リストラの誤解・・・


ご相談した3年前では、経営改善により十分に再生が可能な経営状況でした。

前向きで優秀な経営者であり、自らの力で、経営改善に取組まれたのですが、失敗するなどとは思っていません。

ところが、3年ぶりにご連絡をいただくと、なんと、この春で事業を整理されたとのことなのです。

紹介された専門家に相談して、経営改善に取組んだところ、大半の従業員が辞めてしまい、事業を続けられなくなってしまったといわれます・・・・。

 

その経営者は、僅かな説明をすることで、全てを理解してしまうほど優秀な方でした。

経営状況を分析し、その結果により取り組み可能な展開として、経営改善による再生を選択されたのです。

極めて高い確率で、経営改善により事業再生を実現できるような状況であり、3回ほどのご相談をしましたが、その後は、自らで取り組まれることになりました。

3年どころか、1~2年で再生しても、不思議ではない状況だったので、私も何の心配もしていませんでした。

ところが、3年振りのお電話は、経営改善に失敗し、事業を整理したというお話だったのです。

その内容に驚き、ショックを受けた私は経営者に無理をお願いして、久しぶりにご面談をさせていただき、詳細を確認させていただきました。

 

経営改善に取組むことを税理士に報告した経営者は、ある専門家をご紹介されたそうです。

税理士の勧めもあり、その専門家に経営改善をお任せすることになり、デューデリジェンスと経営改善計画を作成してもらいました。

高額の費用が掛かったそうですが、見栄えは立派です。

ところが、その内容を拝見すると、ほぼリストラです。

特に、徹底した雇用面のリストラが計画に盛り込まれています。

たしかに、中小企業の経営改善において、リストラは必要不可欠です。

ところが、拝見した経営改善計画においては、このリストラが大きく誤解されたような内容になっていたのです。

リストラの正式名称はリストラクチュアリングといい、経営に用いる場合は『企業組織の再構築』という意味合いになります。

企業を事業面,業務面,財務面から根本的に内容を見直し、不採算部門を切り捨てたり、将来有望な部門へ展開するなどして事業内容を変え、企業構造を改革することをリストラといいます。

切り捨てたり圧縮をするというネガティブな要素だけではなく、投資や新規展開というポジティブな要素も当然に含まれているのです。

ところが、一般的な認識としては、リストラは雇用面の抑制という様に思われているところがあります。

そして、専門家の作る経営改善計画においても、目につき易く、チェックし易い雇用面の数字や無駄について問題化され、リストラが雇用面に集中する傾向があるように思われます。

相談した専門家の経営改善は、投資や新規展開においての具体的計画などはなく、ほぼ雇用面のリストラが対象になっていたのです。

これでは、経営改善は失敗します。

しかも、何度も、雇用面のリストラが繰り返されたということですから、従業員のモチベーションは維持できません。

最初は、会社のために頑張ろうと思っていた従業員が、何度も繰り返される雇用リストラ・・・給料や賞与の据置・減額,解雇による人員削減・・・により、やる気をなくしたそうです。

そして、やる気のある優秀な社員から退社するようになるまで、それほど時間もかからなかったそうです。

結果として、経営改善により再生を果たすどころが、経営改善に取組んだことにより、人員不足に陥り、整理をするしかなくなったということなのです。

雇用面のリストラは、最劣後の手段として捉えるべきものです。

そして、本当に経営改善を成功させたいのなら、1度きりの対応に抑えるのが絶対不可欠なのです。

 

ご相談者の中には、既に経営改善は実施をしたといわれる方が少なくありません。

しかし、よくよくお伺いすると、人件費を代表とする販売管理費の圧縮という、業務面のリストラの一部にしか手がつけられていないことが多いようです。

圧縮・削減というマイナス方向のリストラは、出血を止めるための手段であり、業績を根本的に回復させるためのプラス方向のリストラが実行されていることが少ないように思います。

リストラは、将来的な展望の下に、不必要なものを削減し、必要と思われるものに具体的な投資をしていくことなのです。

厳しい経営環境において、投資などできないと考えておられる経営者もおられるかもしれませんが、再生を前提にすれば、大事なのは削減よりも投資だといえるのかもしれません。

 

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