モチベーションを維持した経営改善・・・


 

事業再生における多くの専門家は、必ずと言っていいほど経営改善への取組みを勧めてきます。

着手金ともいえる高額の『デューデリジェンス』や『経営改善計画』の策定費用をいただき、その後も、長期に亘って高額のコンサルタント費用を頂戴されるわけです。

そして、専門家は、『 私の指導する通りに経営改善を実行すれば、会社は再生できますよ! 』と言われることだろうと思います。

しかし、そんな言葉を信じて、中小零細企業の経営者は大丈夫なのでしょうか。

 

現在は、事業や会社を再生させる様々な組織が存在します。

公的機関としては、中小企業再生支援協議会や地域経済活性化支援機構等があり、それに付随する形で認定の支援機関があり、私的な機関としては事業再生士などのコンサルタントがおられ、専門家を探すのは難しくない環境になっているのです。

そして、そういう流れの中で、最近は専門家である支援組織に対応を依頼する事例が増えてきた現実があります。

理由は、債権者金融機関が、積極的に支援組織に相談をすることを勧めるからです。

本来は、金融機関自身で、債務者企業の経営改善に取組む様に、金融庁などが指導をしているのですが、何分にも忙しくてそんな暇はありませんから、専門家を紹介して経営改善に関わる対応を依頼するのです。

そうすることにより、金融機関は負担を背負うことなく、専門家という第3者機関から、債務者の正しい経営情報が得られますし、コンプライアンスも確保出来るということになります。

債権者と債務者、そして再生支援機関という3者が、上手く補完しながらそれぞれの目的を確保できるということになっているのです。

ところが、この3者の関係は、建前的なものに終始し、目的を達成できない形骸化したものになっているのが現実なようです。

経営改善が、計画通りに進む事例が少ないのです。

ある程度の規模の中小企業では、経営改善が成功する事例もありますが、本当に経営改善が必要な小零細企業においては、ほとんどが失敗しているといえます。

専門家の支援組織に対応を依頼する目的は、経営改善への取組みになりますから、失敗をするということは経営改善が進まないということです。

ところが、経営改善が進まないどころか、状況を悪化させている事例も少なくありません。

経営改善計画が机上の空論だったということになるのでしょうが、当初にデューデリジェンスを実施して、経営改善をすれば再生は可能であるという判断をくだし、プロとして取組んでいるのです。

しかも、高額の報酬を得たうえで、再生に向けて取り組んでいるのですから、失敗など許されるはずはないのですが、当たり前のように失敗が繰り返されています。

 

私どものご相談者でも、そういう再生支援組織に対応をお願いされている方は少なくありません。

何故、私どもに相談しながら、その様な組織にも相談をされるかというと、返済猶予については効果的であるということと、時間的猶予を稼ぐのが容易になるということが挙げられます。

セカンドオピニオンという色合いは確かにありますが、具体的な経営改善に期待するのではなく、対金融機関のために依頼しているということです。

ある意味ライバルになるのでしょうが、その立場から支援組織の対応を見ていて、もっとも気になるのが『人の気持ち』を斟酌しないということになります。

経営危機の環境では、従業員や仕入業者という社会的弱者も大きな負担を背負うことになります。

収入が減少するという直接的な負担から、将来の不安という間接的なものまで、様々な不安を背負わすことになるのですから、この点について経営改善作業おいては最大限の配慮が必要になります。

もしも、給料をカットするとしても、十分に状況を説明し、これからの取組みを理解してもらったうえで、1度だけで終わらせるべきなのです。

給与面のリストラは1度だけで終わり、これで今後の資金繰りは確保できて、将来的な展開も描けるようになるということを、膝を交えて納得できるまで話した上で実行しなければならないと考えてください。

この場面では、不安を払拭して安心を与えることが出来なければ、従業員のモチベーションは低下し、経営危機は悪化することになってしまうのです。

何度も雇用面や給与面でリストラを繰り返せば、従業員のモチベーションは下がり、作業効率は大きく低下するでしょうし、精神的な不安から信用不安を流出させてしまうことになってしまいます。

だから、給与面のリストラは1度だけで終わらせるべきなのですが、専門家は逆の方向を要求します。

専門家の経営改善は、販売管理費に関わる費用の圧縮に終始することが多く、特に雇用面で厳しい要求をしてきます。

経営危機では、従業員に賞与を出すのはとんでもない、給与はカットして当然だという考えで取組んできます。

しかも、業績が上がらなければ給与カットを求め、経営改善が進まなければ雇用カットを求めてきますから、従業員のモチベーションは下がるしかありません。

こうなると、経営改善は前に進むはずがなく、経営状況は更に悪化して、その責任は経営者に押しつけられるということになるのです。

専門家に経営改善を依頼するというは、経営危機を始めて経験する経営者にとっては、最善の選択になるのかもしれません。

しかし、多くの専門家は、経営のプロではなく、マニュアルに沿った計画を策定して、通り一遍の実施しかできないと考えるべきなのです。

常に内容や状況をチェックし、経営者の立場から修正をしていかなければなりません。

最後に責任を押し付けられるのは、経営者なのですから・・・。

 

 

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