究極の資金繰り・・・2


経営危機、そんな有事での資金繰りは簡単ではありませんが方法はあります。

今月の資金繰りで、1000万円の資金が必要なのに、今のところ300万円しか、資金として目途がありません。

100 + 200 = 300 にしかならないのに、1000 にしなければならない、それが有事での資金繰りなのです。

こんな無茶な数式を成立させるには、資金繰りの捉え方を根本的に見直し、信用の保持などに留意しながら、あらゆる手段を動員しなければなりません。

 

まず、資金繰りを確保する対策といえば借入でしょう。

誰もが、最初に取り組み、その方法も比較的に認知されている資金繰り対策の基本です。

しかし、経営危機といえる状況では、この基本である金融機関からの借入自体が、なかなか難しくなっているでしょう。

現実として、プロパー融資などを期待するのは、とんでもないことなのかもしれません。

信用保証協会の保証付きで、借入できれば御の字だと喜ぶべき環境になっているといえます。

本当に資金繰りに苦慮している事業者にとっては、借入による資金繰り確保は想像以上に難しくなっており、もはや、資金繰り対策の基本ではなくなっているのかもしれません。



資金繰りを確保するために、借入を活用するにしてもリスクがあります。

会社が金融機関から借入をする場合、代表取締役が保証人とならなければならないし可能性は高いでしょうし、代表者の自宅を、会社が借入をする担保として提供することが当然のようにも思われています。

いくら代表取締役とはいえ、会社と個人とでは人格が違うのですが、金融機関からの借入においては完全に同一視され、責任を一元化するために会社と代表取締役を一体にしようとするのです。

そうなると、代表取締役は、もはや借入債務から逃げることは出来なくなってしまい、万が一の場合には、全ての責任を負い、資産も全て失うかもしれません。

ただ、保証人になるのと、物上保証として自宅を担保に提供するのでは、いざという場面での対応が違ってきますので、できれば自宅の担保提供は避けたいのが本音ではないでしょうか。

さらに、借入を活用するリスクとして、借入後の返済負担の発生が挙げられます。

借入すると、当然にその後に返済が発生し、その返済負担の増大が、その後の資金繰りを、さらに悪化させることが少なくありません。

与信が下がった状況においての借入は、高金利を条件としたものになりますから、その傾向はさらに顕著になります。

そう考えると、何が何んでも借入に頼るというのは、資金繰りの基本ではありません。

金融機関との信頼関係が崩れ、新たな借入が難しくなっている状況なら、借入をせずに返済を猶予してもらい資金繰りを確保する方が、長期的な資金繰りは間違いなく健全になります。

経営危機のレベルを判断する指標として、『返済のための、借入をしていないか・・・』という内容もありますから、返済のために借入をするぐらいなら返済猶予を絶対にお勧めします。


数年前、ビジネスローンが注目を浴びたころ、融資のコンサルタントも同時に脚光を浴びました。

融資が受けやすいアドバイスをしてくれるのですが、ほとんどが財務諸表を見栄えを良くするテクニックについてアドバイスされるのです。

結局は、粉飾をすることなのですが、融資がされやすい環境も手伝い、それにより面白いように融資が実行されました。

あまりに借りやすいので、その後の返済も考えずに不必要な融資を受け、贅沢な経営をされた方も多くおられたのです。

結局、そのような経営者の多くは、その後の返済負担に耐えられずに会社を破綻させてしまうことになります。

計画性のない借入により、会社が破綻した事例は数限りなくあります。

借入による資金繰り確保も、この時代は慎重にする必要がありますね。

会社の資金繰りに、経営者の親戚や知人に協力してもらうことは多く、資金を貸付してもらったりと、様々な方法において関与してもらっています。

世間的には、経営者の親戚や知人に協力してもらうことにあまり抵抗なく、資金繰りを確保する手段として違和感なく用いられているようです。

しかし、安易に用いられて良い方法なのでしょうか。

事業には全く関係ない第3者であるのに、経営者の親戚や知人というだけで経営者と同等のリスクを背負わすのに問題はないのでしょうか。

私は、ある意味、資金繰りを確保する最悪の方法であり、最も回避したい方法だと思っています。

それは、最悪の結果を引き起こす可能性のある方法だからです。

自殺や夜逃げ等の、悲惨な末路につながる方法なのです。


親戚や知人に協力してもらう方法として、今では少なくなりましたが、ノンバンクなども含めた金融関係機関からの借入の保証人になってもらうことが挙げられます。

保証人といっても、ほとんどは連帯保証であり、借入が金融事故になった場合は、債務者と同等に扱われて債務の支払いを迫られるというリスクの高いものです。

最近は連帯保証人が社会問題となり、連帯保証人を複数とることも少なくなりましたが、昔は、債権回収を保全するために、少しでも多くの連帯保証人を取ろうと金融機関は無理難題を言うのが珍しくありませんでした。

なかには、会社の経営とは関係のない保証人を立てろという金融機関もあったぐらいです。

債権回収を優先させれば、そのような方法は極めて有効なのですが、善意で保証人になった第三者を、場合によれば地獄に突き落とすことにもなるのです。

現実的に、善意で保証人になったばかりに、こつこつと積み上げた資産を失ったり、生活や人生を終わらせた方も珍しくはありません。

この文明社会において、この様な非人道的な制度が許されるはずはなく、昨今は、代表者さえも連帯保証人にならないパターンが多くなりました。


また、親戚や知人から直接に借入をして、資金繰りを確保するパターンもよく見かけます。

当座の資金を確保するには、親戚や知人に無理をお願いするのは、難しいことではないようなのです。

まだ、金融機関が融資をしてくれる可能性のある状況においても、簡便なためか親戚等から借り入れる経営者もおられます。

たしかに、親戚や知人から借りる場合には、詳しい資料も不要だし短期間て貸付をしてくれるでしょうし、保証人や担保をとられることもありませんから、借りる方としては便利なのかもしれません。

