信用保証協会の債権回収・・・


平成26年以降、信用保証協会は、人道的な対応を取るようになっていました。

期限の利益の喪失をして代位弁済をした債務者に対して、債権回収の姿勢を随分と軟化させていたのです。

以前の様にゴリ押しの債権回収をするのではなく、債務者のおかれている状況や環境に配慮した、人道的な債権回収をするようになっていました。

信用保証協会も随分と変化をしたものだと感心していたのですが、ここにきて、また、大きく姿勢を転換させて、昔の様な債権回収を展開しようとしているのかもしれません。

 

信用保証協会の、代位弁済後の債権回収の特徴といえば・・・

  ① 不動産については、債権回収の手段として、徹底して活用しようとする。

  ② 債権放棄や債権譲渡などはしない。

  ③ 状況により、長期に亘る低額弁済が可能。

  ④ 2年に一度、担当者が変われば、対応も大きく変化する可能性がある。

  ⑤ 高齢者や身障者への対応は、人道的な配慮をする。

  ⑥ 第3者の連帯保証人に対しては、比較的、柔軟な対応。

  ⑦ 債務者に対して、常に時効の中断を視野に入れた対応をする。

この様な特徴が、平成26年2月頃まで、明確に存在をしていました。

この中で、①から⑤までは、一般的に認識されており、今も続く特徴だと思います。

債権回収のために維持する必要がある不動産以外については、全ての不動産を処分させて債権回収しようというのは、信用保証協会の有名な特徴であり、この点については妥協しません。

また、国民の血と汗の結晶である税金を原資にしていますので、基本として債権放棄や債権譲渡ができないのは当然の事でしょう。

私共のご相談者に当てはめた場合、③については、事業を継続されている場合は10000円、廃業されている場合は3000円の毎月弁済が平均的な金額であり、長期に亘って同じ条件が続いている事例は珍しくもありません。

信用保証協会の債権回収は、担当者(上司)の性格や考え方で、対応が大きく変化するというのが一般的ですから、転勤サイクルの2年に一度は状況確認が必要だともいえます。

⑤については、ご高齢の債務者の場合は厳しい取り立てをしなかったり、肺がんになった債務者には債権回収追及を完全に止めたなど、私共のお客様でも、適合している事例は沢山存在します。

ここまでは、昔からの信用保証協会の特徴だったのですが、⑥と⑦が変化しているように感じます。

まず、⑦については、平成26年2月以降、債務者の状況に配慮し、時効の中断にこだわった対応を取ることが少なくなっていました。

昔であれば、代位弁済後に、今後の弁済についての相談に呼ばれると、必ず債務弁済承認書(債務確認書)に署名押印を求められるか、1円でも弁済する様に求められました。

それが、平成26年2月以降は、債務者が困窮状況にあるようであれば、その状況に配慮をして、しばらく様子を見ることを提案してくれたり、実質的に債権放棄とも受け取れるような表現をしてくれていたのです。

ところが、この半年ほどで、昔の信用保証協会に戻ったかのような厳しい債権回収を見受けることが多くなってきました。

交渉時点で厳しい追及をしてきたり、代位弁済から随分と経過しているのに担当者が現地調査に来たりなどと、最近はあまり見られなかった対応が頻発しています。

何よりも気になるのは、⑥の連帯保証人への対応の変化です。

連帯保証人制度が社会問題化するとともに、信用保証協会も柔軟な対応姿勢を見せ、最近は、しつこく厳しい姿勢で連帯保証人に対応する事例が減っていました。

特に、第3者の連帯保証人に対しては、意図的に何らかの配慮をしているのではないかと思えるような事例も存在していたのです。

ところが、ここ数か月ほど、連帯保証人への厳しい対応事例が、随分と増えてきました。

しかも、何年も前に代位弁済をされたような事例や、第3者の連帯保証人への厳しい取り立ての事例などになります。

債権回収手法が、道義的に整理されつつあるこの時代に、まるで、悪質消費者金融かと見紛うような対応なのです。

 

信用保証協会が、債権回収姿勢を厳しく変化させたのではなく、たまたま、私共のお客様だけが、厳しい対応をされているとは思えません。

その様な対応をされているお客様は複数存在されますし、逆に人道的な対応についての事例を、ほとんど耳にすることがなくなりました。

信用保証協会が債権回収姿勢を転換させたと捉えるべきでしょうし、何故、このタイミングで、債権回収姿勢を変化させたのか重く受け止める必要があるように思います。

世界的に経済が低迷しており、日本の景気も顕著に悪化傾向を示す環境で、中小企業の命綱ともいえる信用保証協会の変化なのです。

しっかりと対応しなければ、命綱が断ち切られるかもしれません・・・。

 

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