債務処理の峠・・・


経営者は、経営危機に陥ると、例えようのない不安を抱くようになります。

この不安を打ち砕くことが、経営危機の打開になりますから、経営者は厳しい神経戦に勝ち抜くために、強い精神力と環境に合わせた対応が求められます。

どの様に、この負けられない戦いを勝ち抜いていくのかを、経営危機の進捗状況に合わせて考えてみたいと思います。

経営者としての考え方や気持ちの持ち方という観点から考えてみますが、当然、経営者により環境の捉え方は様々ですから一概に断定はできず、一般的な視点だとご理解ください。

 

第1ステージ .業績の悪化

健全であった経営が、いつの間にか低迷し、業績を悪化させてしまうことは珍しくありません。

この業績の悪化の捉え方は経営者により様々ですが、対応すべきポイントとしては、業績が低迷している現実を認識し、出来るだけ速やかに具体的な経営改善に取り組むことに集約されます。

この段階において、適切な対応が取れれば、経営は回復し健全化することもできるでしょうが、放置すれば、その後の展開は厳しくなってしまいます。

経営者としては、心配をし過ぎず、甘い考えは捨て、速やかに適切な対応をすることを心掛けてください。

 

第2ステージ .資金繰り悪化

何らかの理由で、業績の悪化が進み、資金繰りさえも厳しくなってしまうと、経営者には大きな2つのテーマが与えられます。

今後の方向性の確認と、資金繰りの確保です。

資金繰りの悪化した経営状況において、今後、どの様な展開の可能性があるのかを知り、経営者の責任として方向性を確認しなければなりません。

そして、その方向性を確立するために、当座の資金繰りの確保が必要となるのです。

この資金繰り確保においては、返済猶予など具体的対策を実施するのは当然のこと、あらゆる手段を動員して、資金の拡大と支出の抑制に取り組んでください。

経営者は、通常のハードな業務にプラスして、資金繰りという難題を背負うことになり、精神的にも辛い環境ですが、『何とかする』という強い気持ちを持つことが求められるでしょう。

 

第3ステージ .資金繰りひっ迫

資金繰りが、更に厳しくなり、通常の資金繰り対策が通じなくなった状況です。

計算の成り立たない資金繰りを確保するため、経営者の精神は痩せ細り、最も、厳しい状況に追い込まれているのかもしれません。

破産の選択や、もっと悲惨な選択をされるのも、この頃が多くなるのだろうと思います。

しかし、ここは、耐え忍ばなければならないステージであり、視野を広げて打開に取り組むべきタイミングにもなります。

万が一に備えた知識を身につけ、諦めない強い気持ちで取り組んでください。

 

第4ステージ .期限の利益の喪失後

資金繰りを確保できずに、正式に、金融事故になった環境です。

このステージになるということは、金融事故後の対応策について、経営者はある程度の知識を持っておられ、今後の展開についても理解されていることだと思います。

これから始まる、支払の督促や代位返済,不動産競売,仮差押えなどといった、債権者の初期の債権回収と、しっかりと対応をしていかなければなりません。

今後の目的を明確にし、何を優先して対応するのかを理解し、経営者としてはひた向きに取り組んでください。

実は、予想に反し、ここまでくると、経営者の精神的負担は軽減しているものです。

 

第5ステージ .本格的な債権回収

債権回収も、佳境を迎えた局面だといえるでしょう。

支払に関する訴訟や、サービサーへの債権譲渡,債務者資産への強制執行などにより、厳しい債権回収をされる環境であり、経営者は、もっとも熾烈な環境に置かれることになるのかもしれません。

しかし、ここまでくると、経営者は経験の蓄積により、タフな精神を身につけていることがほとんどです。

展開のシミュレーションにより、債権者の対応に一喜一憂することなく、冷静に対応される経営者も珍しくありません。

具体的な対策を実施している経営者にとって、このステージは、新しい人生を確立するために、古い人生を整理しているだけなのかもしれません。

 

第6ステージ その後

不良債権化後、様々な債権回収を実施され、債権は残っているが有効な回収手段は停滞した状況になっています。

このステージになると、督促の書類は絶えずに続くでしょうが、具体的な債権回収は減って落ち着いてきます。

和解や債権放棄,時効などといった、最終の処理も視野に入ってくる環境ですから、ここまでくると、債権債務処理も最終段階に入ったといえるでしょう。

経営者も、環境には慣れ、余裕のある精神を取り戻しておられると思います。

僅かな雑務は続くかもしれませんが、もはや大きな負担にはなりません。

債権者との神経戦も、ようやく終焉を迎えようとしているのです。

 

業績の悪化から、資金繰りの破綻,期限の利益の喪失,債権回収を経て、最終の処理までの、大まかな流れは以上になります。

経営者の置かれた環境や、その時の気持ちについて、要点を簡単にまとめてみました。

もしも、不明点や疑問点、ご自身の環境との適応についてのご質問がありましたら、何なりとお問い合わせをください。

大事なのは、結果として、何とかなるということなのです。

 

 

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