状況認識の甘さが・・・


時代が変わったのでしょうが、我々の感覚では、なかなか付いていくのが難しい環境になってしまったのかもしれません。

簡単に処理できる、些細なことだと思っていたことが、とんでもなく大きな事件に発展してしまう可能性のある時代になってしまっているのです。

日大アメリカンフットボールの内田監督も、時代の変化を理解できずに、大きな問題の主人公となってしまったのではないでしょうか。

この事件は、経済人である我々にとっては、危機管理対応においての貴重な生きた教科書とすべきなのかもしれません。

『人の振り見て我が振り直せ』と申しますが、我々は、あらためてこのことわざを重く受け止める必要があると思います。

 

先日、子供のPTAの関係で、学校の先生とプライベートでお話をする機会があり、ちょっと驚くお話を伺いました。

私立の学校なのですが、父兄からPTAの会費についてクレームがついたそうです。

授業料は支払うが、任意のPTA会費について支払うという同意はしてないので、PTA会費は支払わないというクレームです。

会費は僅かな金額であり、使用使途は子供である生徒たちのためであり、公立ではなく私立学校でのことですから、今までは当たり前のように通用していたシステムであり、子供のことを考えれば反対をする理由などないように私には思えます。

そんなことでも、クレームをつけるご父兄がおられることに驚かされるのですが、時代が変わったということなのかもしれません。

我々が子供のころ、学校の先生やお医者さんにクレームをつけるなど考えもしませんでしたが、今は、そんな先生方にクレームをつけることなど珍しくもないそうなのです。

その私立高校は、適切な対応を取られ、大きな問題にはならなかったようですが、こんな時代ですから、我々経済人も、いつ突発的に発生するかもしれない危機に対応すべく、危機管理対応を身に付ける必要があるのでしょう。

 

様々な問題が、日々発生をしているのですが、その対応の違いにより、結果は大きく異なってしまいます。

危機管理対応として、成功する事例があり、失敗する事例もあるのであれば、何故、そんな差のつく結果になるのかについて学ばなければなりません。

そんな状況において、日本一のマンモス校である日本大学は、2016年に危機管理学部を発足させました。

時代が求める、将来性のある学部の開設です

さすが日大ということなのですが、そんな日大が、反面教師として、最悪の危機管理対応を見せてくれましたから、教育者として称えるべきなのでしょうか・・・?

ご存じのように、関西学院とのアメリカンフットボール対抗戦における反則タックルの問題で、これ以上ないというぐらいの最低の危機管理対応してしまったのです。

危機管理対応の専門学部を持った日大が、その場面における最悪の答えであろう選択を積み上げ、我々素人でも犯さないだろうミスを繰り返しました。

たしかに、我々は危機管理対応の素人ですが、日々、経営面において、多かれ少なかれ危機管理対応をしているものです。

代表的なのはクレーム処理や関係者との交渉という場面になるのでしょうが、日常の業務において経験し、知らず知らずのうちに最低限のスキルは身につけているのだと思います。

そんな素人である我々が、日常の業務と日大の対応を比較し、基本面においても指摘すべき点は多々見受けられます。

まずは、日大の状況認識は甘すぎ、ネット社会であるという認識もなかったというのが大きいように思います。

いわゆる隠蔽の通じない世の中になっており、嘘をついても瞬時に情報として拡散をしてしまうという現実です。

この状況を理解していないために、中途半端な対応が繰り返され、内容のない応答に終始したのではないでしょうか。

我々の業務において、状況認識の間違いは、即座に倒産に直結してしまうでしょう。

また、日大の監督やコーチ、さらには広報担当者に、問題を起こした当事者としての意識が低すぎたようにも思います。

認めるところは素直に認め、真実のみを説明し、謝罪すべきことを謝罪しなければならないのに、責任転嫁に終始するというのは論外でしょう。

危機管理対応の入門編であるクレーム対応において、我々は、どれだけ誠意と事実を伝えられるかというのが大事なのです。

そして、今回の日大の問題で、最も大きな危機管理対応の失敗は、全てが後手に回ったという事ではないでしょうか。

6日の試合で反則タックルが発生して、SNSで画像が一気に拡散して大問題になったのに、日大が具体的な対応をとるまで2週間ほどが経過してしまっています。

我々の世界でも、クレーム処理の交渉は、先手をとれるかが勝負の分かれ目となるのに、あまりにも対応が遅すぎるでしょう。

問題としての認識がなかったのかもしれませんが、中小企業がこの様な対応をすれば即死してしまいます。

 

他にも、日大の危機管理対応における失敗理由は多々あるでしょうが、経営においても凄く参考になる事例であり、反面教師として勉強しなければなりません。

中小事業者の日常において、クレーム対応を成功させるために、日大の事例を参考にすると、以下のように危機管理対応のポイントを要約できるのではないでしょうか。

  ① まず、置かれている状況を正確に認識する。

  ② 交渉先などの、相手の立場で対応を考える。

  ③ 常に、先手を打って対応をする。

  ④ 対応においては、誠意を精一杯に見せる。

  ⑤ 真実を話し、責任転嫁は絶対にしない。

ポイントは、以上のように絞られるのでしょうが、実は、この5点のポイントは、融資やリスケジュールの取組においての、金融機関との交渉のポイントでもあるのです。

 

 

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