事業を諦め、整理をしようとされる経営者は、この厳しい苦境から逃れることさえできればいい、それだけの理由で整理をしようとされます。
精神的に追い込まれた中での判断になりますから、事業の整理後の対応などは視野に入っていないでしょう。
しかし、事業の整理においては、整理した後のことまで配慮して対応することが大事なのです。
結果論として、良い事業整理といわれるものは、整理後を理解して取り組み、大きな問題を発生させずに、スムーズに処理を終えることのできる整理なのです。
整理に関する手続きが、様々に煩わしいのは当たり前です。
手段が、破産であろうが、任意整理であろうが、事業を整理する訳ですから、債務の処理や利害関係人との対応において、雑多な処理が発生します。
せっかく、地獄の資金繰りから解放され、少しは精神的に余裕を取り戻すことができるかと思っていても、簡単に開放されるものではないのかもしれません。
できるだけ早く処理を終わらせて、不安をなくして、次の人生のスタートを切りたいものですが、こちらの都合だけで進むものではないのです。
破産を選択している場合は、次の人生の確保ができていないことがほとんどです。
何も準備せずに破産を選択し、破産後は管財人に振り回されることにもなりますから、生活を確保することさえ大変になります。
破産により新しい人生をスタートしても、バラ色にするのは簡単ではありません。
任意整理を選択した場合は、整理後においても、債務者である当事者として対応することが前提となります。
債権者金融機関や信用保証協会,サービサーなどと、ある程度の期間に亘り対応を迫られ、最終的に処理が終了するには時間がかかり、中にはエンドレスの対応になることさえあります。
ところが、驚くほど早い段階で、全ての債務処理が終了する事例も珍しくないのです。
なぜ、早く処理が終わるのか、それは、整理後の展開を理解し、しっかりとシミュレーションまでして、準備し対応をされているからだと思われます。
AさんとBさんは、同じ頃に、金融機関からの借入が期限の利益の喪失をして、同じ様に事業を任意整理もしたのに、その後の処理が全く違ってきているのです。
Aさんは、今でも、信用保証協会から定期的に呼び出しを受けたり、サービサーからの回収に晒されたり、債権者からの追及を受けておられます。
しかし、Bさんは、数年前から、債権者の追及を一切受けない状況になっておられます。
決して、弁済を継続していたり、完済をしたというわけではなく、ほとんど弁済はしていないのに、追及は止まっています。
これは、時効の期間を完成させたり、安価でサービサーと和解をしたりして、現実論として負債が消滅し、債権者が請求をする根拠を喪失しているからなのです。
整理をするにおいて、その目的をしっかりと理解しておく必要があります。
目的が、任意整理をすることであれば、いつまで経っても最終処理はできないでしょう。
任意整理に着手することで目的は達成されるのですから、次の段階の準備などできているはずはありません。
整理の目的を、スムーズに債務処理を終わらせることにすれば、整理後の対応が目的になりますから、その後をシミュレーションしたうえで、具体的に債務処理する手段を視野に入れて対応することになります。
日本政策金融公庫に債権回収を諦めてもらったり・・・
サービサーと安価で和解をしたり・・・
信用保証協会の債権は時効を完成させたり・・・
ここまで視野に入れて、準備をしておくことが大事なのです。
Aさんは、せっかく、上手に任意整理をされたのに、その場を凌ぐことだけを考えていて、その後の準備がなされてなかったのです。
任意整理は一瞬ですが、その後の人生ははるかに長く続きますから、その後の展開をしっかりとシミュレーションした任意整理を実施すべきだったのです。
目標は、整理をすることではなく、整理後の新しい人生をスムーズにスタートすることにおいてください。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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