不況業者の知恵・・・


本当に、好景気なのでしょうか。
政府の発表だけを見ていると、凄い好景気だと思えます。しかし、最近のマスコミの論評は少し表現が変化しており、不況だと捉えられる場面が増えています。
私のご相談者は経営の厳しい方ばかりなので、話を伺っても、皆さん口を揃えて不況だと言われますし、冷静に環境を見渡しても不況だとしか捉えようがありません。
好景気なのか、それとも不況なのか、相反する情報が錯乱して、何が何だかわかりません。

 

 

そろそろ、アベノミクスに踊らされるのを、見直さなければならないでしょう。

官製景気ともいえるアベノミクスは、政策的に創出された好景気であり、実態の伴うものではありません。

日本全体の景気を底上げするようなパワーなどなく、一時的に、特定の分野や業種に対してだけ、好経営環境を与えたに過ぎないと思います。

現実的に、多くの中小事業者や消費者は、好景気どころか、厳しい環境にさせされ続けているのですから、そんな実体のないアベノミクスに、いつまでも踊らされ、勘違いを続けていれば大変なことになってしまいます。

何故ならば、経済や景気,経営などいった概念は、今、全てが変わろうとしてしているからです。

今まで、長年に亘って構成されてきた概念は、もはや通用しないほどに変化してしまい、蓄積されてきた常識を捨て去る必要があるとさえいる状況になっています。

この事実は、現場の第一線で活躍されているビジネス戦士なら、既に、十分に認識をされているのではないでしょうか。

例えば、パソコンの進化により、我々は高度な印刷技術を手に入れ、自らデザインや校正をして、早く,安く,簡単に印刷物を入手できる様になりました。

その結果、印刷会社に発注する印刷物は激減し、印刷会社は受注機会を喪失することになってしまいました。

印刷会社は、ビジネスの構造的に仕事がなくなる構造不況というパターンに陥ってしまい、この傾向はますます拡大をしていくでしょう。

また、ネットの進化は、小売業のビジネスモデルを根本的に変化させようとしています。

ほぼ、全ての小売業者は、アマゾンに取り込まれるか、廃業するかという選択肢しか残らなくなりつつあるのです。

家に居ながら、楽しみながら安く商品を購入できるネットショッピングは、日用品を始め様々な分野商品にまで広がり、既存の小売販売を大きく侵食しています。

若者を中心とした多くのユーザーが、お店で商品を見て気に入ったものがあれば、ネットで調べて安く購入する様になってきています。

まさしく、ウインドウショッピングとは、意味通りに『見るだけ・・・』という事になりつつあるといえ、これでは小売店は売り上げを確保できません。

この様に、既存のビジネスモデルが否定され、常識が通用しない新たな環境が構築されようかという転換期において、実態の伴わないアベノミクスなど、もはや捨て去るべき過去の遺物ともいえるのではないでしょうか。

 

 

今は、小手先の景気対策が通用するような環境ではなく、経営者は根本的に変化することを要求されているように思います。

現状に甘えて変わらないのであれば、市場から退場するしかないのかもしれません。

 

 

先日、初めてご相談に来られた経営者は、興味深い経営改善方針をご説明してくださいました。

女性カジュアル衣料を中心に、店舗小売販売をされているのですが、ご多分に漏れず、ここ最近はアマゾンなどネット販売の攻勢で業績を悪化されていました。

資金繰りも厳しくなり、顧問税理士に相談すると、弁護士を紹介されて破産を勧められるというほどの状況に陥っておられます。

しかし、何か方法が残されているはずだという事で、私共にご相談に来ていただいたのですが、財務諸表などを確認させていただいた段階で、私は任意整理をお勧めしようと思いました。

それほど、財務面からは、厳しい経営内容だったのです。

ところが、経営者がご説明された経営改善方針をお聞きし、私の捉え方は180度変わってしまいました。

構造不況業種となってしまっている女性カジュアル衣料販売の、問題点を逆手にとって、前向きな武器にしようという考え方であり、以下のように、要点をついた面白い改善方針になっています。

 

1. ドンドンと同業者が倒産する環境を、ライバルが減少しているチャンスと前向きに捉える。 

2. アマゾンを代表とするネット販売に侵食されているのだから、ネットを活用しない高齢層をターゲットにした展開に切り替える。 

3. 販売総量が減少する環境において、仕入メーカーに対して、可能な限りの厳しい要求を突きつける。 

4. 大規模商業モールテナントの大家に対して、テナントが退去傾向にある環境をバックに、大幅な賃料減額を要求する。

以上の大まかな方針について、断固たる意志を持って、再生を目指した経営改善に取り組むと言われるのです。

当たり前の方針に思えるかもしれませんが、全て、不景気や構造不況を、逆手に取った方針になっているのではないでしょうか。

具体的な実施は簡単ではありませんが、結果として大きな効果が期待できる内容になっているのです。

その様な内容で、それほどの強い意志を持って取り組まれるのであれば、十分に成功する可能性があるでしょう。

 

たとえ厳しい経営状況に追い込まれようとも、諦めてはいけません。

少し立ち位置や見方を変え、ポジティブに捉えることにより、新たな展開は開けてくるものだと思います。

 そして、産業革命に並ぶという経済の転換期において、我々は、常識を捨ててでも、変化するという意識を持つ必要があるのかもしれません。

ここまでくれば景気は関係なく、前向きに頑張るしかないのです。

 

 

 

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