私の事務所は、商都大阪のど真ん中ともいえる、大阪市中央区東心斎橋というところにあります。
堺筋という大きな通りに面したビルにあり、平日はビジネスマンでごった返し、雑踏とした街だといえるのかもしれません。
しかし、ビジネスマンの休む土曜や日曜になると人通りはずいぶんと減り、年末年始やGWやお盆休みという大型休暇の時期になると、閑散と表現していいほどに変貌する街なのです。
ところが、最近は、お盆の風景も少し変わったように感じます。
つい最近までは、そうだったといえます。
昨日の13日の月曜日、仕事が入っていたので、いつも通りに通勤の地下鉄を降りて地上に出ます。
目の前にある駐車場は、普段なら午前八時頃から満車になっているのですが、やはり今日はガラガラです。
あらためて、お盆休みなんだと思い、歩道に出たのですが、なんと人がいっぱい・・・。
普段と変わらぬほどの多くの人が、大きなキャスター付きカバンをゴロゴロと引っ張りながら、行き交っておられます。
そう、中国や東南アジアからの観光客が、日本のお盆休みなど関係なく、どん欲に闊歩されているのです。
このゴールデンウィークも、同じような状況でしたが、この町の需要は、ここ数年で全く変わってしまったのではないでしょうか。
あの有名な道頓堀筋は、昔、子供心に憧れの場所でした。
大阪に住んでいた私は、誕生日やクリスマスなどの大きなイベントがあると、両親に、道頓堀へ連れて行ってもらいました。
『くいだおれ』や『食道楽』,『とんぼり』などの有名店で、ご馳走を頂いたのものです。
今、思い返すと、贅沢な内容の食事ではなかったように思いますが、道頓堀のお店で、家族が一緒に食事をするのが贅沢だったのでしょう。
食事をいただきながら、横を流れる道頓堀川に揺れ映るネオンを見つめ、日常とはかけ離れた風景が、すごく楽しかったのです。
道頓堀は、夢を刺激するお店が集まった、そんな非現実的な、特別の世界だったのでしょう。
ところが、随分と変わってしまいました。
料理店・レストランや演芸場,映画館などが並んでいた娯楽の通りだった昔の道頓堀は,今は見る影もありません。
今、道頓堀で最も多いお店は、『薬屋』さんなのです。
その次に多いのが、旅行カバンや炊飯器,ウオシュレットなどを売るお店になります。
そう、中国や東南アジアからの観光客向けのお土産を売るお店が、道頓堀を席捲してしまっているのです。
当然、道頓堀を歩くのは、ほとんどが外国人観光客であり、看板などの文字も、中国語やハングル語が多く見受けられるようになっています。
道頓堀に、特別な思い入れがある私にとって、この変化には複雑なものがあります。
しかし、この様な変化は、道頓堀に限ったものではありません。
5年程前まで、東心斎橋近辺の堺筋に面したホテルは2件しかありませんでした。
ところが、その後、外国人観光客目当てで4件がオープンし、現在も2件が新築中なのです。
当然、普段でも、街を行きかうのは外国人観光客が大半で、日本人は隅っこに追いやられたような状況になっています。
正直なところ、我々の街が、外国人観光客に乗っ取られた様な気分です。
外国人観光客が、一気に増加したこの状況を、否定するつもりはありません。
しかし、様々な問題が顕在化しているのも事実ではないでしょうか。
一気に増加しすぎて、受け入れ態勢が構築されていないのが現実であり、そのしわ寄せは関係のない日本人が被ることになっています。
外国人観光客の増加による経済波及効果を受けない日本人は、戸惑いしかないというのが現実ではないでしょうか。
このまま、安定的に推移しない可能性も低くはないでしょう。
行政には、納税をしている日本人のための施策を、責任をもって具体化してもらいたいと思います。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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