任意整理への取り組み・・・


倒産というプレッシャーに押し潰されそうになる経営者にとって、明日に希望をつなぐことのできる最後のチャンスが任意整理の選択なのかもしれません。

倒産の手続きで信頼を喪失せずに、事業を維持することもむ可能であり、さらに生活も安定的に確保できるかもしれないという可能性を秘めた手続きが任意整理なのです。

経営者が、自ら明日を創り出すために、任意整理を選択して前向きに取り組むことは大きな意味があります。

良い結果を得るため、任意整理の基本的な流れについてご紹介をしたいと思います。

 

任意整理に取り組む流れについて、順を追ってご説明いたします。

   1. 任意整理の理解

当たり前のことですが、まずは、任意整理がどういうものなのかを、しっかりと理解しなければなりません。

破産などの、他の手続きとの違いや、メリット・デメリットについて認識したうえで、任意整理を選択し、前向きに取り組むことが大事です。

 

   2. 任意整理着手前の準備

任意整理をするということは、実質的には、経営破綻をするということになります。

今後の事業や人生を考え、これからをシミュレーションしたうえで、着手する前の準備が必要になります。

事業を維持するための準備や、自宅などの必要不可欠な資産を守るための準備、そして、従業員などの社会的弱者を守るための準備などについて、任意整理を実施する前にしておくことは少なくありません。

大変ですが、その準備が、任意整理を効果的な手続きにするのです。

 

   3. Xデーの設定

Xデーとは、商取引債権者等に整理を告げ、残債務の支払についての交渉を開始し、整理に本格的に着手するタイミングのことになります。

具体的には、金融機関への返済を止めた時とか、債権者集会を開催した時ということになります。

そして、このXデーの設定が、任意整理の成功の可否を左右するといっても過言ではないでしょう。

いつ、どのタイミングでXデーを設定するかで、従業員や仕入先等の商取引債権者、そして借入をしている銀行などの金融債権者の対応は大きく変わりますので、様々な要素を検討してXデーを設定する必要があるのです。

手元資金の状況や支払の状況、さらには売掛金の状況等を勘案しながら、慎重にタイミングを図ることが求められます。

そして、設定したXデーを中心に、具体的なタイムチャートを作成することが、任意整理を成功へと導きます。

 

   4. 債権債務の確認

任意整理とは、債権を整理することが目的の手続きですから、まずは債権について把握する必要があります。

任意整理の開始段階における、商取引債権や金融債権などについて、具体的な状況を詳細に亘るまで理解することにより、任意整理の方向性が決まってくるのです。

特に、我々の任意整理においては、商取引債権を優先して処理するというのが大きな目的になりますから、後々、大きなクレームを発生させないためにも、商取引債権債務については正確に把握してください。

 

   5. 債権債務の処理

事前に債権の全容を把握することにより、任意整理における、可能な配当率や配当方法を策定します。

策定においては、仕入先等の商取引債権者を優先する前提で、できるだけ負担を残さない処理を目指すべきでしょう。

商取引債権について、もしも残債権が残った場合は、残債権については債権放棄承諾書作成して債権放棄をしてもらう流れになります。

また、全ての債権を処理出来る財務状況ではありませんから、債権処理には優先順位を付けることを前提とする手続きです。

したがって、もっとも後順位になる、金融債権については、残債が膨大であるため、一時的に棚上げということになり、任意整理後に、交渉により可能な範囲で少しずつ弁済するという流れになります。

また、債権者への具体的な告知方法については、任意の債権者集会の開催が、手続きをもっともスムーズに進める手段になると思います。

 

   6. その後の対応

債務者である事業者は当然のこと、保証人である経営者も、弁済すべき原資は枯渇している状況での任意整理だと思います。

そんな状況で、金融機関等の残債件が残った場合、その後も回収という債権者の対応は続くことになり、債務者としては不安を抱くことになるかもしれません。

しかし、債務者は『無い袖は振れない』状況であり、債権者が債権回収する最終手段である強制執行さえも効果のない状況になっているでしょう。

その事実を十分に認識して対応することにより、その後の対応に不安を持つ必要はなくなるのです。

債権者への残債権の弁済は、あくまでも債務者がイニシアチブを握って、可能な範囲で対応すべきなのです。

 

   7. 休眠・精算手続きの着手

商取引債権者等との交渉が合意し、任意整理の手続きが進めば、その先には具体的に法人などの事業形態を整理する手続きに移ることになります。

最終の整理方法については、何もせずに放置という選択肢もありますが、対税務面等を考慮しけじめをつけた方が、将来的には楽になります。

税務上の休眠扱いを受け、同時に清算の着手を実施することにより、最終処理が明確になり、その後の対応の方向性が確定します。

 

上記が、任意整理の基本的な流れになります。

何度も申し上げた様に、任意整理は簡単な手続きではなく、様々に配慮すべき留意点があります。

取組みが煩雑なために、チャレンジをせずに諦めてしまわれる経営者も少なくありませんが、基本的な流れに則って進めれば、十分に取り組み可能な選択肢だと思います。

その成果を考えれば、前向きに取り組むべき選択肢でありますし、ポイントを理解することで取組みが容易になることも間違いありません。

次回のブログでは、任意整理を成功させるポイントについてご説明したいと思います。

 

 

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

          ↓

    トップ経営研究所 ホームページ

 

 

↓ランキングです クリックして応援してください
ランキング人気ブログランキングへ

 

ランキングです クリックして応援してください

          ↓

      にほんブログ村 経営ブログへ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>