失敗した計画倒産・・・


判っているのに、最悪の選択をされたのかもしれません。

記者会見をした『はれのひ』の社長が、何故こんな馬鹿な選択をされたのか不思議でした。

選択すべき様々な方法はあったのに、どんな理由があって、こんな大ニュースになるような最悪の選択をされたのか不思議です。

そして、この記者会見において、余りにも無知な記者の、訳のわからない質問には、驚き困惑するしかありませんでした。

 

こんな大ニュースになることを、はれのひの社長も、ある程度は予測されていたのではないでしょうか。

それでも、社長は、事業を投げ出して、成人の日にも現れず、海外にでも逃亡しているようなニュースも流れましたので、気の弱そうな社長を想像していました。

ところが、記者会見で見る限りは、しっかりと落ち着き過ぎとも思われる対応をされておられ、ちょっと驚いて見ていました。

観念をされていたのでしょうが、けっして逃亡するような、臆病な経営者には見えず、堂々とされているような印象さえ受けました。

憔悴されてもおられず、お元気そうに見受けたのが気になりましたが、人に言えない何かあるのかもしれません。

記者の質問にも、丁寧に受け答えされていたよう思いますが、逆に、その記者の質問内容には驚かされました。

現実の社会を知らない大学生が、興味半分でする様な質問ばかりが続きます。

経営や経営危機に関する知識がないのでしょうが、実社会の現実を無視したような質問が続くのです。

記者は、『経営が立ちいかなくなることは、いつ気付いたのか?』という質問をします。

社長は、『 2017年の4月。当時は仕入れ先への支払いが滞り、商品の供給がストップした。どこかでカバーできると感じていたが、従業員のモチベーションが下がりはじめ、危機感を感じた。・・・』こう答えます。

すると記者は、『そういう状況にもかかわらず、注文を取り続けていたのは詐欺ではないか?』と質問するのです。

それに対して、『詐欺のつもりはなかった。』と社長は答えられました。

なんとも、バカバカしい質疑応答ではないでしょうか。

経営に危機感を抱いたからといって、営業や受注活動を停止しようとされる経営者がおられるのでしょうか。

たしかに、この段階で整理を決断できれば、被害ははるかに減少したでしょう。

しかし、このタイミングで、そんな決断をできる経営者などほとんどおられず、これから経営改善や資金繰り対策に本気で取り組み、経営者としての苦闘が始まるものなのです。

実際に、その様な危機感を抱いても、前向きに頑張っておられる事業者は数知れず存在し、一生懸命に営業・受注活動をされていますから、これで詐欺者扱いするのは笑止としか言いようがありません。

記者から、『なぜ、間際まで受注を続けたのか?』という質問もありましたが、計画倒産でない限り、破綻直前まで受注を続けるのは当たり前のことです。

たまたま成人式という一大イベントにおいて、多くの被害者を創出してしまったので、このタイミングまで何故に続けたのかと聞きたかったのでしょうが、ギリギリまで頑張ったということであり、経営者としては当たり前の判断だといってもいいでしょう。

記者から、『計画倒産ではないのか?』という、整合性のとれない質問がありました。

社長は否定をされましたが、聞くまでもなく計画倒産ではありません。

計画倒産であれば、こんな大ニュースにはならず、スムーズに処理ができていたはずです。

何よりも、消費者や取引先などに配慮した計画になっているはずですあり、詐欺などと疑われることもないでしょうから、計画倒産であるならば大失敗であると断言できます。

前向きに先手を打って、従業員や取引先などの社会的弱者に配慮した計画で倒産させ、疑われることなくスムーズに進めるが計画倒産なのです。

ウィキペディアでは、計画倒産のことを、詐欺の意図をもって計画的に会社等を倒産させることをいう。経営に行き詰った会社等が、詐欺的な意思を伴わずに倒産計画(再建案又は清算案)を準備して倒産する「計画的倒産」とは異にする。・・・この様に説明をしています。

これは、建前に終始した説明でしかなく、綺麗ごとの定義づけでしかないでしょう。

はれのひが、この定義づけによる計画倒産であるならば、預かった着物など換金化されていたかもしれませんし、これほど揉めさせた後に社長がノコノコ出てくることはなく、もっと早い段階で計画に乗って処理されていたといえます。

 

記者達は、経営が現実の世界であり、建前より本音が優先する世界であることを知らないのでしょうが、日本中の経営者は理解をしています。

妙に、文化や社会への貢献など、理想の建前を振り回される経営者もおられますが、それは十分に儲かって経営に余裕があるからでしょう。

もしも、業績が悪化すれば、180度対応を変化させて本音に走るのは、多くの歴史が証明をしています。

 

けっして『はれのひ』の社長の行為を正当化しようとしている訳ではありません。

しかし、『危機感』とい状況における対応については、多くの中小事業者において見られる対応と同じようなものであり、この段階においては大きな問題はなかったように思うのです。

ただ、晴れの日の社長は、2点の、根本的な大きな過ちを犯しています。

1つは、事前にきっちりと対応処理するのではなく、成人式という一大イベントにおいて、突然に全てを放置したこと。

そして、最も配慮すべき債権者である消費者(お客様)が、1200人を超える大人数で、4億円という最大の債務者であったのに、配慮することなく放置したことになります。

本来は、よくある倒産劇で終わったかもしれないのに、この2点により、世の中を騒がせる大ニュースとなってしまったのです。

事前対応するのではなく、突然に放置・・・・
最も配慮すべきお客様を放置・・・

この2点は、以前に大ニュースとなった『てるみくらぶ』の倒産劇と共通しているのです。

 

 

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