無担保のはずなのに・・・


無担保という意味について、考えさせられました。

政府は、コロナウイルスの影響から中小事業者を救おうと、様々な資金繰り支援策の資金繰り支援策を用意しました。

用意された制度は、政府の本気を感じさせる驚くような内容のものが多く、その代表的なものが『無利子』や『無担保』,『無保証料』という融資制度になります。

安倍総理が自らの口で何度もご説明をされ、政府の用意したパンフレットなどでも太字で具体的に明記されています。

ところが、政府の目の届かないところで、無担保であるはず融資において、民間金融機関が当然のごとく担保を要求してきたのです。

 

 

 顧問先の社長から、無事に融資を受けられたと電話をいただきました。

リスケジュール中での融資申し込みのため、財務状況も色々と問題があり、融資は簡単ではありませんがポイントを押さえて対応したことにより、良い結果を得ることが出来たと喜んでおられました。

無利子で無担保という好条件での融資だったので、連帯保証人を付けることを要求されたが、仕方なく承諾をしたとご報告をしてくださいます・・・。

しかも、このご時世に、現社長と前社長の2人を連帯保証人ということなのです・・・。

これは、納得のできない不思議な話になります。

無担保の融資のはずなのに、何故、保証人を要求されるのでしょうか・・・?

保証人を付けるというのは、担保を提供したという意味になり、無担保ではなくなるのです。

 

担保とは、将来的に発生するかもしれない不利益に対して、債務の履行を確実化させるためのシステムや、義務者から権利者に提供される事物のことです。

そして、債権の弁済を確保する手段として、物的な担保と人的な担保があります。

自宅の土地建物を担保に出すなどというように、動産や不動産に対する対世的に権利をとる形を物的な担保といいます。

保証人に代表されるように、債務者以外の第三者に対する債権という形をとる担保を人的な担保といいます。

したがって、融資を受ける時に、不動産を担保として提供するのは当然のこと、保証人を付けるのも担保を提供したということになるのです。

 

そうなると、このコロナウイルスによる中小事業者支援策の、無担保を謳っている制度において、保証人を要求するのはルール違反だということになってしまいます。

金融のプロである金融機関などの担当者が、この理屈を知らないはずはありませんが、彼らは何の疑いもなく当たり前の様に保証人を要求してきました。

リスケジュール中の融資申し込みにおいて、多くの成功事案がありますが、この様に保証人を要求された事例はこの1件だけであり、他には存在しません。

ただ、この事例は、補正予算成立後に運用開始された『民間金融機関における実質無利子・無担保融資』という制度を活用した取り組みになります。

県の制度融資と信用保証協会の保証を活用して、実質無利子・無担保・据置最大5年・保証料を50~100%カットを謳い文句にしている制度です。

信用保証協会や日本政策金融公庫が混雑していて手続きが進まないために、民間金融機関を活用しようと期待して開始した制度ですが、解決すべき問題点が残された制度でもありました。

誰が、融資の判断をするのかというのが最大の問題点であり、信用保証協会が与信をするのであれば混雑の解消には繋がりません。

民間金融機関が、県や信用保証協会に成り代わって与信をして融資を実行するのであれば、恣意的な与信判断が下される可能性がありますし、金融機関の利益を追求した融資になる可能性が大いにあります。

リーマンショックなど過去の不況時の対応を顧みれば、彼らは、金融庁などの監督官庁に対しては、面従腹背をモットーにしていますから、中小事業者支援の錦の御旗を振りながら、自らの利益を優先させるという基本姿勢は絶対に崩しません。

金融庁の指導よりも、中小事業者支援よりも、自らの利益が優先ですから、今回ご紹介した事例の様に、無担保と喧伝しながら、保証人を取るのも平気なのです。

 

融資の申し込みに関する書類を確認すると、小さく保証人に触れられていました。

与信面などにおいて、一定の事由に関わった場合は、保証人が必要になるといった意味が記載をされています。

保証人について明記されているのであれば仕方がありませんが、それならば無担保融資ではないということであり、制度を用意した政府が国民を欺いているということになってしまいます。

 

ここ数年、保証人の捉え方が大きく変化し、通常の融資においても保証人は不要になってきました。

このコロナウイルスの環境において、無担保を謳っている制度が保証人を要求するなど許されるはずがありません。

政府が作った制度ですから安心していましたが、中小事業者は騙されないように注意しなければならないのかもしれません・・・。

保証人は、人的担保ですから、無担保融資においては必要ないのです。

 

 

 

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