借金、消滅時効を利用する・・・


権利を行使できるのにも関わらず、一定の期間において行使されない権利を消滅させる制度のことを、消滅時効といいます。

判り易く例えると、金融機関からお金を借りても、返済に関しての権利を、金融機関が一定の期間行使しなければ、その借りたお金について、金融機関は返済を求める権利を喪失するということになります。

借りた方にすれば、お金を返済する必要がなくなって非常に有り難い話なのですが、金融のプロが、消滅時効など完成させるはずがないといわれています。

ところが、消滅時効の期間が完成している債務者は、数知れず存在しておられるのが現実なのです。

 

最近、消滅時効に対する、金融関係機関の取り組み方は随分と変化してきたように感じます。

少し以前まで、信用保証協会は、絶対に消滅時効など完成させないという姿勢を堅持していました。

常に、時効の中断を図るという姿勢が明確であり、

  1. 僅かずつでも弁済を続けさせる。

  2. 一定期間ごとに、債務承認書を提出させる

  3. 裁判をしてでも、時効を中断させる

この様な方法で、何がなんでも、時効期間の完成は阻止しようとしていました。

ところが、信用保証協会も、微妙に消滅時効への考え方を変化させ、一定の状況であれば、容認するような姿勢を見せ始めているのです。

 

信用保証協会の求償債権についての消滅時効に関して、ご相談いただく件数は少なくありません。

東京信用保証協会だけでも、この1年間で4件のご相談をいただきました。

そして、その4件のうち、3件について消滅時効を完成させることができたのです。

しかも、失敗した1件は、代位弁済をされてから5年未満であり、商事債権としての5年という時効期間を経過していない債権ですから、完成できなくても仕方がないと考えられます。

残りの3件は、全て最初の5年目の時効は債務承認や裁判により中断をされ、2回目の時効期間となる10年から15年目を迎えるという債権でした。

この、2回目の時効期間というのが、消滅時効を完成させるポイントだと私は思っています。

最初の5年目は、私の持っている事例では、時効期間を完成させたものはありません。

しかし、2回目の時効期間では、驚くほど高い確率で、実際に時効期間を完成させているのです。

債権者である信用保証協会も、最初の5年目での時効期間の完成については、裁判をしてでも阻止しようとするのは、債権回収を専門とする立場を考えれば当然でしょう。

ところが、10年も15年も、まともに弁済しない債務者に対して、高い裁判費用を掛けてまで時効の中断をしても意味がありません。

意味がないというよりも、無駄に血税を使うことになってしまいますから、2回目の時効期間については、状況により諦めることが少なくないのだと思います。

我々は、信用保証協会が時効の中断を諦められるような状況を作りますから、2回目の消滅時効期間での完成の確率が極めて高くなるのです。

 

ここで、考えていただきたいことがあります。

1回目の時効期間の中断に際して、どう対応するかについてです。

信用保証協会は、スムーズに時効を中断しようと、少しでも弁済をさせるとか、債務承認書を提出させるとかの対応をしてきます。

しかし、多くの債務者は、対応などせずに放置をされるために、信用保証協会は最後の手段として手間暇をかけて裁判をしてくるでしょう。

確かに、1回目の時効期間の完成を目指して、債務者は自ら時効の中断などせずに、奇跡的な可能性にチャレンジしたくなって当然なのかもしれません。

しかし、1回目の時効期間の完成は、まず無理なのです。

しかも、その結果、信用保証協会は裁判をしてきますから、時効期間が5年から10年に延びてしまうのです。

本来は、代位弁済から10年目で2回目の時効期間を迎えるはずだったのに、なんと15年目になってしまいます。

そうすると、2回目での時効期間完成を目指す場合、期間が5年も伸びてしまうのですから、この選択について考えなければなりません。

1回目の時効の中断については、5年目間際に、少しでも払うか債務承認書にサインして中断をさせ、2回目の10年目での時効期間の完成を目指すというのが、最善の対応になると私は思います。

 

先日、東京信用保証協会の債権について、時効期間を完成させ『援用』までされたお客様から、貴重な文書をいただきました。

その文書は『消滅時効完成通知書』となっており、正式に時効が完成したことを、東京信用保証協会がわざわざ通知をしてくれた文書なのです。

本来、現実的に時効が成立していても、それを債権者が認めて通知してくることなどあり得ません。

私も、この『消滅時効完成通知書』を、初めて目にして驚きました。

しかし、信用保証協会は、時効に関してだけではなく、債権債務処理全般に関して、債務者に寄り添う方向に変化しているようなのです。

 

 

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