日曜の夜9時、日曜洋画劇場のスポンサーであった『レナウン』のCMは、我々の世代にとっては忘れられないサウンドでした。
『レナウン,レナウン娘が・・・』のフレーズのアップテンポな曲は、自然と口ずさむほど脳裏に浸み込んだ、青春の思い出でもあったのです。
そのレナウンが、このコロナにより倒産したというニュースは、環境の悪化による企業のデフォルトを、現実のものとして我々に強烈に再認識をさせました。
日本に留まらず、世界中でも大企業の破綻が続き、アルゼンチンという国家までデフォルト(何度目かのですが・・・)したのですから、本当に大変なことになりつつあり、今後の経済に不安を抱かずにはおられません。
終息ではありませんが、とりあえず第一波のコロナウイルス危機は乗り切ったのでしょうか。
緊急事態宣言が全国で解除され、一気に日常を取りもどしつつあります。
あれほど空いていた通勤電車が、ほどほどに混雑をしています。
シャッターの降りていた飲食店も、昼食時には定食を求めて込み合うほどになりました。
徐々に、街並みも活気を取り戻し、このまま景気も回復するだろうと思えるような風景です。
しかし、景気は簡単には回復しそうにありません。
第二波や第三波のコロナウイルス危機が叫ばれる中で、経済のシステムが元に戻るかどうか疑問な状況のうえに、次のリスクに備えてしばらくは消費も抑えられた状況が続くと予想をされています。
緊急事態宣言が解除され、休業要請も順次解除されて、景気は一時的に回復基調にはなりますが、本格的な景気回復は難しい模様なのです。
消費の抑制が、景気回復を遅らせる第一の理由となりますが、いずれは消費も回復傾向になるのでしょう。
しかし、ようやく消費が戻るだろうという頃に、第二の景気悪化要素が発生すると思われます。
それは、今回のコロナウイルスに関する様々な支援策において、支払いを1年間に亘り猶予するという制度が、期限を迎えることです。
売上の減少などといった一定の条件の下で、国税や地方税などの税金,厚生年金や国民健康保険などの社会保険料が、納税や支払を1年間猶予されます。
しかし、1年間の猶予が終われば、当然に納税や支払をしなければならず、その時に財務的余力を回復できているかが、最初のポイントとなるのですが、この経営環境ですから簡単なことではないと思われます。
さらに、猶予してもらっていた支払いにプラスして、新たに発生した支払い義務が同時に発生することになるのですから、その負担は生半可なものではありません。
1年後に、新たな救済制度が策定されないと、多くの中小事業者が土俵際に追い込まれることになるのではないでしょうか。
さらに、最悪と思われる第三の景気悪化要素として、据置期間の期限到来が訪れます。
コロナウイルスに関する中小企業の資金繰り支援策として、政府は様々な融資制度を用意し、事業者も事業維持のために最大限の借入を実施し、過剰な負債を背負うことになっています。
その借入も、今は、最長で三年間とか五年間という借入金の元本返済が猶予される、据置期間により、元本返済が先送りされていますが、期限が到来すれば返済が始まるのです。
そもそも、据置期間が最長で五年などというのは、通常では絶対に考えられない異常なことで、それほど政府はこの経済危機が長期に渡り大きな影響を与えると捉えたのだと思います。
そんな、まだまだ不安定な経済が続くであろう環境において、経営の立て直しも完了していないだろう時に、据置期間が終了して返済が始まるのですから事業者は大変です。
政府がしっかりと次の制度を用意しないと、この段階で、過去に例を見ない程の大量の経営破綻が発生するかもしれません。
2月末に始まったコロナ倒産劇は、現時点において(5月26日現在)184件とのことです。
これを大量の倒産と表現する方がおられますが、全てが停滞した現在の環境を考えると、極めて少ない数字だといえるのではないでしょうか。
政府が早い段階から用意した、様々な資金繰りの支援策が良かったのであり、劇薬として十分な効果を発揮し、必要不可欠な手段としてこの危機を乗り切ることが出来たのだと思います。
しかし、その劇薬の副作用が、今後、長期に亘って発生することになるのです。
コロナウイルス終息後の不況は、かって経験したことのない厳しいものになるのかもしれません・・・。
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