資産として、生命保険を守る・・・


どんな経営状況であろうとも、将来のための貴重な資産として生命保険は維持したいものです。

しかし、金融事故になると、債権回収の手段として、債権者金融機関などが生命保険を対象にすることが確実に増えてきました。

そんな生命保険を、維持し守るというのは難しくありませんが、保全ほ実施するについては留意すべきことは少なくありません。

そして、譲渡に関する税金が発生するかもしれないことを、事前に認識しておいてください。

経営が厳しくなろうとも、事業や生活を維持するために、最低限の資産は必要になりますから、事前に、守るべき対策を実施しておかなければなりません。

我々は、その対策を『資産の予防的な保全』と呼んでいますが、基本的な理屈を認識しておく必要があります。

債権者は、債務者が前向きに債権回収に協力をしてくれなければ、最終的に有効な方法は差押だけということになるのです。

裁判などの法的な手続きを踏んでも、債務者が協力しなければ、債権回収についての効果は期待できませんから、そんな状況においても債権者が債権回収をするには、差押が唯一の残された方法となります。

すなわち、資産を予防的に保全するというのは、差押をされないためといえます。

具体的には、差押をされないために、

   対象となる資産の存在を知られない・・・    対象となる資産に価値が無い・・・    対象となるべき資産の名義が違う・・・

以上が、資産を予防的に保全する3原則となります。

この3原則の状況であれば、差押ができないか、差押をされても意味が無いということになりますので、この原則に資産を当てはめて活用することになります。

そして、予防的に保全を図る対象となる資産については、代表的なところでは、預金口座や不動産でしょう。

さらに、有価証券や会員権や保証金,収入となる家賃,売掛金,高価な動産なども対象になります。

そして、忘れてならないのが生命保険であり、特に積立性のある生命保険は、債権者の債権回収について格好の対象といっていいでしょう。

資産としての存在を把握し易く、資産としての価値も高く、差押の容易な資産だといえますから、最近は、債権者にとって、生命保険は債権回収の対象となる有効な資産だとなりました。

そして、生命保険の差押というのは、生命保険自身を差押するのではなく、生命保険を解約する請求権を差押するということになります。

したがって、差押をされると、解約さえもできなくなるということです。

 

この生命保険を予防的に保全する時に活用するのは、名義(所有権)が違うという原則であり、名義を債務者名から変更してしまうということになります。

名義が違えば差押できませんから、保全対策としては難しくはないといえますが、生命保険の名義が誰なのかを間違わないでください。

生命保険には、『契約者』『被保険者』『受取人』という3つの名義が、契約書にありますが、この生命保険料を支払っている『契約者』が、生命保険の所有者ということになります。

したがって、契約者が、不良債権の主債務者や保証債務者の場合には、生命保険を債権回収のために差押される可能性がありますので、契約者の名義を変更して予防的な保全を図るということになります。

単純に、契約者名を、債務者でない夫人やお母さんに変更をするというだけであり、資産の予防的な保全対策としては簡単な作業になります。

ただ、注意していただきたい事があります。

1つは、詐害行為として間違われない様に、債務超過状況になる以前の早い段階で 実施するということであり、この点については十分にご理解をいただいていると思います。

そして、もう1つが、税金の発生について理解しておくということになります。

生命保険という資産を譲渡するわけですから、譲渡に関わる税金が発生するということです。

昔から、生命保険の契約者を変更すれば、当たり前の様に譲渡に関する税金は発生していたのですが、マイナンバー制度が導入されてから、生命保険の譲渡についての税務当局の把握が容易になったといえます。

契約者の名義変更などがあると、生命保険会社から税務当局に報告される支払調書にマイナンバーが記載され、紐付けが容易になったのです。

さらに、平成30年1月1日以降は、生命保険会社に契約者の名義変更の届け出を義務付ける法定調書制度が導入されますから、完全に把握される様になるでしょう。

ただ、契約者を変更しただけで、直ぐに税金を納税しなければならない訳ではありません。

死亡や解約や満期により、実際に保険金を受け取った時に課税をされる様になります。

忘れた頃に課税をされるので、ある意味、大変なのかもしれませんが、貴重な生命保険を守れたという結果なのです。

 

資産の予防的な保全において、『資産の名義が違う』という原則を活用される場合は、譲渡に関する税金が発生するということを認識してください。

マイナンバー制度が導入されたからではなく、当たり前に、譲渡に関する税金が発生すると理解しておくべきだと思います。

貴重な資産を守れるのですから、けっして高くはないでしょう。

 

 

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