民法改正で変わる債務処理・・・


 

既にご承知だとは思いますが、中小零細事業者の事業や生活と関係の深い、民法が改正されることになりました。

2017年6月2日の公布になりますから、公布後3年以内の施行となると、2020年の1月1日もしくは4月1日の施行になる可能性が高いのではないでしょうか。

改正される内容は、民法の中でも契約や債権に関して規定している債権法を対象としており、特に身近な法律の改正といえますから、是非、この改正の内容は理解しておきたいものです。

法律は、知らなかったでは済みませんから、施行までは時間がありますので、この民法の改正を、仕事や生活のために活用できるように前向きに取り組まれてはいかかでしょうか。

 

この債権に関する民法は、明治29年に制定されて以来、初めての抜本的な見直しになり、実に120年振りの改正になります。

明治,大正,昭和,平成という、変動の激しい時代に、120年間も同じ法律で通用した訳ですから、凄いとしか言いようがありません。

とはいうものの、さすがに、消費者保護の確保やインターネット取引の常態化などの時代の変化により、根本的に見直す改正が必要になったのでしょう。

120年間も改正をしなかったのですから、今回の改正は多岐に亘り、なんと200項目にも及ぶようです。

法律の親しんでいない我々が、これほどの改正を理解するのは大変なことです。

しかし、大変だからといって放置するわけにはいかず、最低でも基本的な改正点については理解しておきたいものです。

債権債務処理や会社再生などに深く絡む改正ですから、必要と思われる重要なポイントについて、効率的に理解できるように、本ブログにおいて判り易く考えていきたいと思います。

まず、今回の民法改正について、取り組みが必要であるとされた理由として、社会経済情勢の変化に鑑みという前段の後に、いくつかのポイントが紹介をされています。

  ・ 消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備

  ・ 法定利率を変動させる規定の新設

  ・ 保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備

  ・ 定型約款に関する規定の新設等

といった、《消滅時効》,《法定利率》,《保証》,《定型約款》に関して紹介され、この4項目が民法改正のメインのポイントとなることが判ります。

ただ、それ以外にも、中小零細事業者にとって関わりの深い、以下のテーマも改正の対象となっています。

   《詐害行為》

   《債権譲渡》

   《債務不履行》

   《売買》

   《消費貸借》

   《賃貸借》

   《瑕疵担保》

難しい言葉ばかりの様ですが、日常の業務や生活において、目にしたり経験したりする身近な内容ばかりではないでしょうか。

それだけ、我々が日常的に活用する法律が改正するということですから、やはり、しっかりと理解しておく必要があります。

これら以外にも、中小零細事業者に影響を与えるであろう、改正される項目も少なくはありませんし、民法の改正に合わせて、関連する法律も見直されることになるでしょう。

これだけの内容について、全てを把握するのはとても無理でしょうが、改正について基本とポイントだけは理解をしておきたいものです。

 

具体的には、次回のブログから、民法の改正のポイントについて、勉強をしていきたいと思います。

我々、中小零細事業者に影響の大きいテーマごとに、その改正内容と、改正により影響の考えられる事例についてまとめていきます。

ただ、一般的な捉え方ではなく、会社再生や経営危機打開の立場から、民法を理解し活用できるように掘り下げていければと考えています。

そして、様々な事例の中で、疑問点や整合性の確保できない事項については、どんどん突っ込んでいただければ有難いです。

知っていれば自信につながり、活用できれば有利になるのが民法だと思います。

知らなかったでは済まないのも法律ですから、この機会に、出来る限り理解しておきたいと思います。

 

 

 

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