しかし、親戚や知人には、様々な大きな負担をかけることになりますし、今までのような付き合いもできなくなる可能性が高いでしょうから、安易に取り組む資金繰りの方法としては賢明とは思えません。

親しい親戚や知人から借入する場合でも、今後のことを考えて、最低でも担保ぐらいは提供することが必要だと思います。


親戚や知人にしても、直接に資金を貸付した場合は、親しい人間として窮地を救うために資金を提供したと割り切り、万が一の時にも諦めることが出来るかもしれません。

しかし、保証人となると大きく意味が異なってしまいます。

保証している債務が万が一に不良化すると、債務者と同列に扱われ、当然のごとくに債務の弁済を請求され、保証人の自宅などの資産を処分して弁済に充当させられることも考えられるのです。

保証人に、このような迷惑や負担をかけるのが嫌で、企業経営者は悩み苦しむことになり、保証人に対して責任を感じて最悪の選択をする場合もでてきます。

企業経営者が、夜逃げや自殺をする大きな理由は、間違いなく保証人への責任の取り方だと思います。

しかし、こんな責任の取り方など何の意味もなく、逆に、さらに大きな迷惑をかけるだけのことなのです。

しかし、追いつめられると、どんな優秀な経営者であろうと、こんな簡単なことさえ冷静に判断できなくなってしまいます。


このような理由で、私は、経営者の親戚や知人に資金繰りに協力してもらうのは大反対です。

本当に、短期で弁済できる目途があったり、資金を直接に提供してもらう場合は別にして、保証人を依頼したり資金を借りることは、万が一の事態を考えて回避した方がいいと思います。

 

禁断の資金繰りという言葉があるとすれば、それは資金繰りをノンバンクからの借入で確保することではないでしょうか。

銀行などの金融機関からの借入れで資金繰りを確保するのと、ノンバンクからの借入で資金繰りを確保するのでは全く意味が違います。

借入の返済が厳しくなるなどの万が一の場合に、ノンバンクから借入をしていると、その後の対応が大きく変わるという事実を認識しておく必要があります


ノンバンクといえば、銀行等の金融機関の系列のファイナンスに始まり、信販系やクレジット系、または商工ローンや消費者金融系等々、さらには街金・闇金などもある意味ノンバンクになるのでしょう

このように、ノンバンクといっても、ピンからキリまで様々な種類があり、一括りで論じるのは問題があるのかもしれません。

特に、銀行系のファイナンスと闇金を、同じノンバンクに分類して論じるのは批判を浴びるかもしれません。

しかし、これらのノンバンクには共通点があります。

銀行などの金融機関よりも、審査が甘く、高金利なこと、そして債権回収の姿勢が厳しいという共通点です。

借りるのは比較的に簡単だが、借入した後が厳しいということなのです。

特に、高金利なのがもっとも大きな問題だと思います。

ただでさえ資金繰りが厳しくて、やっとのことで資金を回しているのに、そんな高い金利を支払えるはずがありません。

冷静に考えれば誰でも判ることなので、さらに資金繰りを厳しくするだけだと判っていても、資金繰りに追いつめられると、今を何とかすることを優先してしまい、将来に目をつぶって借りてしまうのです。

そして、一度、借りてしまうと、もはや後戻りするのが難しくなります。


借入が不良債権になってしまうと、銀行等とは比較にならないほどやっかいです。

昔に比べると随分と緩くなってきてはいますが、まだまだ債権回収の姿勢は厳しくて、銀行ほど紳士的な対応ではありません。

督促という手段を簡単に手放さずに、しつこく連絡をしてきますし、仮差押や訴訟等の法的手続きもしてきます。

簡単に債権回収を諦めず、債権の放棄や放置などなかなか望めないのが現実で、この傾向は、規模の小さいノンバンクほど顕著なようです。

こうなると、債務者は精神的に追い込まれ、冷静な判断ができなくなり、対応も中途半端となってネガティブな思考によって答えを求めようとします。

その結果が、破産というなら、まだ良い方なのかもしれません・・・。


ノンバンクからの借入がダメなことは、大抵の経営者は十分に認識をしていますが、現状を切り抜けるために借りてしまいます。

そして、一度借りると、また借りないと資金繰りを確保できなくなり、そこから自転車操業が始まり、借入条件もドンドン悪化し、経営破たんに追い込まれるのが一般的なパターンです。

資金繰りの確保にノンバンクからの借入を利用するのは、短期間の一時的な借入で、必ず返済の目途がある場合だけに限ります。

例えば、得意先の都合で、予定していた入金が遅れて資金が不足したが、必ず翌月に入金されるのが間違いない場合のつなぎ資金ぐらいだということです。

今だけという甘い考えでノンバンクから借りると、その後、資金繰りが大変なことになっていくと理解し、違う方法で資金繰りを確保することをお勧めします

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

          ↓

    トップ経営研究所 ホームページ

 

 

↓ランキングです クリックして応援してください
ランキング人気ブログランキングへ

 

ランキングです クリックして応援してください

          ↓

      にほんブログ村 経営ブログへ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>