任意整理の最後・・・


経営する会社を、任意で整理に取り組むことになりましたが、不安です。

現在の経営形態のままで会社を継続させるには、負債が多すぎるため、事業は譲渡して、会社を整理をすることになりました。

任意整理については色々と勉強し、万全の準備を重ねてきましたが、もう一つ要領が掴めません。

初めての経験ですから、何もかもが不安なまま取り組んだのですが、たった一つのキーワードを理解するだけで、全て順調に進みました。

 

何とか会社を守ろうと、全てを投げうって努力しましたが、資金繰りはそんな簡単なものではありませんでした。

金融機関への利息の支払いさえもできなくなり、事ここに至っては、会社の継続を諦めるしかなく、整理を選択するしかないでしょう。

できるだけ関係者に迷惑を掛けないために、どの様な整理方法がいいのかと検討し、任意整理を選択しました。

任意整理に向けて、資産の予防的保全対策を実施するなど、しっかりと事前の準備を進めます。

従業員への給与支払いや取引先への支払いなどは当然のこと、税金や社会保険などについても支払いますが、銀行借り入れなどの金融債務については支払いができません。

そして、銀行への利息の支払いが3回遅れると、期限の利益の喪失をして、ここから任意整理は正式にスタートすることになります。

期限の利益の喪失は、表現を変えれば、『今すぐに、耳を揃えて全額返せ。 返せなければ、あらゆる手段で回収する・・・。』という意味になり、これから正式に回収作業を始めるとい合図でもあるのです。

その回収作業ですが、具体的にどの様な手段になるのかは、段階によって変わります。

期限の利益の喪失後の初期の段階では、『支払いの口頭や文書での督促』,『保証機関からの代位弁済』,『担保権実行等による不動産処分』『仮差押え』などが考えられます。

仮差押えは、その後の段階でも活用されますが、効果を狙うならば、この初期で活用すべきだといえます。

その後の中期の段階では、『訴訟などの裁判手続き』,『サービサーへの債権譲渡』などがあります。

債権回収がスムーズに進まず、法的手続きに訴えるか、直接回収を諦めるかという段階です。

そして、最後の終期の段階では『差押え』が考えられます。

裁判などにより債務名義を取得して差押えが可能になると、最後の債権回収手段としての差押えが実施されます。

債権回収は、最終的には差押えしか手段がないということであり、差押えしても効力がなければ、ほかに手段は残されていないということになるのです。

したがって、この差押えに備えた準備をすることが、任意整理に取り組むうえでは不可欠な作業になるということになります。

以上が、債権者が仕掛けてくる、債権回収の時系列的な取り組みの流れになります。

そして、差押えをしても債権回収が進まない時には、最終的な処理として『和解』,『放置』,『時効』などが考えられます。

和解は、専門家であるサービサーに債権譲渡しても債権回収が図れない時などに、一定の額を支払うことで和解し、残額は債権放棄をすることになります。

この場合の和解は、債権額の数%というのが一般的であり、大幅な債権放棄を得られる可能性があります。

放置というのは、債権回収が捗らない場合には、諦めて放置するしかなくなるということであり、時間の経過とともにその選択は増えることになります。

そして、放置があれば、その後一定の時間が経過すれば、時効ということになります。

この放置されて、いつでも時効の援用が可能だという債権は、実は、世の中に溢れているほど沢山存在するのが現実なのです。

 

そして、任意整理をした会社の処理もしなければなりません。

この場合は『休眠』,『清算』,『放置』という手段があります。

『休眠』は税法上の手続きで、税務署に行って異動届において処理します。

休眠扱いになることで、その後に均等割り税がかからないようになります。

『清算』は商法上の手続きで、清算の着手をして、商業登記簿謄本において解散登記がなされます。

本来は、最後の清算の決了までしたいのですが、任意整理は債務が残りますから決了はできず、このままの状況でおくことになります。

経営者が夜逃げなどをした会社は『放置』されることになりますが、任意整理においても放置をされることが少なくありません。

しかし、計画的に任意整理をするのであれば、出来れば『休眠』,『清算』まで処理したいものです。

以上が、任意整理の期限の利益の喪失後の動きであり、ほぼ、この様な流れになります。

極めて単純で判りやすい流れであり、想定外の対応もほとんどなく、難しく考える必要はないと思います。

そのためには、資産の予防的保全などの事前の準備が重要であり、対応が万全であれば、恐れることは何もないということになります。

結論として、全ては、無い袖は振れないというキーワードを、理解して守ることができるかということに集約されるのです。

 

 

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