サービサー交渉の秘訣・・・



債権回収のプロであるサービサーと、我々はどの様に対応すればいいのでしょうか・・・。

彼らは、債権回収のプロ中のプロですから、あらゆる手段を屈指して、全方位から債権回収を実施してきます。

しかし、プロ中のプロなだけに、無駄な取り立てや、効果の見込めない対応は、なかなかしてこないという特徴もあるのです。

そんな彼らの特性を活用し、上手く対応することができれば、破格の条件での和解(債権放棄)さえ望めるのですから、サービサーについて深く掘り下げて勉強してみたいと思います。

 

債権者への、基本的な対応方法は、ほぼワンパターンだといえます。

まずは、返済(支払)のできていない状況で、迷惑をかけていることについて『謝罪』をします。

続いて、何とか再生を果たし、返済を実施して完済を目指したいという意思を、『誠意』をもって示してください。

そして、現在の状況を説明し、とても弁済できる状況にないという『現状説明』をして理解を求めます。

そのうえで、こちらの提示する条件で、『協力依頼』をお願いすることになります。

この流れが、金融機関や仕入れ先・外注先などといった、ほぼ全ての債権者に対して最も効果的な、基本的な対応姿勢だといえます。

しかし、唯一、この流れと異なった対応を求められるのが、サービサーへの対応だといえるのです。

 

サービサーは、債権回収のプロ中のプロで、『ハゲタカ』だとか『ハイエナ』などに例えられます。

僅かでも隙を見せれば、喰らいついて放してくれず、骨までしゃぶり尽くされるでしょう。

サービサーが、少しでも債権回収ができると判断すれば、とことん追求されることになってしまいます。

したがって、この債務者からは、債権回収は難しいとサービサーに思わせることが大事なのです。

しかも、サービサーに債権譲渡をされて、最初の交渉で、この様に債権回収は難しいと思わせることで、その後の対応が大きく変わってきます。

その後の債権回収姿勢を緩和させるためには、最初のサービサーとの交渉において、以下の様に対応されことをお勧めします。

まずは、債権者との基本的な対応方法と同じで、返済できていない状況について『謝罪』をします。

しかし、それ以降は、『誠意』も『現状説明』も『協力依頼』についても、内容は大きく変わってしまいます。

本来であれば、完済を目指したいという意思を伝え、『誠意』を示したいところですが、サービサーにその様な姿勢を見せれば、『飛んで火にいる夏の虫・・・』状態になってしまいます。

また、『現状説明』についても、今はとても弁済できる状況にないし、今後も弁済できる可能性はないだろうと・・・説明するしかありません。

ここで、弁済余力について言及したり、僅かでも弁済の意志を伝えたり、将来的な弁済の可能性について伝えれば、サービサーは大喜びで離してくれなくなってしまいます。

完済などはとても不可能で、現在も将来も弁済できる余力はないという状況について、『現状説明』して伝えることが、サービサー対応の『誠意』になるのかもしれません。

したがって、申し訳ないが弁済する余力はないのでという、『協力依頼』をすることになります。

これが、サービサーとの基本的な対応姿勢ということになり、他の債権者との対応とは根本的に違うということがご理解いただけると思います。

彼らサービサーに誠意を見せることは、債権回収の可能性を示唆することになり、大いに興味を抱かれることになってしまいます。

正しい状況を具体的に『現状説明』すれば、債権回収の食指を伸ばし、いつまでも諦めなくなるのではないでしょうか。

サービサーへの『協力依頼』は、もう、どうにもならないので、そっとしておいてくれ…ということになるのかもしれません。

 

サービサーに債権譲渡をされれば、まずは接近しすぎないことです。

そして、質問には簡潔に答え、不要なことは話さず知らせず、こちらから質問はしないという基本姿勢を維持してください。

往々にして、交渉に自信のある経営者な程、プライドからか余計な情報を話してしまう傾向がありますが、サービサーが喜びそうな情報は僅かでも流さないようにする必要があります。

サービサーの交渉の対象者は、全てが金融事故者であり、美味しい匂いなどほとんどない中で、僅かな血の一滴を嗅ぎ分けて、果敢な債権回収をしかけてくるのです。

僅かな隙さえ見せないことが、サービサー交渉の鉄則だといえるでしょう。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>