物上保証で自宅を処分・・・


主債務者が金融事故を起こすと、その保証人たちは、様々な、理不尽な目に合うことになります。

納得できないことが沢山あるでしょうが、最後には、ルールだから仕方がないと諦められることも多いのではないでしょうか。

しかし、具体的な対応策について調べないまま、諦めようとされるのは危険で勿体ないと思います。

理不尽の先に、救済策が存在することが、この様な場面では少なくないのです。

 

弟から、どうしても頼むとお願いをされ、弟の経営する会社が金融機関から借入をするときに、父から相続した土地と、その上に建築した自宅を担保として提供をしました。

その時は、まさか、弟の会社が倒産するなど想像もしていません。

ところが、それから2年後、弟の会社は業績が悪化し、金融機関の返済ができなくなって期限の利益の喪失をし、破産こそしていませんが実質倒産状況となってしまったのです。

債権者である金融機関からは、当然、担保となっている自宅を処分するように迫られます。

色々と悩みましたが、1番抵当である住宅ローンも少し残っており、とても肩代わりして弁済する資金などもありません。

仕方なく、担保となっている自宅の土地・建物を任意売却で処分し、金融機関へ弁済をしました。

弟の事業とは何の関係もないのに、担保として要求され、挙句に処分までしなければならないとは、物上保証とは何とも理不尽な制度だと思います。

しかし、これもルールだと割り切り、諦めようとしていた時に、次の理不尽な大きな問題が転がり込んできました。

自宅不動産を売却したことによる、税金の問題です。

自宅建物は、購入原価よりも低い売却価格でしたので譲渡税はかかりませんが、自宅土地は父親からの相続したものですから、莫大な譲渡税が発生する計算になるのです。

他人の借金のために自宅を処分することになり、さらに、譲渡税まで発生するというのでは、余りにも理不尽な話だといえます。

理不尽さに怒りを覚えながらも、これもルールだから仕方がないのか思っているときに、友人が『課税の特例』という興味ある話を教えてくれました。

正確には、『保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例』であり、この適用を受けると、譲渡はなかったものとして取り扱うことができるのです。

具体的には、保証した他人の債務が事故になり、その保証債務を履行するために資産を処分した場合に、求償権が請求できない状況であれば、その該当する金額が申告により譲渡がなかったものとみなされて課税されないという特例になります。

求償権とは、債務者に成り代わって、保証人などが弁済した場合に、その弁済額を債務者に請求できる権利のことですから、この事例の場合だと、求償権は請求できない状況ということになります。

そうすると、この課税の特例を利用することで、自宅を任意売却したとことによる譲渡税は発生しないことになるのです。

たしかに、この状況で譲渡税まで払わされれば、余りにも理不尽すぎるといえますが、さすがに救済策は用意されており、知ることにより救われたということになるのでしょう。

 

この、『保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例』の活用については、細かい留意点が様々に存在しますので、税務署や税理士などの専門家と事前に相談をしたうえでの活用をお勧めいたします。

ただ、私の経営危機コンサルタントとしての経験則から、この課税の特例を利用するための条件は以下になります。

  1. 期限の利益の喪失をして、金融事故になった債務である。

  2. 主債務者は明確に破綻状況であり、求償権を実行できない。

  3. 債権者である金融機関から、債権回収のための売却を支持された。

  4. 売却により、債権者金融機関が、代物弁済の領収書を発行する。

判り易くまとめれば、この4点を満たすことで、この課税の特例を使えるのではないでしょうか。

 

弟の物上保証をしたことにより、自宅は処分することになりましたが、さらに譲渡税まで支払うという理不尽さからは、この課税の特例を活用することで救われました。

そして、この課税の特例は、自分の経営していた会社が債務者で、代表者が物上保証をしている場合にでも、活用は可能となります。

税理士さん等と、しっかりと打ち合わせをして、有効に活用をしてください。

 

 

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