融資の難易度と、債権回収の厳しさ・・・


『なが~い、おつきあい。 ○○銀行』、というテレビコマーシャルを見られたことはあるでしょうか。

有力地方銀行のコマーシャルに使われており、 関西では、誰もが知っている有名なキャッチコピーです。

温かいほのぼのとした、良いイメージが伝わってきますが、このキャッチコピーには、実は深い意味が隠されてるのかもしれません。

表見的なイメージとはかけ離れた、有力地方銀行の本質の判るキャッチコピーなのかもしれないのです。




 『なが~い、おつきあい。』という言葉からすると、良い関係で末永くお付き合いをしましょうという意味になるのでしょうか。

中零細事業者の立場から、銀行など金融機関とのお付き合いを考えると、このキャッチコピーの関係は理想であり、いつまでも資金繰りに協力をしてくださいね・・・ということになるのでしょう。

まさしく、金融機関とユーザーとの健全な関係を表現した、素晴らしいキャッチコピーだといえます。

有力地方銀行も、当然に、そのイメージを狙ったコマーシャルであり、十分に目的を達成していると思います。

現実に、営業エリアは日々拡大し、預金残高も増加を続け、関西ではトップの地方銀行となりましたから、結果は大成功ということになるのでしょう。

業績拡大が、全て『なが~い、おつきあい。』というキャッチコピーに依るものではありませんが、多いに寄与していることは間違いありません。

しかし、ちょっと待ってください。

我々から言わせると、このキャッチコピーには、銀行の本音ともいえる深い意味が隠されているのです。



銀行などの金融機関は、様々な手段で収益を挙げますが、融資をすることにより利息を得るというのが、基本の収益確保のスキームになります。

今、ゼロ金利政策で、利益に充当されるはずの融資利息が低価ですから、多くの金融機関は業績を悪化させることになっています。

したがって、出来るだけ多くの融資を実行して、質よりも量で収益確保を図らなければならないということになるのです。

しかし、融資をすれば、回収をしなければなりませんから、簡単ではありません。

融資をしても、弁済が出来ない様な債務者であれば、貸付した元本が回収できなくなる恐れがあり、利息で収益を確保するどころの話ではなくなり、損失を発生させるかもしれないのです。

金融のプロである銀行などの金融機関として、その様な損失を被るわけにはいきません。

そのための手段として、金融機関には2通りの選択肢があります。

まずは、徹底して与信を実施し、弁済についてのリスクのない融資を実行すること。

もう一つは、弁済に問題が発生した時に、徹底した債権回収を実行するということになり、多くの金融機関は、この2通りの対応に分類されることになります。

前者の、与信を徹底するというのは、三菱UFJや三井住友などのメガバンクが挙げられます。

事前の与信は厳しい徹底したものになりますが、不良債権化した場合の債権回収については、早い段階で具体的な督促を諦めて損金処理するという傾向があります。

後者の、徹底した債権回収を実行する金融機関としては、地方銀行や信金信組などの一部であり、それらの金融機関には共通した特徴があります。

融資姿勢が、緩い金融機関ということです。

よく、『あの銀行は、融資をしてくれ易い・・・』といいますが、この様な金融機関が後者のタイプになります。

融資姿勢が緩く、リスクがあっても融資を実行してくるような金融機関であり、エリア拡大などの積極的な営業展開の姿勢をみせる金融機関に多くみられるタイプになります。

少々はリスクがあっても積極的に融資をしてくれる訳ですから、当然に不良債権化する割合は増加しますので、債権回収に緩い姿勢を見せる訳にはいかず、厳しい姿勢を見せる必要があるということなのです。

融資姿勢の厳しい金融機関は、債権回収の姿勢は緩い傾向があります。

逆に、融資姿勢の緩い金融機関は、債権回収の姿勢は厳しくなるものです。

金融機関として、融資姿勢も、債権回収姿勢も緩いというわけにはいかないのです。



最初にご紹介をした『なが~い、おつきあい。』という有力地方銀行は、積極的に融資をしてくれることで有名です。

したがって、債権回収の姿勢には、厳しいものがあり、いつまでも諦めようとはしません。

『なが~い、おつきあい。』というのは、いつまでも、債権回収を諦めませんよ。長いお付き合いになりますね・・・という意味になるのです。

 

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