判断基準は、得か損か・・・


銀行などの金融機関には、明確な判断基準が存在します。

何かを検討するとき、その結果として『得』なのか、それとも『損』なのかということです。

得をするならば検討の価値はあるが、損をするのならば検討の価値さえないということになります。

この判断基準は、融資の場面に始まり、リスケジュールや期限の利益の喪失の場面、さらには債権放棄や債権譲渡、そして代位弁済後の信用保証協会など、対応など様々な場面において『得』か『損』かにより判断をされているのです。

 

当たり前のことですが、『損』をするかもしれないと思えば、金融機関は動きません。

例えば、融資をしようと検討している時に、満足に弁済できる経営状況ではなく、担保もなく、資力のある保証人もいない様な状況であれば、融資は実行されないでしょう。

債権回収を担保できなくて、『損』をするかもしれない状況であれば、金融機関としては駄目だという判断になってしまいます。

これは、当たり前の判断基準であり、それをクリアーするために、融資を受けたい借り手側は、様々な手段で『損』はしませんよというアッピールをすることになるのです。

この様な対応は、返済猶予の場面ではさらに顕著になるのではないでしょうか。

返済猶予(リスケジュール)という行為は、約条通りに弁済ができなくなった状況でおこなわれます。

資金繰りが悪化した状況での行為ということになり、場合によれば、債務者が倒産してしまうかもしれないという状況だといえます。

債権者である金融機関が、貸付資金の回収を優先しても不思議でない状況での交渉になりますから、いかに『損』はしないことを伝えるかが重要になります。

そのために、具体的な経営改善計画を策定するのです。

返済猶予をしてくれれば、得られた時間的な猶予の間に業績は回復し、再生することにより正常に弁済できるようになって、金融機関に『損』をさせることはありませんと理解を求めます。

もし、返済猶予がダメならば、資金繰りは破綻して、金融機関に『損』をさせるかもしれないということも理解してもらいます。

『損』はさせませんという根拠を明確にすることができれば、返済猶予についても前向きに取り組んでもらえるようになるのです。

信用保証協会が代位弁済をして、債権者となった場合にもこの『得』か『損』かという判断基準は活きてきます。

ただし、『損』をしないではなく、『得』をしないという、逆の基準が適用をされるようです。

ご存じのように、信用保証協会の代位弁済は、国民の血税により実行をされることになります。

したがって、信用保証協会は債権譲渡も債権放棄もせずに、時効の中断を繰り返しながらでも、債権回収を諦めずに継続するのです。

ところが、こんな信用保証協会でも、『得』をしないという基準が債権回収の場面で活用をされています。

債務者が、弁済できる様な状況ではなく、債権回収の努力をしても無駄になるだけで、『得』をしないという判断かなされれば、厳しい債権回収はなされないことが多くなっています。

全てがそうではありませんが、ここ数年、生きていくのも大変な状況になっている債務者に対しては、現実的に、信用保証協会は債権回収を放棄しているのではと思う事例がほとんどなのです。

昔の信用保証協会を知る方にとっては、驚くほど変貌を遂げたといえるでしょう。

 

『得』か『損』かという判断基準は、債権債務に絡むものだけではありません。

金融庁の方針や指導,社会的責任なども、『得』か『損』かの判断基準になります。

債権債務面において得をしても、社会的批判を浴びてマイナスになるようなことがあれば、結果として金融機関は、『損』をするという判断基準になるでしょう。

この様な、『得』か『損』かという金融機関の判断基準は、我々債務者にとっては理解のしやすい有難いものだといえます。

交渉や対応の仕方が、判り易くなるからです。

そんな判断基準を持つ金融機関に対して大事なことは、『得』はするが、『損』はしないという根拠を明確にして理解を求めることになるでしょう。

この根拠を明確にすることができれば、金融機関との交渉は前に進むことになります。

 

 

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