手形のジャンプ・・・


究極の資金繰り対策として、手形のジャンプがあります。

大きな効果が期待出来ますが、取組むリスクも大きなものになります。

信用不安という副作用が流れれば、経営破綻にも直結しかねないのです。

他に、効果的な資金繰り方法がなくなった時に、はじめて、支払手形のジャンプへの取り組みは意味を持つという、最終最後の資金繰り手段だといえるのでしょう。 

 

支払手形のジャンプは、禁断の資金繰り対策だといえます。

成功すれば、一気に当座の資金繰りは改善するかもしれませんが、失敗すれば、経営破綻につながりかねません。

支払手形のジャンプとは、期日に手形を落とせそうにないときに、期日を後にずらして、新しい手形を振り出すことをいいます。

期日に、当座口座の資金が不足して手形を落とせないと、不渡りになってしまい、不渡りが、半年間で2回発生すれば、銀行取引停止になります。

したがって、支払手形のジャンプは、資金繰りが改善するとともに、倒産につながる不渡りという大きな経営上のリスクを回避できるという効能があるのです。

同時に、取り返しのつかない結果に繋がるかもしれない、大きなリスクが存在しています。

信用不安が発生するということです。

最終最後の資金繰り対策とご紹介したように、本来はリスクが大き過ぎて、取り組みたくはない対策だといえます。

これは、経営者に共通する認識だといえますから、手形のジャンプに取組むというのは、資金繰り悪化が著しいと捉えられてしまうのです。

手形のジャンプを申し込まれた債権者とすれば、経営破綻直前だと捉え、厳しい対応を取る可能性が低くありません。

担保や保証人を要求されることがあれば、今後の取引条件が厳しくなることも珍しくありません。

即座に、債権回収に着手される可能性さえあるでしょう。

手形のジャンプは、そんな大きなリスクを抱えた資金繰り対策なのです。

それでも、手形のジャンプが成功すれば結果オーライですが、失敗すれば信用不安だけが残ってしまいます。

したがって、手形のジャンプに取組む場合は、事前の準備をしっかりとして万全の態勢で取り組まなければなりません。

 

手形のジャンプをお願いしても、割引をしたり裏書して回されていてはどうしようもありません。

事前に、さりげなく手形がどうなっているかを確認し、未だ、手元にあることを把握したうえで、取組むことが前提になります。

お願いすべきタイミングも難しいものがあります。

早くお願いすれば、未だ他に方法があるだろうと言われてしまいます。

だからといって、期日の間際でお願いすれば、支払銀行に渡している可能性が高くなります。

また、取引先にも資金繰りがありますから、期日間際の依頼は問題があるでしょう。

早すぎず、遅すぎずのタイミングが大事で、期日の10日前後の依頼が妥当なのかもしれません。

 

支払手形の発行先に、ジャンプのお願いをするのは勇気がいりますし、経営者としてのプライドもズタズタになるかもしれません。

しかし、ここは、事業を守るために、まずは右足を一歩踏み出して、取組むことです。

従業員や家族のために、そして、将来を確保するために、何も考えずに取り組む勇気をもってください。

手続きには丁重さが大事であり、丁寧な対応が不可欠です。

事前にアポイントを取ったうえで訪問し、現状を正直に話してください。

資金繰りや試算表などを資料として、この危機さえ乗り切れば、間違いなく再生できることを、真摯に説明しなければなりません。

間違っても、不安を与えるような言動は慎んでください。

誠意を持って、安心を持っていただくことが、姿勢として大事なのです。

これで、ジャンプに応じていただければいいのですが、もしも難色を示されたら、本音の表現も必要になるかもしれません。

『もし、資金繰りが確保できずに、倒産すれば大変な迷惑をかけてしまう・・・』と、この様な表現を織り込んでみてください。

破産をすれば、配当は限りなくゼロに近いというのが一般的ですから、多くの債権者はここで『ジャンプした方が・・・』と考えます。

それでも駄目ならば、一部は、期日に現金で支払う意思を示してみてください。

手形額面の、おおよそ10%~20%ぐらいが妥当だと思います。

破産した時の配当で10%を超えるのは、極めて稀ですから、一部金をもらって、手形をジャンプした方が得だということになるのです。

なかには、保証人や担保を取ろうとする方もおられるでしょうが、これは現状をご説明してお断りするしかないでしょう。

それでも強硬に要求されれば、状況を鑑みたうえで、代表取締役個人の保証人は検討すべきなのかもしれません。

 

手形のジャンプは、心身ともに消耗する難しい交渉になります。

誠意を精一杯示して、現状を正直に説明し、不安を与えずに協力をしてもらうという流れがポイントです。

同時に、破産よりはましだという現実も、上手く説明に織り込むことが必要でしょう。

それでも、同意をいただけない場合、固執するのは諦めて、他の手を考えることが賢明です。

最も恐れるのは、信用不安が流れることだということを忘れないでください。

 

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