資金繰り破綻の回避・・・


経営危機に陥ると、健全時の資金繰りが、いかに生温いものだったかを痛感させられます。

1+1=2にしかならないのに、1+1=10にしなければならないのが、経営危機という有事での資金繰りですから、生半可なものではありません。

失敗すれば、経営は破綻してしまいますから、知恵を絞り尽くし、活用できるものは全て対象にして、あらゆる手段を講じて、収入と支出の流れを整理しなければなりません。

経営危機という有事の環境で、企業の生死を掛けた戦いが展開され、とにかく資金繰りを確保しないことには、企業は消えてしまうしかないのです・・・。



資金繰りとは、期間ごとの資金の動きについて、事前に収入と支出予測を対照させ、過不足を調整することをいいます。

もし不足をしているならば、充足できるように具体的に対策を講じることが、資金繰りということになります。

健全な経営時に、なかなか金融機関が融資をしてくれなくて資金繰りが大変だったなどとお聞きすることがありますが、これなどは資金繰りともいえないような、初歩の簡単な事例にしかすぎません。

本当の資金繰りは、経営の厳しい状況でこそ痛感させられるものなのです。

健全時とは比較にならないほど、厳しく難しいのが経営危機での資金繰りであり、経験した経営者が、地獄の苦しみと表現されることもあります。

しかし、経営危機を打開し、乗り越えようとするならば、この資金繰りの確保が不可欠なります。

たしかに、直ぐに破産を選択するのならば、資金繰りの必要などありませんが、経営者としては余りにも無責任としか言いようがありません。

どんな厳しい経営状況であろうとも、打開に向けて取り組もうとしたり、事業を守ろうとするならば、当座の資金繰りの確保は不可欠なのです。

資金繰りは、時間の確保であって、経営危機を打開する期間を確保するために、資金繰りが必要ということになります。

 

有事での資金繰りを、具体的に理解していきたいと思います。

まずは、資金繰りの基本のポイントは、以下の3点になります。

  ① 資金の確保
  ② 支出の抑制
  ③ 入出金の整理

資金繰り全般での基本ポイントとなりますが、経営危機状況では徹底して取り組むということになります。

資金の確保については、既に経営危機という状況ですから、金融機関から簡単に融資を受けられる状況ではないと思います。

それでも、対応や与信が厳しいのは承知のうえで、チャレンジしてみるのは必要なのでしょう。

銀行などからの借入れが無理であれば、ノンバンクからの借入れも検討する必要があるかもしれません。

たしかに、金融機関より融資の可能性は高くなりますが、利息が高くなりますので、返済目途のある一時的なものとして捉えてください。

ノンバンクといっても、高利の街金となどには、絶対に手を出さないことは当然のことでしょう。

親戚や知人・友人からの借入れをされる経営者も少なくありません。

しかし、これは最劣後の手段であり、返済できなければ、人間関係や最低限の生活さえも喪失する可能性がありますから、止めておくべきだろうと思います。

会社や経営者個人の資産を活用するのは効果的であり、全ての資産を資金確保の対象として捉えてみてください。

具体的には、不動産の活用に始まり、定期預金・有価証券・不動産,保険積立金・不要資産の売却と活用などがあります。

また、経営者資産の提供や活用も効果的であり、物上保証や個人資産借入れ,役員が個人で借入なども、経営危機での資金繰りとしては検討の必要があるでしょう。

有効な資金繰り確保対策となりますので、宝の山である貸借対照表もじっくりと確認されることをお勧めいたします。


支出の抑制について、代表的なのはリスケジュール(返済条件の変更)ということになります。

経営危機では、不可欠な手段ということになり、まずは、この金融機関の弁済条件の変更から取り組むということになります。

そして、状況に合わせて、商取引先への支払条件の変更も検討する必要があるかもしれません。

支払いの延期やジャンプをしてもらったり、手形への変更や分割にしてもらうということになります。

また、従業員への給料や租税公課なども、資金繰りを確保するための手段として対象に入れることもあるかもしれませんが、優先順位だけは絶対に間違わないでください。

金融機関以外の債権者への遅延などは、信用の毀損に繋がり易いので、十分な配慮が求められます。

 

入出金の流れの整理については、川上から川下までの流れを整理するということになります。

まずは、 入金はできるだけ早めて、出金は極力遅くするということです。

入金をしてから、支出を実施するという流れを確保することが、理想ということになるでしょう。

その為には、提示の支払日を変更して遅らせるとか、発注段階において支払条件を設定するなどの工夫も必要かもしれません。

 

経営危機という有事での資金繰りにおいては、様々に留意すべきことがあります。

まずは、経営危機を打開する目標や落し処を理解したうえで、 長期的な視野で対応することが大事です。

そして、支出の抑制や、入出金の流れの整理というのは、信用を棄損し易い行為ですから、最善の注意をもって取り組んでください。

最後に、経営危機での資金繰りは、冷静な判断の下で、強い意志をもって徹底的に取り組むことが必要です。

この資金繰り対策を、失敗する訳にはいかないのです・・・。

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