ同じであり、高金利を謳うネット銀行でさえも、定期預金は高くて0.15%で、平均すると0.02%程度になってしまうでしょう。

普通預金ならば、高くても0.02%で、平均だと0.001%ということになってしまいます。

10,000円を1年間の定期預金として預けても、20銭(0.2円)という見たこともない単位の利息しかもらえないのです。

いったい、どれほど下がったのかと驚く話なのですが、ゆうちょ銀行の定期で考えても、最高の7.5%から 今は0.002%ですから 3750分の1になってしまったということになります。

何故、こんなに変わったのかといえば、究極の答えは、高度成長が終わったからということになってしまいます。

今日より、明日が、そして来月,来年が、業績アップする時代ではなくなり、売上も利益も右肩下がりの減退期というのが現実ですから、高利息など存在しえないのです。

 

もうすぐ、ノンバンクの販売促進も、積極化してくる頃だと思います。

政府のコロナ融資も一巡し、金融機関からの新たな借入も難しくなり、他に資金繰りの手立てを探し始める中小事業者も増えてきたでしょう。

こんな時が、ノンバンクにとっては絶好の営業機会だといえ、チラシやメールなどで、積極的なアプローチを展開してくると思います。

資金繰りに窮した多くの中小事業者は、明日の資金繰りを確保する為に、利息など気にする余力はありません。

それが、たとえ支払えるはずのない高金利だとしてもです。

こんな環境で、支払えるはずのない高金利に手を出すのは、僅かな期間の問題の先送りにしかならない上に、取り返しのつかない大きな問題に膨れ上がるのは明白であり、まさしく自殺行為だといえます。

 

私は、政府が用意をしたコロナ融資は、借りれるだけ借りてくださいと、ご相談者にアドバイスをしてきました。

それは、元本の棚上げがあり、実質無利子の借入であり、何の負担もない貰ったような資金だからです。

景気低迷期においては、1%を切る様な低金利でも、資金繰りを大きく圧迫しますから、コロナ融資の実質無利子というのは、非常に大きな意味がある効果的な制度だといえます。

逆に言えば、コロナウイルス禍の環境では、利子が2%でも高金利であり、健全に支払えるはずもなく、結果として状況を悪化させてしまうでしょう。

今は、とにかく高金利には、手を出さないことが鉄則です。

もしも、どうしても高金利の借入を検討する必要のある状況ならば、まず、事業の継続の可否について真摯に検討すべきでしょう。

それが、従業員などの社会的弱者、そして経営者の貴方自身の人生を守ることになります。

 

 

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