まずは、経営者の人生を・・・


多くの経営者は、経営危機に陥ると、自分ことは棚上げされます。

『事業さえ守れれば、私はどうなってもいい・・・。』

ご相談者が、この様に表現をされることが少なくありません。

経営者として、当たり前のことだと思われがちですが、これは、間違った危険な考え方だと思います。

まず、経営者の生活と人生を確保することが出来なければ、経営危機など打開できるはずもないのです。

 

中小企業の経営者は大変です。

経営者としての統括は当たり前のこと、現場から営業、そして経理など業務全般に亘り、最高責任者として対応し、最後まで処理する義務があるのです。

予想もしていなかった経営危機に陥っても、自らの力で打開することを要求されることになります。

当然、全力で打開に向けて取り組まれるのですが、経営危機での知識が有りませんから簡単ではありません。

全ての時間を費やし、私財を投じても、良い結果は得られず、『事業さえ守れるならば、私はどうなってもいい・・・』と、考える様になってしまうのでしょう。

現実に、自らの資産を取り崩したり、自宅までも売却して、運転資金を作ろうとされるのですが、私は、この様な考え方は間違っていると思います。

たしかに、自宅を売却することにより、事業の運転資金が確保できて、それで画期的に事業が改善するならば、その選択肢も否定はできません。

しかし、画期的に事業改善できる可能性は、いったいどれほどあるのでしょうか。

現実に経営危機の打開に取り組んでこられても、具体的な結果が得られない状況であるならば、単に延命にしかならない可能性の方がはるかに高いといえます。

そして、この状況において、経営者が生活の基礎を喪失するというのは、経営者がその責任を遂行できなくなるということなのです。

 

経営危機において事業を維持しようとすれば、経営者にかかる負担は生半可なものではありません。

その負担を、癒すのが家庭なのですから、生活に不安を抱くように状況では問題があると思います。

従業員や取引先といった社会的弱者を守るのも、経営者の大きな責任であり、その遂行のためにも、日常を確保しておく必要があるのです。

そして、『私はどうなってもいいので・・・』と言われた経営者も、状況の変化で考え方も変化します。

経営危機に陥り、右も左も判らない不安な環境で発せられた言葉ですが、具体的に経営危機の打開が進むと、『何とかなるかもしれない・・・』と考える様になってきます。

そうなると、経営者も、現実に気づき、明日に繋がる自分の生活と人生を、具体的に考える様になるでしょう。

『明日はない・・・』という絶望から、『明日もある・・・』という希望に変化するのですから、考え方も変化して当然だと思います。

しかし、その現実に気づくこの段階において、既に全てを喪失しており、『手遅れ』になっていることが少なくないのです。

 

経営危機を、本気で打開しようとするならば、まず、経営者ご自身の生活を確保することが大事だと思います。

経営者の、安定した生活基盤があるからこそ、効果的な経営危機の打開を図れるのです。

 

全ての経営者が、この様な責任感の強い方ばかりではありません。

まず、自分自身の事を考え、私利私欲を優先した処理をされる経営者も少なくはないでしょう。

しかし、この考え方も、ある程度は許容できるのではないでしょうか。

その先に、事業の維持や、社会的弱者を守るといった、経営危機打開のテーマがあるのならば、間違っていないように思います。

大事なのは、経営危機を打開するという目的の達成なのです。

そのために、『私はどうなってもいいので・・・。』といった考え方は、改めていただきたいと思います。

 

 

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