売掛金と棚卸・・・


ご相談者の内容を分析すれば、経営危機に陥る傾向を把握することは可能だと思います。

ご相談に来られる方には、共通する傾向が様々に見受けられ、その傾向を整理し分析することにより、経営危機を回避することも可能になるのかもしれません。

様々な傾向が存在する中で、本業はしっかりと利益を確保し有利子負債も多くないのに、資金繰りは厳しいというご相談は少なくありません。

その様なご相談におけるキーワードは、商品の管理と、売掛金の回収ということになります。

商品は、納品して、請求して、入金してこそ商売です。

いくら多くの発注を受けたとしても、納品しなければ商売ではありません。

素晴らしい商品を陳列したとしても、売れなければ商売にはなりません。

商品をお客様にお渡ししたとしても、お金をいただかなければなりません。

商品代をいただかなければ、商売にはなっておらず、お客様ではありません。

こんなこと、商売の基本であり、小学生でも判っていることだといえるでしょう。

ところが、この簡単な基本が、守れずに経営危機に陥る事業者が少なくありません。

特に、特定のお得意先様との取引が中心となる業種においては、この商売の鉄則を判っていながらも、守れない経営者が少なくないのです。

 

決算書を拝見していて、その驚くべき内容に、目が点になってしまうことは少なくありません。

本業は、極めて順調であり、沢山の税金も納めておられます。

普通であれば、預金などの多くの流動資産があるはずなのですが、いつもお金が足りずに、資金繰りに苦労しておられます。

通常の財務管理の感覚からすると、違和感を覚えてしまう、この様なご相談は少なくありません。

その理由を確認すべく、決算書を読み込んでいくと、その理由は直ぐに見つかります。

棚卸や商品,製品、もしくは売掛金が異常に多いのです。

仕入業者に支払はしているのに、入金はない・・・。

経理処理はしているから、健全経営に見えるが、資金的には火の車・・・。

この様な状況になってしまい、経営者も、そこに問題があることは理解されていますが、なかなか解決できません。

ルートセールスがメインの事業者に多く見られるというのは、得意先の都合が絡んでいるからなのです。

得意先から発注を受け、商品の製作にとりかかったが、得意先の都合でペンディングとなった・・・。

発注商品を納品しようとしたら、季節的な理由により翌年に繰り越された・・・。

この様な理由で、原価の発生している商品が、売掛金にさえならず、そのまま在庫として眠ることになるのです。

また、得意先の資金繰りが悪化し、納品後に請求しても、いつまでも入金がありません・・・。

納品後に請求しても、予算が不足とのことで、無条件で支払いが先送りされた・・・。

得意先の都合で、支払い済みの商品の入金が、一方的に止められてしまうのですから、売掛金というより未収金というべきなのかもしれません。

それでも、お世話になっている得意先だから・・・という理由で、受け入れるしかないということになるのでしょう。

それが、1度程度のたまたまであれば、ルートセールスとしては仕方がないのかもしれません。

しかし、私共のご相談者の場合は、頻繁に繰り返され、驚く様な金額になっていることが少なくないのです。

年間売り上げが1億5000万円程の事業者で、8000万円を超える売掛金がありました。

年間10億円程度の商売で、1億円弱の売掛金と、5000万円弱の売掛金を長期間持っておられる事業者もありました。

年間3億円程度の売上で、1億2000万円を超える棚卸を計上されている事業者があります。

年間12億円程の売上で、5億円弱の棚卸のある事業もあります。

業種などにより、一概には言えませんが、これだけの未収の売掛金や棚卸があれば、普通は、資金繰りは破綻して当然だといえるでしょう。

資金繰りが破綻するリスクを背負いながらでも、得意先との取引が大事だから受け入れるのでしょうが、倒産すれば取引など出来ないのが現実なのです。

 

商品をお渡しし、入金していただいてこその商売ですから、ご紹介した事例など商売とはいえないように思います。

得意先の影響で、こちらが経営破綻するかもしれませんから、しっかりと対応することが肝要であり、たとえお世話になっている得意先とはいえ、約束通りに商品を仕入れさせてもらい、約束通りに入金してもらって商売とすべきでしょう。

その為には、主張すべきことは主張し、契約的な文書もしっかりと確保するようにしてください。

棚卸や売掛金を甘く見ると、大変な結果になるでしょう。

 

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