様々な状況におかれたご相談者に、それぞれの状況に合わせたコンサルタントをさせていただいた実績は1500件を超えました。
全てのお客様が、それぞれに事情をお持ちで、全く同じパターンの解決事例など無いのが現実ですが、参考のために代表的な解決事例をご紹介します。
得意先の大手服飾会社が倒産し、急激に資金繰りが悪化した服飾製造業の会社社長が飛込みで相談に来られました。
当初のご相談内容は、経営の続行が不可能であるので、下請けの連鎖倒産を防ぐために任意整理をしたいとのことでした。しかし、状況を確認してみると、このまま整理をすると下請けには支払いがほとんど出来ないことや、今後の対策が何らとられていないことが判り、先に金融機関と金利の支払い停止も含めたリスケジュール(返済条件の変更交渉)を実施し、その間に
第二会社
の設立や
任意整理
の準備を進めました。
5ヵ月後、任意整理を実施し、下請けには18%の配当で債権放棄の承諾をとり、経営者は第二会社で事業を再生され、現在も順調に事業を展開されています。
当社のセミナーを聞かれた方が個別に相談に来られました。
建設専門業種の下請けが中心の会社で、実際の経営責任者である常務の長男がご相談者です。
長年の建設不況が原因で借入が大幅に増加し、返済のための借入を繰り返している状態でしたが、常務が事業意欲が非常に高く前向きな考えをお持ちでしたので、あくまでも再建を前提とすることとし、最低必要資産の維持対策とリスケジュールを実施しました。
リスケジュールは元金の1部棚上げに始まり、元金全額の棚上げ,金利の支払停止と続きましたが、最終的には
サービサー
に債権譲渡されることにより、債権総額の4%弱で和解し、自宅と事業用不動産を維持したうえで、現在は健全な経営をされています。
不動産会社を経営していたご主人が急逝しました。
以前より資金繰りが悪化しており、リスケジュールをして金利の支払も止めていましたが、更に状況が悪化する可能性が高く、自宅等の資産の維持保全対策を実施している最中の急逝でした。根本的な債務処理を目標に、子供3人は相続放棄をして奥様が全てを相続することを選択しました。その結果、生命保険は全て子供に支払われ、奥様の相続した負債についてはサービサーとの交渉の中で負債総額の3%を支払うことで和解し、自宅等の不動産も維持したうえで債権が全て消滅しました。
ゼロ金利が解除前後から、私共に相談に来られるお客様にも、ある傾向が見られるようになりました。
バブル期に、マンションやアパートなどの収益不動産を所有されたお客様からの相談が、ゼロ金利解除前後から急激に増えたのです。
東大阪でマンションを経営されるAさんもそのお一人です。
本業は設備工事の技術者ですが、設計事務所の友人に勧められて、バブル期に父親から相続した土地に賃貸マンションを建設され、副業として経営を始められました。
夫婦でヨーロッパ旅行などにも行けるだけの利益も上がり、経営開始当初は順調でした。
しかし、バブルが崩壊し2年ほど経過すると、空き家が目立ち始めたのです。
賃貸戸数は全部で28件ありますが、そのうちの7件が空き家という状況になり、借入の返済や経費を支払うと利益が残りません。
仕方がないので、賃料よりも入居率を優先させ大幅に家賃設定を下げましたが、9割以上の入居率を確保するのが精一杯です。それでも借入金利が低かったため、何とか資金繰りが回るという状況が続きました。
ところが、2005年の暮れ頃から金利が上がり始めたのです。
金融機関の申し入れ通りに金利を支払うと、利益が残らないどころか追い金が毎月必要となってしまいます。
Aさんが私共に相談に来られた時には、毎月、20万円の追い金が必要な状況となっていたのです。
その時のAさんのめぼしい資産は、無担保の自宅とわずかな預金だけで、マンションは担保にとられており、売却しても1億5000万円を超える残債務が残るという状況で、破産せずに本業と住む家さえ確保できればよいというご要望でした。
とりあえず、追い金が不必要で、少しでも手元に利益が残るように、毎月の金融機関の返済額を減らすリスケジュール交渉をするために、資産の保全をする必要があります。
自宅は、知人に適正価格で売却し、Aさんの娘さんが知人と賃貸契約を結び、Aさん夫婦が住めるようにしました。預金は違う金融機関に移し、基本的な資産保全をしたうえで金融機関とリスケジュール交渉を開始です。
ところが、メガバンクのMS銀行が、なかなかリスケジュール交渉で色よい返事をしてくれません。100%担保保全できているためか妙に強気なのです。
このままリスケジュール交渉を続けても、返済の追い金が膨らむだけです。Aさんと相談し、強引に返済をストップし、当然のごとく3ヵ月後に期限の利益を喪失させました。
これで不良債権になったわけですが、返済は止めて家賃は全て手元に残るという環境になったわけです。
それからすぐに、第2順位の担保権を持つK信金が、任意売却を勧めてきたのです。
Aさんはマンションの維持を諦めていますから、すぐに任意売却を承諾しました。MS銀行は、完全に担保保全できていますから、任意売却に異存はありません。
ここからは、金融機関に干渉されずに、ゆっくりと時間をかけて購入者探しです。
数ヵ月後、条件の良い購入者が見つかりました。
金融機関が提示している相場に近い金額での購入のうえ、購入に関して、Aさんの奥様が経営されている設計事務所に、購入に関する不動産コンサルタント料として購入金額の10パーセントを支払っていただけるのです。
これで、任意売却が決定しました。
返済を止めてから売却までの9ヶ月間で、手元には1400万円程の家賃が残り、奥様の会社にも1800万円程の売上が入ったのです。
