粉飾決算の追及・・・


金融機関の、粉飾決算に対する対応が厳しくなってきました。

つい、一昔前まで、税理士さんでも、目的に合わせた見栄えの良い決算書を、前向きに作成をしてくれていたように思います。

巷の経営コンサルタントなどは、融資を受けるためのアドバイスとして、積極的に粉飾決算を勧めていたほどでした。

粉飾決算が、ある意味、必要悪としてまかり通っていたのですが、今は『悪』として捉えるしかない時代になってしまったようです。

 

そんな時代は、遠く過ぎ去り、粉飾決算などは完全に通じない環境になろうとしているように思います。

今年の成人の日に、着物レンタル会社『はれのひ』が突然に業務を停止し、予約されていた新成人に多大な迷惑と負担を掛けました。

大きなニュースになりましたから、詳細を覚えておられ方も多いと思いますが、倒産に至る負債総額としては10億8500万円ほどであり、一般的な中小企業の倒産レベルであり、珍しくもない倒産規模だといえます。

それでも、あれほど社会を騒がせるニュースとなったのは、成人式の着物というタイムリーなテーマであったことと、経営者の対応があまりにも稚拙過ぎたからではないでしょうか。

それでも、このまま破産手続きに進むことで、ニュースとしては収束をしていくはずだったと思います。

ところが、それから半年後、『はれのひ』の社長が逮捕されてしまったのです。

普通、破産手続きは民事事件ですから、当事者である経営者が逮捕されるなどということはあり得ません。

ところが、『はれのひ』の社長は、破産とは関係のない詐欺容疑で逮捕されました。

具体的には、新規出店用の融資を受けるために、売上高を架空計上して水増しした決算書類を提示し、返済する意思がないのに融資金をだまし取ったことが逮捕容疑だということです。

返済する意思の有無については判りませんが、売上の水増しなどを粉飾して決算書を作成するというのは、今でも少なくはないでしょう。

ところが、この粉飾決算を理由に、民事事件で終わるはずの倒産劇が、刑事事件にまで発展したのですから、我々は真摯にこの事実を捉える必要があるように思います。

 

最近、金融機関の、粉飾決算を追求する姿勢が、間違いなく厳しくなってきたように思います。

特に、『はれのひ』の社長が詐欺容器で逮捕されて以降、金融機関の厳しい追及の姿勢を目にします。

ある社長は、債務超過を回避するために、棚卸資産を多く計上をしていました。

以前は、金融機関の担当者も、棚卸の金額について触れることはありませんでしたが、最近になって、売上に比較し棚卸金額が多すぎると言い出し、前向きな対応をしなくなって来たのです。

ある建設業者は、工事受注の指標である経営事項審査を上げるために、常態的に未成工事支出金を多く計上して、収益性を良くしていました。

ところが、この点について金融機関の担当者が追及をしだして、修正を求めてきたのです。

これらは、まだ可愛い事例なのかもしれません。

ある経営者は、経営コンサルタントの指導のままに、複数の新規案件において、2~3行の金融機関から同じ内容の融資を受けるという、重複融資を繰り返しました。

本来であれば、協調融資でない限り、1案件については、1行からのみ融資を受けるというのが当然です。

重複して必要額の2~3倍の融資を受けたわけですから、資金繰りは極端に楽になって、当然のごとく財務管理は大きく緩むことになるでしょう。

そんな時に、受注単価が大きく削減されたことにより収益性が一気に悪化し、資金繰りも切迫することになってしまい、金融機関にリスケジュールを申し込まれました。

金融機関も、当初はリスケジュールに前向きな姿勢を見せていましたが、重複融資が知られことになり、一気に態度を硬化させました。

経営者は、何とかしようと支店長と直談判を繰り返しましたが、『重複融資』と『粉飾決算』について、銀行本部が詐欺としての刑事事件までも口にする状況になっているということで、支援の打ち切りを通達されて期限の利益の喪失をされてしまいまったのです。

普通であれば、何の問題もなくリスケジュールに取り組める内容だったのですが、『重複融資』が全てを狂わせてしまいました。

 

既に、粉飾決算は、完全否定される状況になろうとしているのかもしれません。

つい最近まで、金融機関も、粉飾決算については見て見ぬ振りをする傾向がありました。

しかし、最近は明らかに変化し、粉飾決算を追求しようという姿勢が見受けられます。

今まで、中小企業は、粉飾決算について甘い認識を持っているところがありましたが、今後は考え方を根本的に切り替える必要があるのではないでしょうか。

あまりにも、粉飾決算のリスクが、大きすぎる時代になったといえます。

 

 

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

          ↓

    トップ経営研究所 ホームページ

 

 

ランキングです クリックして応援してください

          ↓


ランキング人気ブログランキングへ

 

ランキングです クリックして応援してください

          ↓

      にほんブログ村 経営ブログへ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>