事業再生と債権放棄・・・

中小企業の事業再生にとって、債権放棄というキーワードは重要だと思います。

 

債権放棄が、中小企業の事業再生において劇的な効果を持っていることは、誰もが理解できることですが、コンプライアンス面や金融機関などの債権者の立場を考え、なかなか深く触れることができませんでした。

 

政官民を挙げて、様々な施策も実施して事業再生に取り組んできましたが、未だに具体的な結果を得られないのは、債権放棄というキーワードに踏み込めなかったからといえるでしょう。

 

債権放棄について触れた施策もありますが、建前に終始した内容であり、具体的には乏しくて、関係者にも回避しようという姿勢がありありとみえます。

 

そのために、中小企業の事業再生が、具体的な結果を得ることができなかったというのは紛れもない事実だといえます。

 

 

 

事業再生に向けた対応が必要な中小企業が、経営改善スキームに取り組んで、成功する確率はどの程度なのでしょうか。

 

経営改善に取組まれる経営者は、成功する可能性を信じておられるのでしょうが、その確率は極めて低いものだと思います。

 

倒産に直面しているような経営状況において、再生を目指して経営改善スキームに取組んで、事業再生が成功する可能性は5%にも満たないと思います。

 

しばらくは倒産を回避できるようになった延命を含めても、60%前後でしょうし、延命できても将来に再生が待っているわけではありません。

 

これらの確率は、私の把握している数字であり、事業再生士などが扱う、放っておいても勝手に再生できるような健全企業の経営改善は含まれていません。

 

本当に、再生に向けた取り組みが必要な中小企業に限った場合の数字になるのですが、想定以上に低いと思われるのではないでしょうか。

 

それは、通常の経営改善スキームだけの取り組みで、事業再生を目指そうとするから、この様な低い確率になってしまうのでしょう。

 

『売上を上げろ!』だとか、『粗利益を増やせ!』,『経費を抑えろ!』といった、ワンパターンの取組みを、専門家が指導するだけであり、本当に大事なことは表面上だけの対応になっているからです。

 

その、事業再生を目指すにおいて、本当に大事なこととは、当然に財務に関わる対応になります。

 

『売上を上げろ!』、『粗利益を増やせ!』,『経費を抑えろ!』といったことは、経営者が今まで散々に苦労して取り組んできたことであり、現実的には専門家などよりも遥かに適応力があるといえます。

 

今さら、専門家に机上の知識を振りまわされて、売上を上げろと指導を受けても、結果が得られる可能性は高くありません。

 

事業再生を目指す経営者が知りたいのは、財務面での対応であり、その面においての効果的な指導を受けられたいのです。

 

 

 

たしかに、経営改善において、財務面対策の代表であるリスケジュール(返済条件の変更)については前向きな対応が可能になります。

 

中小企業再生支援協議会など対応では、債権者金融機関が前向きな姿勢を示しますし、弁済期間が驚くほど長期になることもあります。

 

その結果、毎月の返済額も減少しますが、免除されたわけではなく、軽くはない負担が長期にわたって続きます。

 

そして、何よりも、リスケジュール案件として扱われるようになるのが問題なのです。

 

施策的には、リスケジュール案件でも、新規融資なども可能ということですが、これはあくまでも建前だとしか言えません。

 

約束通りに返済できなくなった債務者に、新たに融資をしようという奇特な債権者などおらず、リスケジュール中は、新規融資は現実的には不可能だといえるでしょう。

 

同時に、新たなリースも難しくなってしまうのが現実なのです。

 

そうなると、長期に分割弁済を伸ばしてもらい、毎月の弁済が少なくなって、資金繰りが少しは楽になっても、根本的な解決は何もなされないという事になります。

 

機材や設備は、更新や改修する資金がなくて劣化を続け、営業面に大きな影響を与える様になるでしょう。

 

その結果、売り上げは減少して、収益は悪化して、さらに資金繰りが難しくなってしまうという事になってしまいます。

 

これでは、問題を先送りした、延命でしかありません。

 

何も、解決はされていないという事になります。

 

 

 

だからこそ、中小企業の事業再生において、債権放棄を有効な手段として積極的に活用すべしと思うのです。

 

もしも、経営改善スキームに債権放棄が具体的に組み込まれ、その結果、正常債権として扱われるという事が可能になれば、中小企業の事業再生は、飛躍的に解決することになるでしょう。

 

全てを債権放棄する訳ではなく、実態の財務内容と照らし合わせて、弁済可能な債権は、当然に残して弁済を続けることになります。

 

この様な取り組みが可能になれば、関係者の全てが納得できる環境を構築できて、本当の事業再生が可能になると考えます。

 

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