スルガ銀行の事件は並大抵のものではなかったようです。
不動産融資と粉飾決算というキーワードおいて、驚くほど影響を与え、一気に変化をさせてしてしまったように思います。
スルガ銀行という、たった1行の地方銀行が、ここまで様々な影響を与えるとは驚きです。
特に、中小企業経営にとっては、死活問題といえるほどの影響を、スルガ銀行のシェアハウス問題は与え様としています。
静岡県という地方の銀行の不祥事が、ここまで全国に大きな影響を与えるとは驚きです。
静岡沼津に本店を置く『スルガ銀行』のシェアハウス問題については、既にご存知の事だろうと思います。
スマートディズという会社が展開する『かぼちゃの馬車』というシェアハウス事業において、スルガ銀行は強力な支援を実施しました。
この事業は、不動産会社であるスマートディズが女性専門のシェアハウス物件を用意し、個人投資家などに購入してもらい、それをスマートディズがサブリースとして借り上げ、入居者を募って家賃を個人投資家に還元するという流れになります。
『大東建託』や『レオパレス』が代表的な、世にいうサブリース事業というものになりますが、様々な問題により多くの訴訟に至っている事業形態であるのは周知の事実だろうと思います。
この、サブリースの絡むシェアハウス事業において、購入をされる個人投資に対する融資面で、強力かつ全面的な支援をスルガ銀行が引き受けたのです。
ここまでのことなら、あの金融庁が『地銀の優等生』と評価したように、他の地方銀行に見習ってほしいような金融対応だといえるのかもしれません。
ところが、その融資の姿勢が、強引で不正に満ちた内容だったのです。
融資をするために、個人投資家の預金残高を水増しする資料を作成するなど、金融機関が自ら債務者の粉飾を主導しました。
さらに、到底不可能な家賃設定などをして、高収益の収支計画表を作成します。
融資面だけに留まらず、偽の売買契約書などを作成するという不正にまで、スルガ銀行全行を挙げて取り組んでいたのです。
こんな無茶な前提による事業ですから、スマートディズは個人投資家に家賃を支払えなくなり、本年の4月に経営破綻しました。
今、冷静に見返せば、当たり前の結果になったといえるのですが、当時は、スルガ銀行が全面的に支援をしていますから、個人投資家も信用をしたのでしょう。
しかし、家賃収入が止まっても、融資の返済は止まることがないというのが、スルガ銀行シェアハウス問題の大筋ということになります。
『個人投資家は大変だったねぇ・・・。』と、自分には関係のない話だと捉えるべきなのでしょうが、現実はそうではありません。
冒頭にご紹介したように、粉飾決算への対応が極端に変化し、不動産絡みの融資が急激に収縮してきている様なのです。
今まで、中小事業者の粉飾決算については、債権者である金融機関も『見て見ぬ振り・・』をしてきていました。
ところが、このスルガ銀行問題に『はれのひ』の問題も加わり、粉飾決算に対する姿勢が極端に厳しく変化しました。
『見過ごすのではなく、追及し、場合によれば、刑事訴追も辞さない・・・』、この様に、粉飾決算についての対応は変化してきているようです。
この事実を、経営者はしっかりと認識しなければ大変なことになる可能性があります。
不動産絡みの融資については、現実的に消極姿勢に転換しています。
不動産の融資において、与信に関する資料をある程度脚色するというのは、スルガ銀行に関わらず、多くの金融機関でも見受けられることでした。
しかし、その与信資料の粉飾を否定するということなのですから、不動産融資は難しくなって当然だともいえます。
さらに、過剰な不動産融資に関して、金融庁が抑制の方向を打ち出していますので、不動産融資は確実に収縮していくのでしょう。
そして、この結果は、アベノミクス景気にも影響を与えるのではないでしょうか。
スルガ銀行は、個人投資家から損害賠償訴訟をされていますが、これは当然の事だろうと思います。
しかし、スルガ銀行が世に与えた影響は、遥かに大きなものなっているでしょう。
中小事業者にとって、必要悪である粉飾決算を全否定する様にさせたのです。
そして、不動産融資までも抑制させたのですから、関係業界に留まらず、日本経済にも大きなダメージを与えているといえるのでしょう。
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