保証協会の代位弁済後・・・


最近は、信用保証協会の対応が随分と変わりました。

信用保証協会の保証は、責任共有の80%保証を基本として、金融機関にも20%のリスクを求めるようになり、ノーリスクの融資で金融機関が儲けていたシステムについて、根本的な見直しがされようとしています。

また、債権回収姿勢も柔軟になり、代位弁済をされた債権回収についても、債務者の状況を考慮するなど対応は変化しています。

今まで、信用保証協会に資金繰りを頼ってきた中小零細事業者は、信用保証協会のこれらの変化を理解しておかないと、事業の維持が難しくなってしまうのかもしれません。

 

昔は、信用保証協会に代位弁済をされるのは当然のこと、信用保証協会の保証付き融資を受けることさえ、抵抗を感じる経営者が少なくありませんでした。

金融機関のプロパー融資が難しく、信用保証協会の保証がなければ融資など出来ない厳しい経営状況だと判断をされたことになるからです。

ところが、そんな中小零細事業者もバブル経済崩壊後は、信用保証協会の保証付き融資に頼って資金繰りを確保するのは当たり前のことになりました。

そして、最近は、信用保証協会の代位弁済にさえも、経営者の抵抗感が希薄になってきたように思われます。

まるで正常な経済行為であるかのように、資金繰り確保のために、代位弁済を勧める専門家さえ存在します。

たしかに、上手くいけば、毎月の弁済額は大幅に減少し、支出の面で資金繰りが楽になる可能性がありますから、立派な資金繰り対策になるのかもしれません。

しかし、代位弁済をされるということは、不良債権になるということを忘れないでください。

借入が期限の利益の喪失をして、金融事故として扱われる様になって、初めて代位弁済をされるのです。

したがって、資金繰りを楽にするための能動的な代位弁済は、任意整理をしているという意味合いになります。

債務者として、一時的に資金繰りは楽になると思いますが、基本、新たな借入をすることはできません。

代位弁済をした信用保証協会も、求償権を持った債権者として、当然の如く、債権回収をしてくるでしょう。

当然の様に、債権全額を一括で弁済するように要求してきますし、余剰不動産を担保として要求したり、処分を迫ってくるかもしれません。

これらは、不良債権を持つ債権者としては、当たり前の行為ですから、当初から予測できることになります。

不良債権化の先に代位弁済があり、債権回収を迫られるという現実を、しっかりと認識しておかないと、代位弁済のデメリットに翻弄される可能性が有るのです。

 

代位弁済後、信用保証協会の債務者に対する姿勢は一定ではありません。

先ほどご説明したように、厳しい債権回収をされる債務者があれば、ほとんど追及を受けない債務者もおられます。

この違いは、債務者の置かれている状況により、信用保証協会の債権回収姿勢が大きく変わるということになります。

したがって、債務者が代位弁済に求めるメリットを確保するには、信用保証協会の債務者に対する姿勢を決定する要素を理解しておけばいいのです。

この要素は、次の2点に集約出来ることになります。

まずは、信用保証協会に対して、代位弁済された債務者として、誠意をもって対応しようとしているのかということ。

そして、現実に、債務者として、信用保証協会に弁済できる余力があるのかということです。

色々な要素が有りそうですが、この2点に集約して考えるだけで十分でしょう。

したがって、代位弁済後の信用保証協会との対応において、債務者は次の様に対応をしてみてください。

まずは、精一杯の誠意を見せることです。

代位弁済をされたことに対して、迷惑を掛けて申し訳ないという思いを伝え、何とか完済を目指し迷惑を掛けないという意思を伝えてください。

次に、債務者としての現状を具体的に説明することが求められます。

代位弁済をされる様な厳しい資金状況にあり、現在において弁済余力はないが、再生を目指して改善に取り組んでいるので、近い将来においてそれなりの弁済が出来るだろうという現状を説明するのです。

そして、だから、協力をして欲しいというお願いをすることになります。

いずれは弁済を目指すが、今はこんな状況だから満足な弁済はできないので、暫くは協力してほしいというお願いをしてください。

この様な流れで対応することにより、信用保証協会の対応は人間的になり、代位弁済のメリットを享受することが出来るようになるでしょう。

 

第1印象が大事だといいますが、信用保証協会との対応においても同じことがいえます。

信用保証協会に代位弁済をされ、最初の交渉において、この様な前向きで誠意ある対応ができれば、信用保証協会もそれなりの対応をとってくれるようになり、代位弁済に価値を見出せるでしょう。

代位弁済後の、最初の交渉が全てなのです。

昔とは違い、今は、債務者の状況や対応次第で、信用保証協会の対応は根本的に変わります。

 

 

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