倒産に至る原因が、変化してきたように思えます。
最近の経済の構造変化とともに、今までの常識が通用しなくなっている様にも感じます。
経営危機打開という、実学の現場体験の限定された特殊な環境で感じるのですから、実際はより顕著にその傾向が表れているのではないでしょうか。
我々、高齢のビジネスマンは、この変化に対応するのは大変ですが、理解し変わろうという姿勢を持たなければ、置いてけぼりになってしまうのでしょう。
ここしばらく、倒産や資金繰り悪化といえば、過剰な有利子負債が根本的な原因だというのが当たり前でした。
収益は、確保できているのですが、借入金の元本返済負担が重く圧し掛かり、資金繰りを破たんさせているというパターンです。
好景気や不景気に関係なく、バブル崩壊期以降においては、ほとんどの倒産事例において有利子負債の過剰負担が指摘されていました。
様々に倒産の原因が指摘されても、結局は決算書に出てこない借入金の元本返済が、倒産の引き金だったといえるでしょう。
収益などは、倒産の原因としては微々たるもので、黒字倒産など珍しくもなかったのです。
ところが、最近、その倒産や資金繰り悪化の原因が変わってきました。
有利子負債の負担が原因とは考えられないような、珍しい倒産事例が見られるようになってきたのです。
借入金などほとんどないのに、純粋に収益性が低下して、資金繰りを悪化させて倒産に至るというパターンになります。
収益性は、経営努力により改善できる可能性が低くありませんから、収益性の低下だけが理由で倒産するという事例は、現実的にはそれほど多いものではなかったといえます。
しかし、そんな収益性の低下が原因と思われる事例が、最近は、珍しくなくなってきたようなのです。
たしかに、この様な傾向は、数年前から見受けられるようにはなっていました。
機械関係メーカーの下請けの製造業を中心に、収益性が極端に悪化し、経営の本体を傾けるという事例が増えていたのです。
メーカーなどの発注者が、金額をより効率的に精査し、厳しい発注単価を設定するようになっていました。
下請業者は、受注単価の決定に関与する権利を喪失し、言われるがままの金額で受注するしかなくなり、収益性の確保が難しくなってしまったといえます。
最近は、この様な傾向が、業種を超えて広がってきたようなのです。
衣料品製造関係や、建設業において、収益性の低下を原因とする経営悪化が複数事例見受けられるようになってきました。
製造業と同じ仕組みで、衣料品業界や建設業でも、発注者の要求する単価が際限なく厳しくなっています。
その結果、下請負企業の収益は純粋に悪化し、利益の確保が難しくなり、資金繰りが悪化するという、倒産に至る本来のパターンに陥っているのです。
バブル崩壊以降は、借入返済負担による資金繰り悪化が、倒産原因の中心になっていましたが、アベノミクス景気がもてはやされている好景気環境において、収益性の低下に変化してきたといえます。
この事実は、様々なことを物語っているのではないでしょうか。
ある意味では、ようやく、バブル経済の後遺症から、抜けられたといえるのかもしれません。
同時に、アベノミクス経済の実態も見えてきます。
アベノミクスが好景気といわれるのは、末端に負担を押し付けたから成り立っているといえるのではないでしょうか。
そう、大企業やメーカー,元請負企業などに収益を寄せ集め、アベノミクスの好景気を実現しています。
その寄せ集められた収益は、本来は末端下請け企業や地方の企業にも、割り当てられるはずのものだったのです。
本来は割り当てられるはずであった僅かな収益も取り上げられ、末端の企業は、利益が確保することが難しくなりました。
利益を確保するどころか、損失をいかに抑えるかという状況になってしまっているとさえいえるでしょう。
他にも、過去には見られないような、景気経済へ直接的に大きな影響を与える要因は存在します。
グローバルな経済構造が、劇的に変化しているのは、日本経済に大きな影響を与えているでしょう。
新興国の勃興や為替の変化は、常識的に容認できない範囲になり、流通を逆転させようとさえしています。
さらに、AIなどの新技術が大きな影響を与え出しており、経済構造を激変させようとしています。
経済構造が、これほど短期間に、極端に根本的に変化するというのは、想像さえもできるものではなかったでしょう。
こんな激変の時代に、今までの常識で経営に取り組んだら大変なことになってしまいます。
変化していく経営構造の中で、経営を考えて対応するしかなくなっているといえます。
為替やAIなど関係ないなどと思うことなく、こちらから、理解し変わろうとする姿勢が大事なのでしょう。
我々の持つべき常識は、確実に変化しています。
歩み寄れなければ、倒産するしかない時代になっているのかもしれません。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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