建設業者の会社分割・・・


最近は、事業承継が大きな問題となっています

 

息子は、しんどい仕事を継ぐ気などありませんし、後継者となるべき人材を見つけるのも、この求人難の環境では簡単ではありません。

 

また、多くの有利子負債を背負って、経営者は保証人になっている企業も少なくないでしょうから、事業を承継してそんな苦労を背負ってくれる物好きもいないでしょう。

 

しかし、債務超過に関しては、必要な負債だけを引き継ぎ、事業を承継する方法が存在するのです。

建設業のご高齢の経営者は、天を仰ぐしかありませんでした。
事業に全身全霊を注ぎ、今まで頑張ってきました。
それなりの実績を積み重ね、地域ではそれなりに高い評価もいただけるようになりましたが、年齢には勝てません。
自らが現場に立って陣頭指揮できるような体力はなく、数年前から、現場は誰かに任せるしかない状況になっています。
このご時世、3Kの代表業種である建設業に従事しようという若者は少なく、雇用状況は悪化の一途をたどり、仕事はあってもこなすことができないような環境です。
そんな環境の中で、ようやく有為な後継者候補が育ちました。
ここ数年は、番頭として現場を仕切り、若い従業員からの信望もあり、家庭もしっかりしていて後継者としては願ったり叶ったりの人材に思えます。
この後継者候補に、経営者は事業承継の話をしてみました。
望外の話であったようで、後継者候補は驚くとともに目を輝かして話を聞き、前向きに考えたいと言ってくれたのです。
これで、経営者は一安心。
具体的に、事業承継の話が始まり、現場の統括的な状況や財務状況などについても、後継者候補は一生懸命に理解しようという姿勢を見せてくれます。
ところが、ある日、突然に、『この話は、お断りさせていただきたい・・・。』と、後継者候補が申し訳なさそうに返事をしてきたのです。
もう、後継者は決まったと思い込んでいた経営者にとっては、まさしく驚天動地。
後継者候補に、断ってきた理由を確認すると、『実質、債務超過状況に陥っているから・・・』という明確なものでした。
貸借対照表などの財務資料について、友人の税理士に確認してもらったところ、時価に直せば債務超過状況に陥っており、金融機関からの借り入れについても保証人を引き継がざるをえなくなるから、後継者になるのは止めたほうが良いとアドバイスをされたということです。
税理士のアドバイスは、友人として間違っていない的確なものだといえるのではないでしょうか。
しかし、これで後継者問題は振り出しとなり、天を仰ぐしかなくなったのです。
建設業には、経営事項審査という、特殊な経歴・実績という財産があります。
この経営事項審査の評価により、官公需の工事において、入札したり受注したりできる規模や対象が決定され、民需にも影響を与えることが少なくありません。
長い歴史の中で積み上げてきた評価であり、簡単に高い評価を手に入れることはできず、建設業者にとっては宝物のような財産だといえます。
この経営者の会社も、経営事項審査において、他社が羨むほどの高い評価を持っていましたので、経営者は何とか維持したいと考え、事業承継にこだわっていたのです。
実は、会社分割を上手く使えば、経営事項審査を承継させるのは可能です。
しかも、債務超過を解消した形で、負担の大きくない債務だけを承継して、事業と実績を承継することが不可能ではありません。
当然の如く、この取り組みは、簡単な手続きではなく、高いスキルと様々な配慮が必要になりある程度の時間や費用も求められます。
しかし、債務超過の建設業などの企業が、債務超過を解消したうえで、事業だけではなく評価や実績までも承継できるのですから、少々の取組み負担など大きな問題とはならないでしょう。
この経営者の事例においても、会社分割を上手く活用すれば、債務超過や負担のある保証人承継問題など、処理できた内容なのです。
会社分割については、本ブログでも具体的にご紹介をしていきたいと思いますが、事業再生の現場は、この10年で大きく様変わりをしたといえます。
そして、これからも、変化を続ける分野でしょうから、常に最新の手続きを把握しておかないと、損をすることになるのではないでしょうか。

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

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