任意売却後、K信金の残債権は4ヶ月でサービサーに債権譲渡され、債権額の4%程度の700万円を支払うことで和解が成立しました。
Aさんは、マンションこそ失いましたが、自宅に住み続けることができ、債務も全て無くなったのです。
そして、返済に悩まないことが、なによりも嬉しいそうです。
建設業にとって、本当に厳しい経営環境になってしまったようです。
建築基準法が改正されてから、建設業のお客様が増え続けています。売上も減り、利益も激減し、将来の目処が全くたたないようなのです。
和歌山の地方都市で総合建設業を経営されるBさんは、私の友人の紹介でご相談に来られました。
Bさんのお父さんは、地元では有名な立志伝中の人物で、今でも隠然たる力をお持ちです。Bさんが代表取締役をする会社も地域一番の総合建設業で、Bさん自身も建設団体の役員を務めるほどの有力者です。
そんな歴史と力を誇る企業でも、この環境は厳しすぎるようなのです。
数年前に土地を購入し、自社で開発をして売却しようとした計画が頓挫したのです。土地の購入費用は大半が借入ですから、その返済負担が資金繰りを圧迫し続けてきました。
さらに、談合問題の噴出で、公共事業は叩き合いの利益の薄い受注しかできず、原油高で建設原価が高騰し、予算管理をしても利益を圧縮します。
そんな状況に追い討ちをかけるように、建築基準法の改正による新築着工の激減とサブプライムローン問題による金融機関の不動産融資の削減が続き、さすがにBさんも最悪の結果を覚悟されたのです。
お話をお伺いすると、借入は地元の地方銀行だけからであり、本業は今でも立派な黒字を確保されており、今後も必ず営業黒字を維持する自信があるとのことです。
これなら、事業再生が十分に可能です。
借入の返済負担が大きいために、資金繰りが成立しないだけですから、返済を減らせばいいだけの話です。
Bさんには、借入時の契約どおりに返済しなければ、すぐに法的手続きをされて、会社は倒産し資産も全て失うしかないという、間違った知識しか持たれてなかったのです。
しかも、Bさんの会社と地方銀行は非常に良好な関係にありますから、所有する不要不動産の一部でも売却して返済に充てれば、交渉も難しいとは思われません。
基本的な処理スキームを打ち合わせたのち、Bさんはすぐに地方銀行とリスケジュール交渉を始められ、その対応は、こちらの予想以上の良いものでした。
Bさんの会社の破綻は、地域経済に及ぼす影響が大きすぎ、地方銀行の抱える他のお客様も経営破綻してしまう可能性まであり、地方銀行のもっとも恐れるところだったようです。
何度かのリスケジュール交渉の結果、駐車場にしている土地を売却して返済に充てることを条件に、元金を1年間据え置き、金利だけ支払うことで地方銀行は了解してくれ、1年後には再度交渉することとなりました。
元金全てを1年間据え置きは、こちらの予想以上の結果です。
Bさんは、1年の間、資金繰りの悩みから開放され、今は、計画が頓挫した開発計画の処理に全力を傾けておられます。
今のBさんなら、間違いなく事業再生は実現されるでしょう。
会社を経営するにおいて、借入を必要としない経営を続けるのは難しいものです。
適度な借入なら仕方がないと思いますが、借入は、油断するといつのまにか増えていってしまうのなのです。そして、資金が回らない状況に陥って、返済のために四苦八苦してしまうのです。
私のセミナーに参加し熱心に話も聴いていただいたCさんが、セミナー終了後すぐにご相談の予約をくださいました。
私の話を聴いて、「目から鱗が落ちた気がしました。」とまで言ってくださいましたので、私もやる気マンマンでご相談に臨みます。
Cさんは、泉南方面で2件の飲食店を経営されおり、ここ数年赤字つづきで、自己破産や夜逃げは当然のこと自殺までも考えておられるとのことです。
当初は、1店目の開業資金だけの借り入れでしたので、返済には問題が在りませんでした。しかし、1店目の経営があまりにも順調だったため、ついつい金融機関の誘いにのって2店目を出店したのが失敗でした。立地条件が悪くて売上があがらず、人件費の支払さえままならない状況で、借入が一気に増加してしまったのです。
借入金額はそれほど増えていないのに、借入本数が増加したために返済額がドンドン増えていき、最後には、返済するために商工ローンからも借りてしまったのです。
この状況では、現状のままの事業再生は諦めるべきです。
しかし、人生は諦めるべきではありません。
幸い、自宅だけは担保に入っておらず、Cさんの奥様も連帯保証人になっておられませんので、Cさんと奥様は離婚し慰謝料として自宅を奥様に渡しました。
これで守るべき資産はありません。あとは、タイミングを見計らうだけとなり、返済期日の3日前の手元資金のある日に債権者集会を開催し任意整理に踏み切りました。
債権者集会は、弁護士もいない状況で、金融機関を除く取引先だけに集まっていただいての開催となりましたが、今までCさんの取引先との対応が良かったのか、大きな異議もなくわずか45分で終了しました。
その後、債権者集会で選任した債権者委員に処理を依頼し、わずか12%の配当でしたが、3ヶ月ほどで大方の取引先の同意を取り付けて任意整理もほぼ終えることができました。
金融機関の債務はまだ残っていますが、一銭も支払うことなく気長に交渉を続けるしかありません。もう、法的手続きで差し押さえされる資産もありませんから。
Cさんは、自宅を担保に資金を借入して飲食店の経営を始められた元奥様の下で、従業員として汗を流して働いておられます。
もう、経営者ではありませんが、生き生きと楽しそうに働いておられ、仕事が終われば、元奥様の待つ自宅に戻る毎日です。