不渡りから6年・・・


 

たとえ不渡りを出して、倒産扱いされようが、経営者が強い気持ちで諦めさえしなければ、経営は維持出来るものなのです。

資金繰りの最低限の維持や、現金決済での商取引の仕組みを確保するなど、一定の条件さえ整えることができれば、事業を継続することは可能です。

経営を続けるかどうかは、金融機関や債権者の判断ではなく、債務者の意思で決められるものなのです。

 

以前、お聞きしたことのある様なお名前の経営者から、ご連絡をいただきました。

随分と前に、ご相談をさせていただき、又、聞きたい事があったので、久し振りにご連絡をいただいたとのことでした。

お電話をいただいた時、私は留守をしていましたので、折り返しのお電話をする前に、過去の、その経営者とのご面談記録を確認しました。

すると、前回のご面談は、平成23年の春ですから、6年も前になります。

しかも、その時のご相談内容を確認すると、経営破綻直前の単語が並んでいます。

最初に、『政府系金融とA信金は返済猶予中』・・・これは、健全経営においても、当たり前の様にある内容になりますね。

続いて、『保証協会付き融資は期限の利益の喪失をして、全て代位弁済』・・・経営危機の真っただ中で、打開のために頑張っておられたのでしょう。

そして、『2月と3月に、続けて2度の不渡り』・・・なんと、倒産に至る、決定的な結果を出されています。

そう、普通であれば、今すぐ『破産』をしても不思議ではない状況で、暗い内容のご相談だったのでしょう。

ところが、面談記録では、そんな悲観的でネガティブな表現など、一言も書かれていません。

『このまま経営継続』,『担保の買い戻し』,『第2会社』,『仕入先の協力』等の、前向きな言葉が躍っているのです。

具体的なご相談内容も、いかに資金繰りを確保して、必要最小限の関係者の協力を取り付けて、事業を維持していこうかという内容。

そして、担保に入っている不動産を維持・確保するための具体的な方法や、第2会社を設立して長期的に事業を展開していくための対応について、細かに打合せをさせていただいています。

さらに、経営者からは、保証協会等の債権者との対応方法や、時効についてのご質問までもいただいております。

この経営者は、事業を断念する考えなど、全く持っておられなかったのです。

 

今回のご相談の内容は、現在の商取引に関することで、前回のご相談とは全く関係のない内容でした。

前回のご相談から、6年という歳月が過ぎているのですが、その経営者は普通の口調で、当たり前の如く、事業が継続していることをご説明くださいました。

もし、私が、『6年間も、よく頑張られましたね・・・』とでも言えば、怪訝な声を挙げられたかもしれませんが、この結果は、頑張ったでは済まないほど凄いことだと思います。

不渡りを2回出して、倒産扱いをされても、事業を維持すること可能ですし、現実に、私がご相談をさせていただいた方でも、他にも複数そんな経営者はおられます。

しかし、多くの場合は、その後に別形態に移行されることがほとんどで、同形態で6年間も維持されているという事例はありません。

経営者の強い心が、引き寄せた結果でしょうし、関係者の思いの集約でもあるのでしょう。

諦めないという気持ちが、経営にとって、如何に大事なのかという稀有な実例だと思います。

 

 

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