昔から、理想とする中小零細企業の経営者夫人について、様々に語られてきています。
いろんな考えがあるでしょうが、なかなか一つの形に集約するのは難しいと思います。
経営者の考えや、事業の内容により、求めるものは必然的に変わりますから、理想の経営者夫人についての答えを出すのは簡単ではありません。
しかし、経営危機に陥った中小零細企業においてという条件設定をすれば、私には自信を持ってお勧めできる理想の経営者夫人像があります。
仕事上、多くの経営者のご夫婦を拝見してきました。
資金繰りが厳しくなった経営状況ですから、経営者といえでも贅沢などできるはずもない環境です。
中には、生活費さえも満足に確保できていないような家庭もあります。
そんな厳しい環境で、夫婦関係はどうなってしまうのでしょうか。
事業の崩壊とともに、夫婦関係も崩壊するだろうと考えられる方が多いのではないでしょうか。
たしかに、そんな悲しい結末を迎えてしまうご夫婦もおられます。
夫婦関係が冷えるのは当然のこと、事実上の別居や、結果としての離婚をされる方もおられるようです。
中には、私の目の前で、『これからの私の人生をどうしてくれるのよ!』と、ご主人を罵倒された奥様さえおられます。
今まで、大きな自宅に住み、外車を乗り回し、海外旅行や豪華な宝飾品など散々に贅沢を尽くしてこられたのは、ご主人が頑張られたからなのです。
そのご主人が、事業の資金繰りに追い回されて弱っているときにこの罵倒ですから驚きます。
たとえ夫婦といえども、金の切れ目が縁の切れ目ということなのかもしれません。
経営危機に陥った時の、夫婦関係の変化については、私の知る限り色んなパターンがあります。
しかし、この様に、夫婦関係に決定的な亀裂が入ってしまう事例は、実は多くはないのです。
今まで、1000件を超えるご相談をさせていただきましたが、ご相談後に離婚まで至ったご夫婦は10組もないと思います。
離婚をされてから、ご相談に来られた方は少なくありませんが、それは、今後の展開が判らず、不安にご夫婦の思考が支配され、その逃避からの結果としての離婚だったろうと思います。
資金繰りが悪化しようと、その先の展開が読めれば、たかだか経営危機ぐらいで離婚する必要などないのです。
しかし、たとえ、今後の展開が読めても、関係が冷えてしまうご夫婦は少なくはないようです。
経営危機により、今までとは生活が一変してしまいますから、奥様がご主人に対して冷たく変化してしまって仕方がないのかもしれません。
ただ、そうなった場合、今後の展開は難しくなり、良い結果を期待できなくなります。
経営危機という厳しい環境において、経営者であるご主人は、事業の維持に四苦八苦して心身ともに疲れ切っているはずです。
会社で疲れたご主人が、その疲れを癒せることが出来るのは、家庭であり奥様しかありません。
ところが、家庭には温かみがなく、奥様は冷たい対応しかしてくれないのであれば、ご主人という経営者は逃げ場を失ってしまいます。
そうなることが怖くて、経営が厳しいことを奥様に言わない経営者も少なくはありませんが、いずれは絶対に判ってしまうことなのです。
経営危機状況に陥り、その環境で頑張っておられるご夫婦を拝見して、これぞ理想のご夫婦だなと思うことは少なくありません。
そして、ひたむきに経営危機を打開している経営者の後ろには、やはり理想的な中小零細企業の経営者夫人がおられるのです。
そんな奥様には、いくつかの共通点が存在するように思います。
いつも笑顔で明るく前向きに対応される・・・
決して出しゃばらないが、常にご主人を優しく支えている・・・
意味のないプライドなど持ち合わせていない・・・
こんな共通点があり、そんな奥様がおられる経営者は、明日の人生を失うことなどないように思います。
そして、私が自信を持ってお勧めできる中小零細企業の経営者夫人像でもあります。
経営危機でこそ、夫婦の健全な関係は重要であり、奥様の優しさや温かみがご主人に必要なのだと思います。
今まで、散々に放蕩をしてきたご主人かもしれませんが、しょせんは夫婦なのですから、お二人の人生のために、一緒に前を向くことが必要なのです。
そして、こんな経営危機でこそ、人としての真価が問われるのではないでしょうか。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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