返済のための借入・・・


立派な社会人でも、駄目だと判っていながらも、ついつい、してしまうことは少なくないでしょう。

この世の中を生き抜こうとすれば仕方がないのかもしれませんが、その結果が、取り返しのつかないことになるかもしれません。

『これぐらい大丈夫だろう・・・』、という根拠のない対応は、事業経営においては非常に危険だといえます。

 

『赤信号で渡ってはいけない・・・』と、子供に教育しながら、駄目と判っていても赤信号で渡ってしまう大人は少なくありません。

たしかに、忙しい時に、車も来ていないのに、大人しく待たなければならないという、そんな原理原則に縛られていては、時間が勿体ないともいえます。

ルールは守らなければなりませんが、自己責任において、ルールを勝手に解釈するのが実社会なのかもしれません。

しかし、赤信号を無視して渡り、事故にでもなれば、何をしているか判りません。

ルールを無視した結果が良ければ問題はないのかもしれませんが、結果が悪ければとんでもないことになってしまいます。

子供は、謝ったら許してもらえるかもしれませんが、大人は、謝ったからといって許してもらえるものではありません。

我々が仕事をする実社会は、社会人としてしっかりと結果に対しての責任をとらなければならない世界なのです。

 

会社を経営するうえにおいても、本来なら回避すべきことなのに、これぐらいなら大丈夫だろうと判断し、手を出してしまうこともあるでしょう。

会社の経営を守るために、仕方がないという判断で実行されるのですから、限度を守っていれば影響は無いのかもしれません。

そして、その結果が良ければ、許されるどころか評価されるのが、我々が生活する実社会だといえます。

しかし、回避すべきことに手を出して、気がつけば、大変なことに陥ってしまう可能性もあるでしょう。

その代表的なものが、資金繰りを確保するための借入なのかもしれません。

本来、金融機関からの借りにより、運転資金を確保するというのは、正常な経済行為ですから、資金繰り確保の手段としては何の問題もありません。

借りないにこしたことはありませんが、新規事業の資金や事業規模拡大に伴う資金重要を、借入で賄うというのは、資金繰り上当然の行為だともいえます。

通常の経営において、運転資金が不足した場合に、その不足分を金融機関からの借り入れしようというのも、中小零細事業者の資金繰り確保の常とう手段であり間違ってはいないでしょう。

資金繰りが破綻すれば、会社は倒産するのですから、資金繰りを確保するためには、あらゆる手段講じて当たり前なのです。

しかし、資金が不足すれば、金融機関から借りればいいというものでもありません。

何のために借入をして資金繰りを確保し、その結果、今後はどうなるかが重要なポイントになり、場合によれば、冷静な判断に基づいた方針転換が必要になるのかもしれないのです。

今、借入をすれば、資金繰りは確保できて、将来的にも事業が維持出来るのであれば問題はないでしょう。

しかし、今、借入をして当座の資金繰りは確保できても、改善の見込みはなく直ぐに資金が不足して、借入が継続できなければ資金繰りが破綻するという状況であれば、借入について見直さなければなりません。

その借入は、運転資金ではなく、延命資金となっているからです。

基本的なことになりますが、借入をすれば返済をしなければなりません。

しっかりと借入の返済計画をたてて、将来的に返済原資を確保できるという状況であれば安心です。

しかし、中小零細事業者の場合、具体的な計画性などなく、今、資金が不足するので借入が必要だという、その場凌ぎという状況が多い様に感じます。

当たり前のことですが、ここで再確認しておきたいことは、借入返済の他に利息も支払わなければならないということです。

ただでさえ資金繰りが厳しい状況なのに、元本返済だけでなく利息の支払まで新たに発生してしまうのです。

それでも、借入をしてすぐの頃は、借入した資金がありますから資金繰りは確保できます。

しかし、その資金が尽きれば、間違いなく、借入をする前よりも厳しい資金繰り状況になってしまいます。

その場を凌ぐため、さらに借入をしても、その後いずれは、もっと厳しい資金繰り状況に陥ることになります。

この様に、借入返済を新規借入により賄えば、元本返済額と利息の支払額は、借入をする度に増え続けることになり、これが資金繰り地獄ということになります。

そして、近い将来、借入は出来なくなり、返済も出来なくなって、資金繰りは破綻してしまうかもしれません。

 

この流れは、経営者ならば、誰でもご存知ではないでしょうか。

資金繰りを経験された方ならば、知っていて当たり前の基本的なことですから、本来は、誰も陥るはずはないと思います。

しかし、この様な資金繰り地獄に陥られる中小零細事業者は少なくありません。

経験豊富で立派な経営者でも、判っていても陥ってしまい、しかも、一度、陥れば、なかなか抜け出せない資金繰り地獄なのです。

結果、全ての資産を資金繰りに使い果たし、将来も喪失させるという、最悪の結果を招くことになってしまいます。

借入は、通常の正常な経済行為なのですが、明日の見えない状況での借入は、いつしか、手を出してはいけない禁断の行為になる可能性があります。

『今を何とか凌ぐ』のではなく、『明日の人生』のために、冷静に判断し、引き際を間違えないでください。

そのために、しっかり資金繰り表を作成し、返済原資を確保する努力をし、事前の対応を心掛けてください。

そして、借入をして資金繰りを確保しても、今後の事業が見通せないと判断できれば、躊躇なく方向性の転換をしなければなりません。

中小零細事業は、『何とかなるだろう・・・』ではなく、経営者が『何とかする・・・』ものなのです。

 

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